(出典:株式会社 児玉兄弟商会公式サイト)
夏に低山を歩いていると、ヤブ蚊の「ブ~ン」という羽音が耳に入るだけで、イライラしてくる。さらにブヨが1~2匹まとわりついてくると、もういけない。恥ずかしい話だが、苛立ちとストレスで自己抑制がきかなくなってくる。
小生、どうもヤブ蚊やブヨに狙われやすい体質のようだ。山行中は、汗かき、体温高め、呼吸数多めと、吸血害虫が好む条件を全て備えている。アウトドアに出ると、すぐにヤブ蚊やブヨが寄ってくる。
過去にあれこれと虫除け対策を講じてきたが、決定打は皆無である。今回「パワー森林香」なる最強(?)「虫除け線香」を購入し、試してみた。
小生と同様、山行中のヤブ蚊、ブヨに悩まされている方がいらっしゃたら、ご参考までに。
目次
夏山のブヨ被害、消せぬトラウマ‥‥
ブヨにかまれた跡(出典:Mシュナお嬢様ビッテとのHAPPY LIFE ~第二章)
実は数年前の8月、福智山に登った際、2~3匹のブヨにしつこくつきまとわれ全身を咬まれる、という実に嫌な経験をした。長袖、長ズボン、帽子を着用していたのだが、敵もさる者、着衣の上からでも咬みついてくる。手に持ったうちわやタオルで追い払うが、それをかいくぐって攻撃してくる。
山頂付近ではいったん姿を消すが、下山にかかり樹林帯に入ると、再びつきまとってくる。結局、首、腕、脇腹、すね等、二十カ所以上咬まれるという惨状だった。
ブヨというのは、咬まれると物凄く腫れる上、かゆみも強烈である。腫れ、かゆみ、痛みが1週間以上続くという悲惨な体験であった。これがトラウマとなり、以後、夏の低山にはほとんど出かけていない。
これまでの防虫対策
アウトドアにおける虫除け対策は、基本的に受け身とならざるを得ない。自由自在に飛来可能なヤブ蚊やブヨに対し、当方からの先制攻撃は不可、あるのは専守防衛のみである。この圧倒的に不利な条件のもと、有効な対策を講じるのはなかなか大変なのだ。
小生がこれまで使用してきた防虫グッズと、その私的な評価を箇条書きすると、
- 蚊取り線香:ヤブ蚊にはいくらかの効果があるようだ。ブヨには効果なし。
- 市販の防虫スプレー:いくつか試してみたが、ヤブ蚊にもブヨにも大した効果があるとは思えない。汗で効果が薄れるのかも。
- ハッカ油スプレー(自作):ヤブ蚊には、市販の虫除けスプレーより効果あり。ブヨには余り効果なし。汗で忌避効果が薄れるのが早く、頻繁にスプレーする必要がある。
結局、ブヨ対策に有効な防虫グッズはなし、ということである。ヤブ蚊、ブヨ、アブ‥‥、これら全ての吸血害虫から防御可能な、全方位型イージス(盾)グッズがほしい。これが小生のささやかな願いであった。
「パワー森林香」のネット情報収集と疑問点
(出典:株式会社 児玉兄弟商会公式サイト)
ネットではヤブ蚊、ブヨ被害にあった方の体験記事を、そこここに見つけることができる。あれこれ流し読みしてみると、「パワー森林香」の虫除け効果が絶大、との記事をいくつか発見。「森林作業や農作業などでプロの方達によく使われている」とか。
早速、次の3つのサイトで調べてみた。
- 「パワー森林香」の製造元会社のサイト > 株式会社 児玉兄弟商会公式サイト
- amazon > 「富士錦 パワー森林香(赤色)30巻入り」のページ
カスタマーレビューでは、352人中81%が星4つ以上の高評価。レビューの文章も効果の大きさを賞賛するもの多し。 - 「パワー森林香」を個人的に紹介するサイト > キャンプ虫除け線香「森林香」4つの特徴と2つの誤解・便利な使い方
小生が閲覧した限りでは、このウェブページが最も分かりやすく、詳細に説明してくれていた。管理人のキタガガ氏に感謝である。
情報収集するうちに、疑問が2つ浮かんできた。
- パワー森林香の適用害虫が「ユスリカ、チョウバエ、アブ」と記載されており、肝心のヤブ蚊・ブヨが記載されていないのはなぜか?
- 「蚊取り線香」ではなく、「虫除け線香」と記載されているのはどうして?
これらの疑問については、上記サイト3の キャンプ虫除け線香「森林香」4つの特徴と2つの誤解・便利な使い方 に、詳細な解説が個人的見解としてアップされている。
キタガガ氏の「推測」を要約すると、
-
- 蚊やブヨなどの「衛生害虫」への効果表示は、「医薬品」「医薬部外品」の承認を取らないと表示できない定めとなっている(医薬品医療機器法)。
- パワー森林香の成分「メトフルトリン」は強い殺虫効果があるにもかかわらず、ラベルには「医薬部外品」とは記載されていない。
- 恐らく、パワー森林香はコスト面から「医薬部外品」の承認を得ていないので、蚊やブヨの効果をうたうことはしていないのでは? 【キタガガ氏の個人的推測】
事実はこの推測どおりだろう、と小生も「推測」している(小生の場合は、無知な素人の個人的な見解である)。
パワー森林香を実際に試してみた
(出典:株式会社 児玉兄弟商会公式サイト)
7月末にパワー森林香を購入し、これまでに3回試しに使ってみた。実家の草刈り作業(約3時間)で1回、近隣の里山ウォーキング(約2時間)で1回、古処山山行(約4時間)1回である。いずれも「ハッカ油スプレー(自作)+森林香」のセットで使用した。
わずか3回のテストだが、かなり効果があったと判断している。草刈り作業でも、山歩きでも、ヤブ蚊もアブもほとんど近寄ってこなかった。しばらくテストを重ねてみないと結論は出せないが、現時点では合格点をつけられそうである。
最後に、パワー森林香のデメリットを挙げておくことにする。
- 購入者が少ないためか、量販店には置いていないことが多い。
- 一般的な蚊取り線香に比べ、高価である。
- 線香がかなり太いため、点火に時間がかかる。
- 煙の量が大量で、臭いも独特。周囲の人に迷惑をかける恐れ大。
- 専用の携帯容器(別売)が別に必要。
- 山行中は、ザックに固定した方がよい。フックでつり下げると、よく落下する。
今後もテストを重ねて、何かあれば追記していくことにしよう。