ティム・クック氏(左)と言葉を交わす若宮正子さん(右)
(出典:「シニア世代をICTの世界に導く、80代のゲームアプリ開発者(2018年春夏号)」/首相官邸公式サイト)
仲良く言葉を交わすこの二人、左はアップル社CEO(最高経営責任者)のティム・クック氏、右は若宮正子(わかみや・まさこ)さん。場所は、米国カリフォルニア州の WWDC2017 の会場です。
WWDC とは、アップル社が開催する世界開発者会議のことで、1500ドル(日本円で15~16万円)という高額の参加費にもかかわらず、5000人以上の参加者を集める大イベントだとか。
若宮さんは、クック氏が「会いたい」とアクセスし、WWDCの特別ゲストとして招かれたiPhoneのゲームアプリ開発者で、御年82歳(当時)。会場では「世界最高齢のアプリ開発者」として紹介され、クック氏に「私はあなたから大きな刺激をもらった」と言わしめたといいます。
若宮さんがパソコンを始めたのは60歳。プログラミング言語を学び始めたのは80歳過ぎ。動機は「高齢者が楽しめるゲームアプリを開発したい」とのことでした。
独学でアプリ開発向けのプログラミング言語に挑戦し、約5ヶ月をかけてゲームアプリ「hinadan」を完成させたそうです。
ゲームアプリ「hinadan」、ダウンロード数は80万を越えるという
(出典:上記ウエブサイト)
カーネル・サンダースが、「ケンタッキー・フライド・チキン」で、世界初のフランチャイズ店舗を展開し始めたのが65歳。
ネルソン・マンデラが27年以上拘留された刑務所から釈放され、南アフリカの大統領に就任したのが75歳。
ミケランジェロが、サン・ピエトロ大聖堂の大円蓋設計に着手したのが72歳。
冒険家としての夢を失い、超メタボ体型(身長164cm、体重88kg、腹囲100㎝)で糖尿病や狭心症に悩まされていた三浦雄一郎が、5年後のエベレスト登頂を決意したのが65歳。
人間はいつでもスタート地点に立つことができる、「何かを始めるのに遅すぎるということはない」ということがよく分かります。
まもなく4月。全てが新しいスタートとなる季節を迎えます。新しい生活と目標にチャレンジし、ワクワクと心が躍る楽しさを味わいたいものです。
追記
まことに恥ずかしい話だが、昨日まで若宮正子さんのことを全く存じ上げなかった。(汗)
ネットでアップル社のことをあれこれ調べているうちに、偶然ヒットした記事で知ったのである。
いくつかの紹介記事を読み進めていくにつれ、彼女の挑戦し学び続ける姿勢を、ぜひ若い世代に知ってもらいたいと考え、あわてて記事を書き始めたのが今朝早くという次第。(ひょっとしたら、若い世代は既に若宮さんを知っているのかもしれないが‥‥。)
HTML言語やCSSの学習に悪戦苦闘している自身への自戒の意味もこめ、紹介させていただくことにした。
※ 若宮さんの著書『60歳を過ぎると人生はどんどんおもしろくなります。』(新潮社)もさっそく注文することにしよう。
◆本シリーズの次の記事はこちら >あとからくる君たちへ(20) 元号に込められた先人の志と未来への希望
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