山道具

山道具あれこれ(4) 「ガシガシ」と登山靴の泥を落とせる作業台

投稿日:2022年9月7日 更新日:

Image by Amanda Whitbeck from Pixabay

 登山靴の泥をガシガシ落とせる作業台がほしい。登山靴を洗う時、いつもそう思っていた。靴をしっかり固定しておかないと力が入らず、なかなか泥が落ちないのだ。

 数日前、YouTube で「これはいいかも!」という作業台を発見。さっそく作ってみることにした。

※ 前回の山道具の記事は、こちら >山道具あれこれ(3) 登山靴(シリオ社P.F.441AS)を購入!

目次

泥まみれの登山靴を洗う悩み

 山歩きから帰宅してまずやるのは、登山ウェアの洗濯と入浴。

 ウェアを脱ぐついでにネットに入れ、中性洗剤投入後に洗濯機のスイッチをオン。入浴後のビールを楽しんでいる頃に洗い終わるので、そのままベランダに干すのがルーティンだ。

泥と水にまみれた登山靴、スパッツもぐちゃぐちゃ状態。

 問題は泥で汚れた登山靴。マンションの上層階に住んでいるため、靴を洗える場所はベランダしかない。山歩きを始めたばかりの頃は、浴室の床を泥まみれにし、カミさんから大目玉をくらった苦い記憶がある(笑)。

 このベランダでの靴洗いが大変なため、なかなか作業に取りかかれないのだ。大変な理由は、次の3つ。

  1. 室内での水運び
    バケツに入れた水を浴室からベランダまで運ぶ(最低2回)のが一仕事。リビングと和室を通り抜けるたびに、水をこぼさないよう細心の注意が必要。
  2. 泥を落とす作業のやりにくさ
    靴の中に左手を突っ込んで洗うと、うまく固定できず洗いにくい。登山靴を床に押しつけて固定すれば、バケツからの距離が遠くなり、床が水浸しになる。
  3. ベランダの床掃除の手間
    上記2の方法で作業すると、ベランダの床が盛大に汚れる。疲れた体でこの床を洗い流し、きれいにするのが最も嫌である。

 山行から帰宅したら、どんなに疲れていても (1) 山道具の片づけ、(2) 登山靴のメンテナンス、(3) ウェアの洗濯まで必ずやるという人を知っているが、尊敬するしかない。

 

登山靴を洗うための、こんな道具がほしい!

 下山後はできるだけ早く靴のメンテナンスが必要なのは、重々承知。

 どうすれば靴洗いのモチベーションを高めることができるか。「こんな道具があれば靴洗いが楽になり、やる気がおきるかも」と、少しだけ考えてみた。

  1. 気兼ねなくガシガシ洗える作業台
    登山靴を左手で固定し、ソールに固着した泥をガシガシと洗い落とせる台
  2. 周囲に水を散らさない水桶
    作業台のすぐ側に置け、周囲に水を散らさない水桶
  3. 落とした泥を簡単に処理できるツール

 数日前、「これならいいかも?」と心に刺さる作業台を偶然見つけた。次の画像のような台である。

画像出典:YouTube 動画「革製登山靴のメンテナンス 

 どうやら水桶は、ホームセンターで数百円で売られているプラ製コンテナ・ボックスのようだ。その上に手作りの「すのこ」をセットし、革登山靴を「ガシガシ」と豪快に洗っている。
 水桶のすぐ上に登山靴が置かれているため、作業しやすく周囲に水が飛び散らない。

 直接ご覧になりたい方は、次の動画をどうぞ。開始22秒あたりから4分30秒頃まで、ひたすら登山靴を洗う様子は圧巻である。

◆「革製登山靴は10年使って欲しい!」革製登山靴メンテナンス ¥1650 GankoDadの思い ハイキングサポート アドスポーツ 姫路

 「これだったら、俺にもできるかも」と閃いた小生、思い立ったが上吉日。さっそく物置きに眠っていた端材を引っ張り出し、見よう見まねで作ってみた。

 板と角材を適当に切りそろえ、木ネジで止めただけという実に簡単なもの。ちなみに板のサイズは、W300×D90×H20mmとし、角材の長さは210mm。

登山靴を洗う作業台

 コンテナボックス(13番、外寸W287×D435×135mm)に載せてみると、ぴったりである。水は板の隙間からコンテナ内に落ちるので、周囲を濡らすことも少ないだろう。

登山靴を洗う作業台

 コンテナにぴったり収まったので、上で靴を押さえても作業台が動くことはなさそうだ。

登山靴を洗う作業台

 あいにく汚れた登山靴がなかったので、手入れ済みの靴を仮置きしソールをこすってみた。いいじゃないか!

 次の山行が楽しみになってきた。

 

その他の泥落とし道具

 ついでに、小生愛用の泥落とし道具を紹介しておくとしよう。いずれも10年以上愛用してきた、逸品(?)ばかりである。

ほじくり棒

登山靴を洗う

 「ほじくる」とは、つつき回して中の物を出すこと。ソールの泥汚れがひどい時は、まずこのほじくり棒で深い溝につまった小石や固着した泥をつつき、取り除く。

 当初はマイナスドライバーを使っていたが、ソールのゴムを傷つけないように割り箸に変更。割り箸が折れやすい(竹製はOK)ため、菜箸(直径8mm程度?)を長さ200mmで切り、先を削って使い続けている。

 余計なお世話だが、泥を落とす時は予め新聞紙を引いて作業すること。

クリーニングブラシ(コロニル社製)

登山靴を洗う

 靴洗いのメインで使うのは、コロニル社のクリーニングブラシ。10年前に「登山靴の店 BC穂高オンラインショップ」のサイトで推奨されていたのを見つけ、ネットで購入したもの。2,500円ぐらいしたと思う。

 亀の子タワシから始まりいろんなブラシを使ってみたが、このブラシが一番使いやすい(と勝手に思っている)。ソールの溝の隅につまったしつこい泥も、こいつの尖った部分でこするとよく落ちるのだ。

 10年近く使ってもびくともしない堅牢性は、さすがドイツ製。今はネットで1,000円前後で手に入るのが、うらやましい。

登山靴を洗う

 次は真鍮ワイヤーブラシの剣型。真鍮製品や銅・木の磨きに使われるもの。これも10年以上前に、ホームセンターで数百円で購入。ランドラバー部や平らな部分で使用。泥が少なければ、ソール洗いにも使用している。

登山靴を洗う

鉄のワイヤーブラシを決して買わないように!

 泥落しセットは、一つの袋にまとめて収納している。右端の袋は、昔使っていた軽アイゼンの収納袋を流用。頑丈で汚れも水も気にしないですむのが、有り難い。

登山靴を洗う

左からほじくり棒、コロニルのブラシ、真鍮ワイヤーブラシ、アイゼン袋

 コロニル社のクリーニングブラシを初めて知った動画(2012年9月27日)がまだ公開されていた。小生の知る限り、日本で初めてこの商品を紹介した動画だと思う。
 これを見て、すぐネット注文をしたのが10年前か‥‥。

◆ 登山靴のまる洗い クリーニング お手入れ/

◆本シリーズの次の記事はこちら >    

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