大分県国東半島の衛星写真。半島の中心部に位置するのが両子山(出典:Wikipedeia)
所属するアタック山の会の1月例会登山は、今年の干支(えと)にちなんだ干支登山。ネズミの名前がつく山が日帰り圏内に見つからないので、「子」の字が入った両子山(ふたごさん、721m。大分県国東半島の最高峰)に登ることになった。
※ 本稿は2020年1月26の山行記録を、1月28日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
09:24 両子寺駐車場(登山者用)~ 10:04 走水観音 ~ 10:07 走水分岐 ~(国東半島峯道ロングトレイルコース)~ 10:25 林道出合 ~(林道)~ 10:43 両子尾根入口 ~ 11:20 600mピーク ~ 11:30-11:45 トンガリ山~ 12:04-12:48 両子山(721m)~ 鬼の背割り~針の耳~奥の院~ 14:28-14:35 両子寺~ 14:49 両子寺駐車場
参加メンバー:10名(アタック山の会)
活動時間 | 5時間24分(行動時間4時間24分、休憩時間59分) |
活動距離 | 6.7km |
累積標高 上り/下り | 555m/555m |
消費カロリー | 2,743kcal |
両子寺から「国東半島峯道ロングトレイル」道をたどる
この日は未明まで雨が残り、空はどんよりと淀んでいた。小雨に降られることを覚悟して東九州自動車道を宇佐ICを目指す。7時に北九州を出発し、8時前には宇佐IC付近の「まほろば菟狭(うさ)物産館」に到着。ここでトイレを済ませ、弁当を購入し、雨に備えて屋根のある休憩所で登山靴の着用まで済ませる。
両子寺横の登山者用駐車場に車を止め、出発したのが9時20分頃。今日は、両子寺から取り付くのではなく、「走水分岐~国東半島峯道ロングトレイルコース~両子山~両子寺」という周回コースを巡る山行である。
舗装道をゆっくり走水分岐へ進んでいく。そこここで話に花が咲き、いつものとおりの和やかな山行である。
走水観音の「霊水」で喉を潤し、ロングトレイル道に足を踏み入れる。ルートは標識がよく整備されており、迷う心配はない。
しばらくは林立する杉木立を両側に見ながら、林道出合いをめざす。
なかなか立派な杉木立、よく枝打ちされている。
林道に出合い、右折して林道歩きとなる。
林道を20分ほど歩くと、「両子尾根入口」の標識が表れ、これを左前方に進む。ここから「600mピーク~トンガリ山~両子山」へと続く尾根道歩きがスタートする。
ここまで緩やかな傾斜の道をのんびり歩いてきたが、ここから先はアップダウンが続く。まずは、600mピークを目指して登る、登る‥‥。
こんな気持ちのよい台地もあるが‥‥。
やはり、基本は登り。息が上がり、汗がにじんでくる。
600mピーク到着、視界は全く利かない。
次のピーク、トンガリ山目指してさらに登る。
トンガリ山(670m)着。次のピークは、両子山北峰。
登りがあれば下りもある。両子山までもう少し。
両子山頂が近づくと、いきなり舗装道路に出合う。どうやら山頂までは車で行けるようだ。どうも登山をしているという実感が湧いてこない。興ざめである。
両子山頂にはマイクロウェーブのアンテナが立ち、展望台も設置されていた。国東半島最高峰からの360度のパノラマを楽しみにしていたが、ガスに覆われ展望は皆無。まぁ雨に遭わなかっただけでもよしとしよう。
下りの急降下の登山道で滑って転んで‥‥
両子山頂を出発したのが12時50分頃。南東部に伸びる尾根道を下って行く。自然林に覆われたゆるやかな傾斜の道で、立ちこめた霧が幻想的な雰囲気だ。
「白い霧の中、落葉を踏んで歩くのも悪くないな。」
「これはこれで味がある風景ですね。」
などと、のんびり話をしながら歩を進める。
このまま穏やかな下りが続くだろうと、楽勝を決め込んだのがいけなかった。
やがて、ずっと下まで虎ロープが張られた地点に来ると、傾斜はぐっと急になる。
今朝まで降り続いた雨でぬかるんだ泥に足をとられ、滑ること、滑ること‥‥。何人もの踏み跡が重なっているため、どこに足を置いても不安定なことこの上ない。
そのうち、そこここで足を滑らして尻餅をつく声が聞こえ始める。小生も2~3度尻餅をつき、大笑いをしているうちに、なかなか楽しい気分になってきた。
Y氏いわく、「ハックルベリーフィンの冒険ですね」と。「転んで泥だらけになってもいいや」と腹を決めると、童心に返ったような心で難路を楽しもうという気分になる。
両子寺で仏の里の風物に触れる
虎ロープのお世話にならなくてもよくなると、「鬼の背割れ」に出合う。岩が大きく縦に割れているのがどうして「鬼の背割れ」と呼ばれるのか不明である。
帰宅してネットで調べると、「両子寺で鬼と呼ばれた千徳坊という僧が、岩壁を背中で割って進めるようにした」のが由来らしい。
次は「針の耳」。針の穴に糸を通すごとく通りづらい場所というのが由来か?
この辺りから石仏がそこここに表れ、「仏の里」の雰囲気が味わえる。
両子寺奥ノ院、子授けのお寺らしい。
暖冬のせいか、この山深い里でも、蝋梅(ろうばい)がほころび始めている。驚いたのは、しゃくなげの狂い咲き。
春はすぐそこまで来ているかのようだ。
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