朝起きる、学校に行く、授業を受ける、友だちと過ごす、部活動をする、帰宅してご飯を食べて眠る。毎日同じことの繰り返し‥‥。
「この生活に何の意味があるんだろう」と考えたことはありませんか? 中には「意味が分からないことを、真面目にやるつもりはないよ」という人がいるかもしれません。
唐突ですが、ちょっと「ジグソーパズル」を思い浮かべてみてください。数百から数千にも及ぶバラバラの破片をつなぎ合わせて一枚の絵を完成させていく、あのジグソーパズルです。
試しに、パズルのピース(小片)を一つ手にとってみましょう。もちろん想像の世界の話です。ピースを手にしたあなたに、いくつか質問をさせてください。
質問1、「手の中にあるピースから、完成した絵を想像できますか?」
質問2、「そのピースが絵のどの部分か、考えて分かりそうですか?」
質問3、「その取るに足りないちっぽけなピース、いい加減に扱えそうですか?」
何が言いたいか、あなたはもう分かったと思います。
わたしたちの毎日の行動や経験の大半は、目に見えてすぐ何かの結果につながるものではありません。それらは、たとえて言えば、ジグソーパズルのちっぽけなピースと同じようなものです。
そのときは何の意味があるか分からなくても、絵を完成させるためには、一つ一つのピースはなくてはならないもの。その一つ一つに大事な意味があって、十年、二十年後にそれが確実に形となり、自分の中に生きていると実感できるときがやって来ます。
ちょうどピースが次第につながっていき、絵の一部が姿を表してくるのと同じです。時間がたたないと、年をとらないと分からないことはたくさんあるのです。
それでは最後の質問です。
質問4、「ジグソーパズルを完成させるためのコツは、何でしょうか?」
できるところから取り組む、完成するまであきらめない、つなぐことに集中する、‥‥、答はすぐ出てきます。
ピースにどんな意味があるのか立ち止まって考え込むより、意味がよく分からなくても、パズルの完成をめざし「今」に全力を尽くしてみてはどうでしょう。
私は、いつも、人生は、時間制限のある、ジグソーパズルのようなものだと言います。(略)ジグソーパズルの完成は確かに嬉しいものですが、その嬉しさは、ほんの一瞬ですね。ピースをはめている過程こそが、一番楽しめる時です。(萩本欽一)
(出典:『心に刺さる!運命の言葉 偉人たちの名言集 日本の偉人編』、浜本哲治)
少しずつつながっていくパズル、楽しんでみませんか?
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