◆前回の記事はこちら >「秋の有田陶磁器まつり」 紅葉を愛で、有田気まま歩きを楽しむ (1)
※ 本記事は、2021年11月21日(日)の記録を12月2日にアップしたものです。
ご当地グルメ「有田焼五膳」を味わう
ろくろ座駐車場から有田駅近くまで散策を続けると、さすがに腹が減ってくる。
「何か食べようか」と話していた矢先に見つけた「亀井鮨」。
店を開けたばかりということで、飛び込みの我々を快く受け入れていただいた。この日はカウンター席以外は、全て予約でいっぱいとのこと。
「有田焼五膳」というメニューが目にとまり、注文してみる。
玉手箱をイメージした有田焼の器に、地場産の鶏肉や野菜を使った料理が盛り付けられた「スペシャルな五膳」だそうだ。
別のお盆には、有田産米を使用した「ちらし寿司」、有田名物のごどうふ(お豆腐)、香の物、汁物、フルーツ、有田棚田米でできた甘酒(ノンアルコール)と盛り沢山の料理。
これら全てで1500円(税込)というから、リーズナブルだ。
『有田焼の器と盛り付けを楽しみながら味わうプレミアムな「鶏皿五膳」(5つの有田鶏料理膳)』が、有田焼五膳の定義。
この定義に基づき、有田町内の4つの店舗がそれぞれ創意工夫をこらした料理を提供しているのだとか。
亀井鮨の大将は「これって、手間がかかるんだよねぇ」、「予約しないとなかなか食べられないよ」と笑顔でおっしゃる。
次回は予約させていただきます。
泉山磁石場で有田焼のルーツに思いをはせる。
ご当地グルメを堪能した後は、有田駅近くのシャトルバス(無料)発着所からバスに乗り込み、「泉山磁石場」をめざす。
この泉山磁石場は、小生が今回最も訪れたかった場所だ。理由は「秋の有田陶磁器まつり」期間中に限り一部が開放される点、あわせて紅葉の名所だから。
泉山磁石場の歴史は、約400年前に朝鮮人陶工・李参平率いる陶工集団が、ここで磁器に使える陶石を発見したことに始まる。
有田焼は陶石を粉にし、水に溶かして粘土にしたもので作られる。
白くて硬く薄い磁器は美しく上品な焼き物が出来るため、陶器しか生産できなかった当時の日本では珍重されていたらしい。
この地から日本の磁器が生まれ、400年もの間掘り続けられたと思うと、感慨深いものがある。
採石場は、だだっぴろい荒涼とした空間だった。子ども向け特撮ヒーローが戦う場所を想起させる。
普段は立ち入りが禁止されている採石場内に進み、すり鉢のようになった周囲を見回してみる。
突出した岩山上部に植物が生えている場所が、もともとの地表だったそうだから、いかに深く掘り下げてきたかがよく分かる。
説明板に「四百年かけてひとつの山を焼き物に変えた」と記されていたが、驚くしかない。
磁石場内の「石場神社」に祀られた李参平(有田焼の陶祖)の像に拝礼し、
境内の紅葉をゆっくりと楽しみながら、
泉山磁石場を後にした。
有田、いい町である。来年の秋も出かけてもいいなぁ。お目当ては紅葉とランチ、黒髪山縦走とセットで1泊2日も悪くない。
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