山行記録

右田ヶ岳、花崗岩をまとった低山を歩く

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右田ヶ岳の全容

花崗岩をまとった右田ヶ岳

※ 本稿は2019年4月13日の山行記録を、4月18日にアップしたものです。

 新年度がスタートして早や2週間余り。人事異動に伴う新しい職場環境や、年度当初の業務立ち上げ等でお疲れのことだろうと、お察し申し上げます。

 山友のS氏、N氏ご両人も、連日の残業、日曜出勤等でくたびれたご様子。室内でのデスクワークが連日続き、息がつまりそうな日々だとのこと。

 こんな時は外に出かけて汗をかき、展望のよい場所でまったりするに限る。久しぶりに山口県防府市の右田ヶ岳(426m)で気分転換とストレス解消に出かけることにした。

 

目次

今回のお題とコース

 今回の山行のお題は、

  1. 山口県の名山「右田ヶ岳」(426m)の岩場歩きを楽しむ。
  2. 時間をたっぷりとかけ、ストレス発散と気分転換を図る。

◆コース及び活動概要
※ YAMAP が動作不良であったため、山行軌跡図はなし。

08:11 右田小学校横駐車場~天徳寺~(天徳寺コース)~08:38-08:59 石船山~分岐~9:46 西の峯~9:56-10:13 露岩~西の峯分岐~10:24-11:30 右田ヶ岳~12:53 塔之岡登山口~13:07 右田小学校駐車場

◆参加メンバー:3名(S氏、N氏、がしん)

◆アクセス:防府西ICを降りて、車で約5分。

◆駐車場:防府市立右田小学校に隣接した臨時駐車場

◆温泉:桑の山温泉

 

岩場を登る面白さと高度感

 右田ヶ岳は標高400m余りの低山だが、険しい岩場もあり、なかなか侮れない山である。岩場歩きの楽しさと達成感、展望のよい絶景を短時間で楽しめる大好きな山の一つ。

 北九州道路~中国自動車道~山陽自動車道を経由し、防府西ICで下道に降りる。ナビに従い5分程度進むと、右田小学校に隣接した臨時駐車場(20台以上駐車可)に8時に到着。北九州から約90分のドライブとなる。既に駐車場は8割方は埋まっており、右田ヶ岳の人気の高さがうかがえる。

右田ヶ岳 右田小学校横の駐車場

 駐車場出発が8時11分。まっすぐ岩田が岳へと続く道を直進すると、天徳寺の山門が見えてくる。その背後には右が岳の前衛峰である前岳(石船山)がそびえている。

右田ヶ岳 天徳寺への参道

 天徳寺の境内を通らせていただくと、「右田ヶ岳 登山道」の案内板が設置されている。登り始めは石段を踏みしめて進んでいく。あちこちでミツバツツジが咲き誇り、目を和ませてくれる。この日はミツバツツジの美しい色彩に終日いやされることになる。

右田ヶ岳 ミツバツツジ

 やがて道は花崗岩をえぐったような登山道に変わる。前回訪れた時には、地元の方が「登山靴のソールの減りが早くて、困るんですよね」と話していたことを思い出す。じんわり汗がにじみ始めてくる。

右田ヶ岳 登山道

 大きな石がごろごろしており、要所々々の大きな花崗岩に観音様が彫られている。全部で33体あるという話。

 天気よし、眺望よし、花もよし、どうでもいいような馬鹿話を交わしながらのんびりと登っていく。実にいい気分である。

右田ヶ岳 磨崖仏

 前岳(石船山)からの眺めを楽しむ。たった194mの高さだが、岩場に立つと高度感が凄い! いいぞ、いいぞ‥‥、今日はこれを期待してはるばるやって来たのだ。

右田ヶ岳 展望

 前岳から仰ぎ見る右田ヶ岳本峰、ここからいったん鞍部に下り、登り返すことになる。

右田ヶ岳

 花崗岩の登山道はまだまだ続く。岩場を登る楽しさも味わえるコースだ。勾配も急になり、足の短い小生はちとつらい。

右田ヶ岳

 稜線出合いからいったん左折し、西の峯をめざす。西の峯から下をのぞくと100mほど下に、眺めのよさそうな岩場が見える。あそこからの展望もついでに楽しもうと、寄り道をすることにした。

右田ヶ岳

 予想通り素晴らしい展望が楽しめる岩場である。満足々々。おやつを取り出し、しばしゆったりと過ごす。

右田ヶ岳

 西の峯に登り返して、山頂への最後の急登を登り切り、本峯到着が10時24分。山頂には右田ヶ岳のシンボルの日の丸がはためき、多くの登山者が談笑していた。青空と日章旗のコントラストがこんなに美しいとは思わなかった。

右田ヶ岳 山頂の日の丸

 山頂直下の石舞台のような場所で談笑する方々。どうやら地元の常連さんのようだ。

右田ヶ岳

 次々と山頂に到着する登山者を見ていたN氏曰く、「みんなザックが小さいですね。靴もローカットが多いなぁ。」と。なるほど我々のように、本格的な登山靴で40リットルのザックを背負っている人などほとんどいない。中にはペットボトル1本だけという強者(つわもの)さえいる。過剰装備の小生らは、山頂で少し浮いていた。

 こんな絶景を見下ろしながらの昼食は最高である。向こうに見えるのは瀬戸内海だろうか? 時間はまだ昼前、結局山頂で1時間以上もまったりとした時間を楽しむ。
右田ヶ岳

 下山は、山頂からの稜線を東にたどり、塔之岡へと下る予定である。このルートは登りと違って緩やかな勾配の快適な登山道が続く。ミツバツツジや春の花を楽しみながら、気分よく歩くことができた。

 ふと見ると、先ほど山頂で見かけた人が向こうから登ってくる。どうやら本日2度目の登山のようだ。出勤前にほぼ毎日この山を登る方もいるようで、恐れ入るしかない。

右田ヶ岳

 歩きやすい道だが、たまにこんな岩場下りもある。

右田ヶ岳

 下山口から駐車場にもどる道すがら眺める右田ヶ岳。山ろくから見上げると結構な迫力である。あの稜線を歩いてきたのか。「ミニ大崩(おおくえ)みたいな山でしたねぇ」とN氏。なるほど‥‥。

右田ヶ岳

 

防府天満宮に参拝後、桑の山温泉へ

 駐車場にもどり、すぐ温泉に向かうつもりだったが、めざす「桑の山温泉」の営業開始時間は14時から。少し時間があるので、車で10分ほどの防府天満宮に参拝することにした。

 立派な参道の向こうに、見事な社殿が威容を誇っている。何でも菅原道真公が逝去した翌年に設置された、最も古い天満宮だとのこと。境内は結婚式を挙げたばかりの新郎新婦の一団で賑わっていた。お幸せに。

防府天満具

 参拝を済ませ、「桑の山温泉」へ。400円余りで登山の汗を流せることができるとは、ありがたい温泉である。中は5~6人が入れるくらいの浴槽と1人用の薬湯浴槽がある小さな温泉である。お年寄りが1名入浴中で、ほぼ貸し切り状態であった。

 

右田ヶ岳 桑の山温泉

 今日も楽しい山歩きが出来て「幸せます」だった。

 ※ 「幸せます」は防府の方言で、「幸いです、便利です、助かります、うれしく思います、ありがたいです」の5つの意味があるそうだ。

 

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