嬉しいお知らせである。
ベストセラー『ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~』の著者、佐々木常夫氏の講演会が、北九州市で11月に開催されるとのこと。さっそくネットで申込みを済ませたところである。
佐々木氏をご存じでない方は、氏の次のようなプロフィールを目にするだけで、驚かれることと思う。
◆プロフィール
1944年秋田市生まれ。
6歳で父を亡くし4人兄弟の次男として母の手ひとつで育つ。自閉症の長男を含む3人の子どもの世話と肝臓病とうつ病に罹り40回以上の入院を繰り返す妻の世話に忙殺される状況の中でも仕事への情熱を捨てず、さまざまな事業改革に全力で取り組む。(後略)(出典:「佐々木常夫さん講演会」紹介チラシ)
ビジネスマン、父、主夫の三役をこなし、同期トップで東レの取締役に抜擢されるなど、その「仕事も家庭も」あきらめない生き方を記した『ビッグツリー』(WAVE出版、2009年)は、発売当時多くの読者の感動と共感を呼んだ。
実は以前、氏の著作『働く君に送る25の言葉』の紹介記事を、本ブログに掲載したことがある。
◆ 過去記事 >『働く君に贈る25の言葉』、社会人生活3年超の若者に薦めるこの一冊
そこで、次のような感想を記したのだ。
(前略)
「もし自分がこのような逆境に置かれたら、どうだったろうか?」と自問してみる。小生なら多分仕事をセーブし、家族のために生きようと考えていただろう。しかし、佐々木氏は家族を守ると同時に、仕事を通じて自己実現をめざす道の両方を選んだ。過酷で壮絶な「運命を引き受けた」のである。
課長になったばかりの氏の日常を『ビッグツリー』から抜き書きしてみると、次のような日々を過ごしていたようだ。
- 朝5時半に起床。子ども3人(中2、小6、小5)の弁当を作りながら、朝食の準備をする。
- 7時過ぎに家を出て、8時に出社。誰もいないオフィスで仕事に集中する。
- 18時には退社し、19時に帰宅。夕食を作り、入浴させ、宿題をやらせ、21時から自分の仕事。
- 土曜日は妻の見舞い。できるだけ長くそばに付き添ってやる。
- 日曜日は家事の日、洗濯、掃除、買い出し、次週の献立作成等に取り組む。
このような生活を維持するためには、おのずと「最小の労力と時間で」「最大の効果」を挙げる仕事の流儀を作り出すしかない。自らの仕事のスキルを磨き、効率と段取りを考え抜き、組織を動かすマネジメント力を向上させること。それが家族を守り、支えることにつながることになる。
ビジネスマンとしての佐々木氏は、20代で取引先の会社再建に携わり、その後も様々な事業改革に全力で取り組み、同期入社ではトップで課長、部長と昇格。2001年には東レの取締役に昇任し、2003年に東レ経営研究所社長に就任している。
いわばビジネスマンとしても一流、家庭人としても不遇な家族を守り抜く「ビッグツリー」であり続けた人物と言ってよい。
50代後半の頃、仕事や家庭でいくつかの壁にぶち当たったことがある。当時、この本がずいぶんと心の支えになったくれたことを思い出す。
壁に直面しているあなた、仕事も家庭も充実させたいと願うあなた、そして「まだまだ頑張るぞ」と意欲を燃やしているシニアにお勧めの講演会になるだろう。
「応募者多数となり、抽選に外れたら困るなぁ」と心配しつつ、本稿をアップする。
※ 小生が知り得た情報は、次のとおり。
■イベント名: 佐々木常夫さん講演会
■日時: 令和元年11月9日(土) 13:30~15:00
■場所: 北九州市立男女共同参画センター ムーブ2階ホール
■講師: 佐々木常夫 氏(株式会社 佐々木常夫マネージメント・リサーチ 社長)
■演題: 「私は仕事も家庭も決してあきらめない」
■定員: 500名(申込多数の場合は抽選)
■参加費:無料(要事前申込み)
※詳細はこちらのチラシをどうぞ >佐々木常夫さん講演会チラシ表)