今回の「山道具あれこれ」シリーズは(と言っても第2回目の記事だが‥‥笑)、前回の登山靴破損と同じくザックのバックル破損の話題である。(前回の登山靴破損の記事はこちら)
目次
チェストベルトのバックルが折れた!
グレゴリー社の Z40(出典:A&F オフィシャルブログ)
いつも使っている日帰り山行用のザックは、グレゴリー社のZ40という名のモデル(黄色)で、9年ほど前に購入したもの。
11月28日の山行中にチェストベルトのリリースバックル(オス部)が、冒頭写真のようにポキリと折れてしまった。
ザックが後方にずり落ちるのを防いでいる胸部のバックルなので、不便なことこの上ない。
このZ40、日帰り山行の時は常に使用しているため、へたり方が半端ではない。
1年前にはウェストベルトのバックルも破損しており、以来だましだまし使い続けてきたのだ。
数年前に底部に開いた穴は、同色のリペアテープを貼り付けて補修。
ザックの両脇のネットはへたれて緩みきり、破れもあってよれよれである(みっともないので写真は省略)。
年間40回前後は山を歩いているので、このザック、これまで300回以上は使用していることになる。よく働いてくれたものだ。
どんなバックルでも交換可能な部品を発見
満身創痍の如きマイザック、このあたりで新品に買い換えようかとも思うが、ここまで使い込むと妙な愛着が湧き、とことん最後まで使い切ってやろうという気持ちになってくる。
やれるだけやって修理できなければ新品購入と決め、まずは店頭に並んでいる交換用のバックルを購入してきた。
買ったのはベルト幅20mmの交換バックル(モンベル社 税込210円)。
取り付けようとするも、すぐに課題に直面。メス部分のベルトは写真のようにループ状に縫われている。
交換するためには、縫製部分(2ヶ所)をほどき、バックル装着後に改めて縫い直さないといけないことに気づいた。
我が家にはこの厚さのベルトが縫えるようなミシンはない。よく考えずに行動を起こすとこうなる。
愚かな小生とは異なり、よく考えて課題を解決したご同輩がいるはずと、ネットで情報を検索することにした。
結果、参考になったのは次のような記事。
結論として、「ループをほどかずに取り付けられる交換用バックル」があると分かった。
SEA TO SUMMIT 社の「FIELD REPAIR BUCKLE」なる商品だ。
ループに通す所がねじを切ったピンとなっており、取り外しが自由。ピン1本タイプと2本タイプがあり、それぞれベルト幅に応じた物が販売されている。
行きつけの登山用品店に電話で問い合わせると、現在店頭に置いていないとのこと。早く修理したいので、amazon で注文することにした。ウェストベルト用(ピン2本、幅38mm)とチェストベルト用(ピン1本、幅20mm)である。
バックルを交換してみる
ウェスト・ベルトのバックル(ビス2本タイプ)
まずは取り付けやすいウェストベルトから作業に取りかかる。
ウェストベルトのバックルはオスもメスも固定式なので、ピン2本タイプの物を使用。
◆購入したバックルは、「キャラバン(Caravan) SEATOSUMMIT(シートゥサミット) リペアバックル(38mmサイドリリース2ピン) 1700456」という商品。
このタイプのバックルは、ご覧のように取付ピンが2本付いている。
破損したバックルを取り外し、交換すればよい。
バックルのプラスチックが硬く頑丈だったので、金切りノコで切断した。
バックルとベルトのループにピンを挿入し、プラスドライバーで締めれば、装着完了! 他のバックルと色やデザインが違うのが難だが、まぁ大した問題ではあるまい。
チェスト・ベルトのバックル(ビス1本タイプ)
チェスト・ベルトの幅は20mm、オスはリリース式、メスは固定式なので取付ピン1本タイプを使う。
◆具体的には、「SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) リペアバックル 20mmサイドリリース1ピン 1700397」という商品。
こちらは、メスの方に取付ピンがついているタイプ。オスはベルトを通すだけである。
まずメスのバックルから取り付ける。問題なく装着完了。
オスを取り付けるのに困ったことが起こった。ベルト先端の折返し部分が厚くて、バックルのスリット(すき間)を通らないのだ。
道具箱から工作用やすり(金工用)を取り出し、少しずつ削りながらスリットを広げていく。
金切りノコと工作用やすりが必要だったが、何とか補修を終えることができた。
なぜ、修理しながら使い続けるのか?
年をとるに従い、なかなか物が捨てられなくなった。特にお気に入りの道具、長く使って愛着のある物を廃棄するには勇気がいる。できるなら最後まで使い切り、その命を全うしてやりたい。
老いていく自分を古びていく物品に投影しているのでは、と考えたこともある。
昨年1月に本ブログでアップした、パタゴニアのR2フリースを修理した記事(その時の記事はこちら)。
この記事、閲覧数が 3,000 PV 近くあったので、小生と同じ考えをお持ちの方も多いのではと勝手に推察している。
「ずっと使うのがかっこいい」、「新品よりもずっといい」。このパタゴニア社のキャッチコピー、時々思い出してみてもよいのでは。