出雲見聞録(1) 出雲までのんびりと一般道を走る

投稿日:2021年3月20日 更新日:

稲佐の浜 弁天島

稲佐の浜と弁天島。重苦しい鈍(にび)色の空が広がっていた。

※ 本稿は2021年3月9日の記録を、3月20日にアップしたものです。

目次

出雲大社にお参りしたい!

 「コロナ禍の厄払いも兼ね、出雲大社にお参りしたい!」というカミさん。小生も、2ヶ月以上続く巣ごもり生活で鬱積したストレスが爆発しそうである。

 出雲はカミさんが運転免許を取得したばかりの20代の頃、自動車学校で知り合った友人数名と初めてドライブ旅行をした場所とか。思い出深い土地なのだろう。

 小生も東日本大震災10年目の節目でもあり、震災犠牲者の慰霊と東北復興を大社で祈念しようと思い立った。

 思い立ったが吉日だ。出雲まで約300km。宿が見つからない場合は車中泊でいくかと、2021年3月9日、愛車に乗り込み老夫婦二人の気ままな旅が始まった。

 今回の旅の目的は、次の3つ。

  1. 出雲大社への参拝
    コロナ禍の厄払い、東日本大震災の犠牲者への慰霊と復興を祈る。併せて娘によいご縁がありますようにとのお願いも。
  2. 出雲市内の古美術専門店を訪問
    古美術のネット通販店「高美堂」を訪問し、気になる掛け軸の実物を見てみる。
  3. 松江城を訪れ、境港でカニを食べる。
    2015年に国宝に指定された松江城を訪れ、ついでに境港まで足を延ばしてカニを味わう。
松江城

松江城。入口が工事中だったが入城は可能だった。

まずは出雲までのんびりドライブ

国道9号をひたすら北上する

 北九州から出雲まで約300km。GoogleMap で経路を検索すると、移動時間5時間14分(距離306km、一部高速道路利用)と表示された。
 休憩時間を入れると6時間30分~7時間で着く計算だ。 

 

 小倉北区の自宅出発が7時10分。通勤時の混雑を避けるため、山口県小郡ICまでの86kmは北九州道路(自動車専用道)と中国自動車道を走行。

 小郡から先の200km余りは、山口市~益田市経由で国道9号線をひたすら北上。山口県内の9号線は車も信号も少なく、快適なドライブが楽しめる。
 「自動車専用道路みたいやね」とは助手席のカミさんの言。

 島根県内に入ると、さらに山陰自動車道の部分開通区間の無料走行が可能となる。
 「タダでこれだけの距離を走って申し訳ないなぁ」という気分になってくるほどだ。

※ 島根県内の高速道路無料区間の案内はこちら >190628__TollorFree

 往路ではあちこち寄り道したため9時間弱の移動時間だったが、復路は同じコースで7時間余り(休憩を含める)で帰宅できた。 

驚きの穴子ツインタワー!

 午前11時を過ぎる頃から、カミさんのスマホいじりが活発化してくる。どこで昼食を食べるか、検索に忙しいのだ。

 こんな時は「〇〇が食べたい」などと主張してはいけない。カミさんが提案した店に、「仰せのままに」と向かうのが夫婦円満の秘訣。

 今回は、島根県益田市の「大衆食堂 だいこく」でランチだそうだ。駐車スペース(4台)が空いていたので、難なく駐車。

大衆食堂 だいこく

カミさんがネットで見つけた「だいこく」

 店に入りメニューを見ると、山陰の海鮮ものを売りにしている店のようだ。
 「日替わり定食」(1,000円)を注文すると、刺身、いかの煮つけ、白身フライと魚づくし。はまちもぷりぷり、イカもいい味付けで満足の内容だった。

大衆食堂 だいこく 日替わり定食

日替わり定食。はまちがプリプリ、イカの煮つけもなかなかの味。

 次回の旅に備え、店の位置を GoogleMap に登録していると、隣席のご婦人方が注文した「あなご天丼」(1,050円)が運ばれてきた。
 あなご2尾(尻尾2本、胴体2本)がツインタワーのようにそそり立ち、見る者を圧倒するほどだ。

大衆食堂 だいこく あなご天丼

あなご天丼のツインタワー! 次回はこれを食べるぞ。

 「しまった、これを注文すべきだった!」と後悔したがすでに遅し。うまそうに召し上がるご婦人をチラ見しながら、「次は、あなご天丼だ!」と誓うほどのくやしさだった。

車中泊できそうな道の駅を偵察

 往路の移動時間が9時間近くもかかったのは、道の駅をいくつか偵察したためである。
 復路に車中泊ができそうな道の駅を偵察(?)し、マーキングしておきたかったのだ。

 立ち寄ったのは、国道9号線沿いの次の3駅。

 一番気に入ったのは、道の駅「願成就温泉」。

※ 以下の記述は、あくまで個人の感想です。この施設で車中泊される場合は自己責任でお願いします。

願成就温泉

道の駅「願成就温泉」

 山口県と島根県の境の津和野近くに位置し、2018年4月にリニューアルした新しい施設。
 トイレきれい、温泉あり(21時まで営業)、休憩所(30畳)あり、レストランあり(19時30分まで)。
 駐車場は約70台収容だが、臨時駐車場(未舗装)まで入れると結構な広さ。交通量が少ないので、夜は静かに眠れそうである。

願成就温泉 トイレ

新しく清潔なトイレ

願成就温泉 足湯

足湯も設置されている。

 帰路で時間が遅くなった場合や運転に疲れた時は、ここで車中泊しようかと意見一致。まぁ旅の自由度を広げるための保険みたいなもの。

 目的地「道の駅 大社ご縁広場」に着いたのが16時前。ここは6年前にも車中泊でお世話になったところ。約200台収容の駐車場は広々として、静かで安眠できる。道をはさんでコンビニがあるので、実に便利である。

 今晩もここでお世話になるとしよう。

道の駅 大社ご縁広場駐車場

「道の駅 大社ご縁広場」の駐車場

 

八百万の神々をお迎えする「稲佐の浜」へ

まずは「稲佐の浜」に出かけ、砂を採取(お砂取り)

 時間の余裕があるので、まずは出雲大社から西へ約1km離れた「稲佐の浜」を訪れてみる。大社から車で5分程度の距離で、無料駐車場に駐車。ここを訪れるのは、この浜の砂が明日の参拝に必要と聞いたからだ。

稲佐の浜

 毎年旧暦10月に、ここ出雲の地で神々の「全国大会(?)」が開催されることはご存知のことと思う。「神無月(かんなづき)」という異名のごとく、10月は全国の神々が出雲に出張(?)されるのだ。

 この稲佐の浜は、「神在月(かみありづき)」(出雲では旧暦10月をこう呼ぶ)に八百万の神々が上陸する場所とされている。この浜の砂を予め採取し、明日の参拝時に使用しようというもの。

 小生が訪れた時は、山陰地方独特の曇天に覆われ、重苦しいにび色の空に覆われていた。観光客もまばらで何となく薄ら寒い雰囲気が漂っている。晴天時の写真を見つけたので、貼っておく。

 

稲佐の浜

晴天時の稲佐の浜(出典:出雲にゅーす

 ビニール袋に砂を採取し、翌日の参拝時に忘れない場所にしまっておく。

稲佐の浜

「しっとりつるつる」北山温泉で疲れをいやす

北山温泉

 旅の疲れを癒やすのは温泉が一番。カミさんがネットで検索した結果、少し遠いが 北山温泉(車で15分)に行ってみることにする。

 この北山温泉、「しっとりつるつる」のキャッチコピーどおりのアルカリ性の美人の湯。地下1200mからくみ上げたお湯は、湯加減もほどよく、どっぷりつかると疲れがじんわりと抜けていくようないい湯だった。

 フロントの職員の方も親切で、おまけに65歳以上は400円(普通は600円)の割引き料金とのこと。
 「なんか申し訳ないわねぇ」と恐縮するカミさん。

北山温泉

 ゆったりと湯船につかった後は、畳敷きの休憩室で体を伸ばして横になる。有り難い有り難い。

北山温泉

 ここで飲食できるのかと厚かましく尋ねてみると、「どうぞ」との回答。コロナ禍もあり、どうせ断られるだろうと踏んでいたが意外。そういえば、島根県・鳥取県はこの数日間は感染者ゼロの記録を更新中だったなぁ。

 往路にスーパーで買った刺身と海鮮丼を広げ、カミさんと「うまい、うまい」と完食。食後はそのままごろりと仮眠というありがたさ。「極楽、ごくらく‥‥」と、じじいの独り言。牛になりそうだ。

 営業時間は21時30分までとのこと。「次の機会にも、またお世話になろうなぁ」とカミさんと話したことである。

 「道の駅 大社ご縁広場」にもどると、10台ほどの車が車中泊の模様。運転の疲れと温泉の心地よさで、爆睡だった。

 


※ 本記事の続きはこちら >出雲見聞録(2)  出雲大社(おおやしろ)で祈る


※ これまでの「旅」関連記事はこちら 

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