あとからくる君たちへ

あとから来る君たちへ(36) 「コロナ・チャンス」、できることに目を向ける

投稿日:2020年5月13日 更新日:

目次

目が見えない者同士の待ち合わせ、どうすれば‥‥

駅の雑踏 「地下鉄の駅の改札口を出た所、そこで待ち合わせようか。」
 「分かった、午前10時だね。」
 友人と待ち合わせする時のよくあるやり取りです。

 この会話に条件を一つ付けさせてください。
 もしあなたが目が不自由で、友人もそうだったとしたら、どのようにして街中で落ち合いますか?

 「お互いに相手の姿が見えないのに、待ち合わせなんて出来るはずがないよ」と言うあなた、まぁそう言わずに少し想像してみてください。

 

今の自分に何ができるかを考える

点字

 先日目にした新聞記事に、この視覚障害者同士が待ち合わせるエピソードが紹介されていました。NPO法人アダプテッドスポーツ・サポートセンター創設者の高橋明さんの話だそうです。

 例えば、駅の北側の改札口を出て右に20歩ぐらいのところで待ち合わせると、あらかじめ決めておく。そこへは白い杖を使っていくことができる。そして、先に到着した方がラジオをかけたり、チリンチリンと鈴の音のを鳴らしたりしながら待っている。

 そういう約束をしておくことで、後からきた方は音が聞こえた時点で相手が到着していることが分かり、声を掛けて落ち合うことができる‥‥。

(「何ができるかに目を向ける」北川信行、産経新聞 2020年4月7日)

 待ち合わせ場所の近くまで来たらスマホで連絡をとり、片方が「今から声を出します」と予告して「オーイ」と叫ぶ。その声をたよりに歩み寄るという方法もあるそうです。

 「目が不自由だから待ち合わせはできない」と決めつけるのではなく、音を使えば何とかなるのではという柔軟な発想が、視覚障害を持つ人の行動の幅を広げ、生活を豊かにするという好例ですね。

 

「コロナ・チャンス」という発想

木陰で読書する女性

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、わが国でも緊急事態宣言が出され、日常生活でさまざまな不自由が強いられています。学校に行けない、部活動もできない、友人と集まることも、外出しておしゃべりすることも「自粛」の不自由な生活が続いています。

 できないことを挙げていくと気が滅入ります。それより目の不自由な方々のように、今の自分たちに何が出来るかを考え、アイデアを出し、工夫を凝らしてみる。できないと思い込んでいたことができるようになり、挑戦する面白さや達成感が味わえそうです。

 コロナウイルスとの戦いは、これから2、3年は続くだろうと言う人も多いのです。できないことを嘆くより、「今しか」できないこと、「今だからこそ」できることを探し、挑戦するポジティブな姿勢を持ちたいものです。

 今の私のおすすめは、アウトドアでの読書と料理。ザックに飲み物、おやつ、レジャーシートを詰め込み、近くの公園のベンチや芝生の上で本を広げます。
 読書に飽きて眠くなれば昼寝もよし、そのままウォーキングやジョギング、ストレッチに切り替えることもできます。

 「コロナ・チャンス」、コロナの感染がもたらしてくれたチャンス。チャンスという言葉を入れただけで、ポジティブで前向きの気分が湧いてきます。
 長丁場が予想されるコロナとの戦いに、負けるわけにはいきません。

芝生の上でストレッチをするシニア男性

本シリーズの次の記事はこちら >あとからくる君たちへ(37) 模範解答のない世界を生きる  

◆本シリーズの他の記事はこちら >シリーズ「あとからくる君たちへ」関連記事へのリンク

-あとからくる君たちへ
-, ,

執筆者:


関連記事

あとからくる君たちへ(21) 花かげの花守りたち

来年の桜の頃に、ぜひ訪れたい場所があります。それは福岡市南区の「桧原(ひばる)桜公園」。桜の名所であると同時に、多くの花守りたちの物語が語り継がれてきた場所です。今回は、その「桧原桜の花守りたち」のエピソードを紹介したいと思います。

あとからくる君たちへ(18) 努力の成果を計算してみたら‥‥

 3月21日、シアトル・マリナーズのイチロー外野手が、東京ドームで行われた開幕第2戦を最後に現役引退しました。今日は努力の天才イチローの言葉を、数字で感じ取ってみましょう。

あとからくる君たちへ(52) 『お父さん、日本のことを教えて!』_1 ~アメリカの中学教科書に書かれていた日本建国神話~

 赤塚高仁さんの心にスイッチが入ったのは、一人娘の「マホ」さん(当時15歳)の訴えを聞いた時でした。1年間のアメリカ留学から帰国したマホさんは、赤塚さんに「お父さん、日本のことを教えて!」と懇願したそうです。

あとからくる君たちへ(48) 「成功するにはどうしたらいいの?」

 えっ? 「成功するにはどうしたらいいのか」だって。う~ん、むずかしい質問だね。まぁ、一緒に考えてみるとしようか。ここに座ってごらん。

あとからくる君たちへ(19) 何かを始めるのに、遅すぎるということはない

仲良く言葉を交わすこの二人、左はアップル社CEO(最高経営責任者)のディム・クック氏、右は若宮正子(わかみや・まさこ)さん。場所は、米国カリフォルニア州の WWDC2017 の会場です。


管理人の “がしん” です。
2018年3月にリタイヤしました。
このサイトは、シニアライフを楽しく生きるためのあれこれと、子や孫に語り伝えておきたい「人、もの、コト」の保管庫です。

もっと詳しいことが知りたい方は、こちらをどうぞ。

【好きなこと】旅行、山歩き、映画鑑賞、読書、酒…
【好きな言葉】「着眼大局、着手小局」
【家族】妻と二人暮らし。子2人、孫3人

  • 342075総閲覧数:
  • 2040月別閲覧数:
  • 236530総訪問者数:
  • 1374月別訪問者数:
  • 2019年1月24日カウント開始日:
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930