あとからくる君たちへ

あとからくる君たちへ (3) トマトの話 ~風に向かって立ってみよう~

投稿日:2018年8月13日 更新日:

甘くてジューシーなトマトを育てる秘訣は‥‥

トマト

いつか暇ができたら、家庭菜園でトマトを作ってみたい、と考えています。夏の強い日差しをしっかり受け止め、真っ赤で、ずっしりと重く、かぶりつくと自然の甘みがしたたりおちるトマト…。

甘くてジューシーなトマトを作る秘訣は、土作りにこだわり、毎日水やりをかかさず、肥料もたっぷり与えることだと思っていました。ところが、調べてみると意外な結果に驚きました。トマトの甘さの秘訣は、実がなる7月頃に「水をできるだけやらない、肥料もほとんど与えない」ことだそうです。

トマトの実が大きく成長する7月中旬、地面がひび割れても、トマトの葉が枯れる寸前まで水を与えず、肥料も与えず、強い太陽の光にさらすのだとか。水を与えるのは、せいぜい1月に1度、それもごく少量のみ。

トマトは、厳しい環境を生き抜こうと、必死に乾燥した大地の奥まで根を伸ばし、地下の奥深くのわずかな水分を吸収しようとします。過酷な環境はトマトの生命力を高め、濃い甘みのある味を生み出すのだそうです。生命の持つ力のすごさ、成長することの本質がうかがえる話です。

われわれ生き物には、厳しい環境を必死に生き抜こうとすることで、強くたくましく成長する遺伝子が備わっているのかもしれません。(施設の)玄関に植えられたミニトマトを眺めながら、こんなことを考えていました。

(平成25年6月「こもれびだより 4号」掲載記事を加除修正したもの)

 

追記

甘くてうまいトマトをつくる秘訣は、実は「成長期に厳しい環境の中で育てる」ことだった、という「深イイ話」である。

「艱難(かんなん)汝を玉にす」とか「若い時の苦労は買ってでもしろ」、「かわいい子には旅をさせよ」等々、古来このたぐいの格言、ことわざは数多い。

確かに、過酷な環境や厳しい試練は、志を立て、挑戦する気概に燃えた若者を大きく成長させる。長く生きてきたシニアにはそれがよく分かるが、当の若者にはなかなか理解できない。

身近なトマトを例にとり、少しでも納得してもらいたいと筆を進めた記憶がある。

「風に向かって立ってみよう」という唐突なサブタイトルをつけたのは、さだまさし氏の名曲「風に立つライオン」が脳裏をかすめたのだろう。

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい
 
(出典:「風に立つライオン」(作詞、作曲:さだまさし))
 

肝心のトマト栽培、リタイヤして「暇」はできたのだが、日々の雑事に追われてまだ取りかかれそうにない。小生にも厳しい試練が必要なのかもしれない。

 

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