5月20日(日)
※ 本稿は2018年5月20日の山行記録を、6月12日にアップしたものです。
【コース及び時間】
0954 吉部登山口~1043 暮雨の滝~1141 坊がつる~1228 大戸越~1305 平治岳南峰~1317 平治岳北峰 1420~(北尾根ルート)~1530 林道出合~1614吉部登山口
約6時間(休憩含む)
目次
本日の「お題」
ミヤマキリシマの開花状況を偵察がてらの平治岳山行である。JR西小倉駅で山仲間のN氏をピックアップ、東九州自動車道を上毛ICで降りた後、下道を進む。9時30分に吉部登山口着、準備を整えて9時54分にスタートした。
本日のお題は、次の3つ。
1 平治岳ミヤマキリシマの開花状況を偵察する。
2 まれに見る晴天なので、くじゅうの自然を満喫する。
3 可能ならば、復路で平治岳北尾根ルートを下ってみる。
ミヤマキリシマの開花状況
スタート直後の手強い登りで大汗かいた後は、鳴子川左岸の自然林に沿った快適な登山道が続く。新緑の緑、差し込む木漏れ日、爽やかな涼風、鳴子川の水音、時折聞こえるホトトギスやカッコウの鳴き声…、清々しさに心が洗われるようである。
「気持ちいいですねぇ~」「これだけで来た甲斐あるよね」などと、自ずと会話も弾む。
「動くもの 皆緑なり 風わたる」(五百木瓢亭)
途中、暮雨の滝に立ち寄り、万緑と渓流の絶妙のハーモニーに時を忘れる。
ハイキングコースのような登山道をさらに進むと、視界が一度に開け、坊がつるの北端に飛び出す。左に姿を表した平治岳に目を向けると、おぅ! 北峰も南峰も山頂付近が、ピンクに染まりつつあるではないか!
やはり、今年は開花が1~2週間早めのようだ。「これは期待できそうだ」と自然に足が速まる。
はやる気持ちを抑えて、大戸越に到着。思った以上に開花が進んでいる。例年より1週間から10日早い感じである。おまけに花を愛でる登山者は、ごくごく少数。これなら喧噪や渋滞に悩まされることなく、のんびり花を楽しめそうである。
気になる開花状況であるが、大戸越で6~7分咲き、大戸越から見上げる平治岳南峰斜面、及び山頂付近で5~6分咲きといったところか。幸いなことに虫害の発生も見られず。順調なら次週末頃から、山腹を埋め尽くすピンクの絨毯を見ることができよう。
ひとまず南峰に上がり、ひとしきり花とくじゅう連山の展望を楽しむ。北峰に目を向けると、半ばピンクに染まった山腹にため息が出そうである。
できるだけゆっくりゆったり、うららかな陽光と景観、さわやかな山頂の風をかみしめるように北峰へと歩を進める。決して急がない。時計も見ない。同行のN氏とのんびり会話を楽しみながら、自然を味わい尽くす。
くじゅうの自然を満喫する
ピンクに染まる北峰西側斜面に腰を下ろし、ここで昼食とする。フリーズドライの豚汁、おにぎり2個とたくわん、いわしの缶詰。たったこれだけの食事が何とも美味である。空腹は最上のソースというが、その上にどこまでも広がる青空と大展望、咲き誇る美しい花とさわやかな山の空気が加われば、何も言うことなしである。
人が少ないのをいいことに、食後のコーヒーを楽しみ、枯れ草を背にすると、抜けるような青空が視界いっぱいに広がる。あぁ幸せである。「太陽がいっぱいだ…」(笑)と、誰にも聞こえぬように独り言(ご)つ。
北尾根ルートを下る
さて、来た道をピストンで下山するのは味気ない。できれば平治岳北峰から最短距離で下山できる北尾根ルートで帰りたいものである。北尾根ルートは、核心部の崖(高さ4~5mほど)にアルミ製ハシゴが設置されていたが、2016年の地震以来ハシゴは撤去されたと聞いている。
しかし、今朝大船林道で出会った単独行の男性曰く「今日は北尾根ルートを登り、大戸越から下山してきましたよ」と。小生が「崖のアルミハシゴが撤去されていたのでは」と訪ねると、「誰かが木でできた手製のハシゴを取り付けている。何とか登れないことはないですよ」とのこと。
N氏に「どうする?」と目配せしてみるが、すでに彼のまなざしには挑戦者の強い意志が……。たぶん「太陽がいっぱい」だからだろう。
長くなるので、結論を申し上げる。このコースはお勧めできない。
苦労して設置された方には申し訳ないのだが、写真のハシゴがしなるのである。ハシゴの横桟(よこさん)の板厚が薄く、支柱部がしなるため、背筋がずんとくるような恐怖がじわっとわき上がる。ハシゴを使わせてもらって誠に恐縮の極みなのだが、次の利用は遠慮させていただくつもりである。
林道との出合部分に「平治岳北登山道は地震災害の為 通行止」の立看板が設置されていた。なるほど登り口にはこの表示があったのか。山頂にも「通行止め」の表示があれば、と思うことしきりである。
筌(うけ)ノ口温泉で露天風呂を堪能
下山後の温泉は「筌(うけ)ノ口温泉」。九重町観光協会のホームページによれば、1600年半ば頃から村人が入浴していたとか。泉質は濃い鉄泉で炭酸がまじった名湯。かつて川端康成氏も数日逗留していたことがあるらしい。
本日は共同浴場ではなく、隣接する「新清館」の広々とした露天風呂(入湯料500円)に入るとしよう。幸運にも我々二人の貸し切り状態で、ドバドバと惜しみなく浴槽に流れ込む名湯を心ゆくまで堪能した次第。
◆「山行記録」の関連記事はこちら >カテゴリー「山行記録」関連記事へのリンク
[…] 経塚山、大分県で最も早く咲くというミヤマキリシマを下見に 平治岳 …五月晴れの日曜日、ミヤマキリシマの開花を偵察に…… […]