「あなたは何をしているのですか?」 三人の職人に尋ねてみたら‥‥
三人のレンガ積み職人の話、イソップ寓話の一つだとか。こんなお話です。
ある時、ある場所でのこと。三人のレンガ積み職人が、それぞれレンガを積んでいた。そこに旅人がやってきて、「あなた方は何をしているのですか?」と尋ねた。
最初の職人は「見ての通り、レンガを積んでいるんだよ。」と不機嫌そうに答えた。
二人目の職人は「私はレンガを積んで、壁を作っている。この仕事で家族を養っているんだ。」と答えた。
三人目の職人は「レンガを積んで、壁を作り、それがやがて大聖堂になります。この教会が完成すると多くの信者が喜ぶことでしょう。こんな仕事をお手伝いできて幸せです。」と笑顔で答えたという。
この三人が行っている行為、すなわちレンガを積むという行動は同じです。しかし、一人目の職人と、三人目の職人の「人生の質」は大いに異なります。一人目の職人は「レンガを積め」と命じられ、ただただレンガを積んでいた。それに比べて三人目の職人は、レンガを積む行為の先に、何を作っているかという目的と意義を明確に自覚しているからです。
レンガ積みを「単なる作業」と考えるのか、それともたくさんの人々を救うための「大事な仕事」のお手伝いと考えるのか。その心のもちかた次第で仕事の価値は変わり、働き方も変わり、仕事をする人の満足度も違ってくるという話です。
あなたは、毎日やっている学習や活動、掃除、家での手伝い、あいさつなどに、どういう気持ちで取り組んでいますか?
(平成26年11月「こもれびだより 9号」掲載記事を加除修正したもの)
追記
ビジネス研修や、講話サイト等でよく紹介されるイソップ寓話。原作は冗長でくどい感じがしたので、趣旨はそのままで簡潔に書き直して引用したもの。
心(意識)の持ち方次第で、日々の全て、人生全ての意味が変わってくることを分かりやすく示す優れた寓話だと思う。
時間や紙幅の余裕があれば、この後にメジャーリーグでも活躍した松井秀喜選手(引退)の座右の銘を加えることもあった。
「心が変われば行動が変わる行動が変われば習慣が変わる習慣が変われば人格が変わる人格が変われば運命が変わる」
◆本シリーズの次の記事はこちら >あとからくる君たちへ (3) トマトの話 ~風に向かって立ってみよう~
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