※ 本稿は2021年3月24日(水)の記録を、3月27日(土)にアップしたものです。
目次
桧原(ひばる)桜とは
3月22日(月)、福岡県では全国のトップを切り桜の満開が発表された。まさに春爛漫(はるらんまん)の日々が続いている。
コロナ禍の非常事態宣言が解除されたこともあり、今年こそは「桧原(ひばる)桜」を見に出かけようと思い立った。
本来は昨春に訪れる予定だったが、コロナによる「緊急事態宣言」中で不要不急の外出自粛を要請され、取りやめていたのだ。
桧原桜を守った心優しき人々のエピソードは、何度も新聞、雑誌、テレビ等で取り上げられ、義務教育の道徳の副読本でも紹介されてきた。
小生は2年前に「あとからくる君たちへ(21) 花かげの花守りたち」と題し、本ブログで桧原桜を紹介したことがある(そのときの記事はこちら)。
花守りたちの「心のリレー」で守られた桧原桜、その咲き誇るさまをぜひこの目で見てみたいと思い、愛車に乗り込んだという次第。
◆アニメーション動画「花守りたちの心のリレー ~桧原桜物語~」(出典:福岡市政だよりWEB版)
福岡市が制作したアニメーション動画のようだ。実にうまくまとめている。ただ、多くの詠み人知らずの和歌に触れていないのが残念。
県立図書館で利用者カードを作ってもらう
どうせ福岡に出かけるのならと、盛りだくさんの予定を組んでみた。桧原桜以外は、時間がなければ省略可能な気ままスケジュールである。
- 福岡県立図書館(福岡市東区)で利用者カードを作り、館内を見学。
- 筥崎宮(図書館に隣接)に参拝し、御朱印をいただく。
- 天ぷらの「ひらお」で揚げたて天ぷらを味わう。
- 「桧原桜公園」(福岡市南区)を訪れ、満開の桜を観賞
- マリノアシティ福岡(福岡市西区)でカミさんのショッピング
福岡県立図書館の利用者カードを作る目的は二つ。
まず県立図書館の蔵書をインターネットで予約し、居住する自治体の図書館で受取・返却するサービスを利用するため。
もう一つの目的は、同図書館が最近始めた「電子図書館サービス」を利用するため。詳細は不明だが、どうやらネット上で電子書籍の閲覧が可能なようだ。
受付カウンターで「利用登録申込書」に必要事項を記載し身分証明書(免許証でも可)を提示すれば、約15分でカード(有効期間3年間)を受け取ることができた。
同行したカミさんもカードを作ってもらい、さっそくGメールやスマホ関係のガイドブックを借り出していた。
県立図書館の施設・設備はかなり充実しており、これだけで記事が2、3本書けそうだ。
中でも2階閲覧席の半分はPC持ち込み可とのことで、うらやましい限りであった(どこぞの政令市は見習ってほしい)。
また、全国紙2社、地方紙1社の記事データベースを無料で使用できるのが素晴らしい!
図書館の見学を終え、隣接地の筥崎宮を参拝する。
平日の午前中とあって、参拝者もまばらでゆったりとした気分でお参りできた。
神門に掲げられた「敵国降伏」の額。鎌倉時代の元寇(蒙古襲来)の折に、亀山上皇が外敵退散を祈願し掲げたものだとか。見事に蒙古を打ち破った故事にならい、筥崎宮のご祭神は「勝運の神」として名高い。
プロ野球の福岡ソフトバンクホークスとJリーグのアビスパ福岡、それぞれが必勝祈願に訪れた時の大絵馬が飾られていた。
昼食は「うまい!安い!揚げたて! 博多っ子が溺愛する天ぷらチェーン」『ひらお』(貝塚店)で熱々の天ぷらを食す。
入店時間が12時5分とあって、約40人待ちの行列だったが、待ち時間30分ほどで着席。
天ぷらが配膳される前に、とりあえず塩から(無料)でご飯を食べ始める。すぐに揚げたてが配られ、後は箸を動かすのに忙しく撮影不可。
久しぶりの「ひらお」の天ぷら、満足の一言だった。
満開の桧原桜に往時を偲ぶ
福岡市南区の「桧原桜公園」に着いたのは、14時過ぎ。
思ったよりも小さな公園なのが意外であった。川沿いのありふれた桜並木の歩道を広げ、こじんまりとした公園に整備した感じである。
園内は満開の桜が今を盛りと咲き誇り、淡い桃色に覆い尽くされたような美しさである。
「いい時に来れてよかったよな」とカミさんとうなずき合う。
驚いたのは、すぐ横の交差点が「桧原桜」と名付けられており、来訪者のための臨時駐車場まで設けられていたこと。
平日にもかかわらず、この小さな公園にわざわざ車で訪れる人が結構いるとは。恐らく週末にはかなりの人出が予想されるのだろう。
往時にならい、枝には和歌をしたためた短冊が結ばれている。
公園のフェンスに結びつけられた色紙。係の人にお尋ねすると、福岡市立西陵小学校3年生の作品だとか。
園内のベンチに座り、うららかな春の日差しを浴びて咲き誇る桜をじっくりと観賞。いい気分だ。
「花あわれ」という詠み人知らずの歌から始まった桧原桜の物語。それから37年の歳月を経て、伐採をまぬがれた9本の桜が目前で春を謳歌している。
桜花(はな)惜しむ 大和心(やまとごころ)の うるわしや
とわに匂わん 花の心は
桜の花(の短い命)を惜しむ、うるわしい日本人の心。その心が花の香りと共に永遠に続いてほしい‥‥。
記念碑に刻まれた進藤元福岡市長の歌を改めてかみしめ、往時を偲ぶ。
桜人たちの優しさが確かに存在したことが確認できる桧原桜公園。来てよかったと強く思った。