※ 本稿は2020年7月8日の山歩きの様子を、7月9日にアップしたものです。
記録的な豪雨で、九州各地は大きな被害を受けてしまった。被災された方々には、衷心よりお見舞いを申し上げます。
昨日の天気予報では、今日は晴れとのこと。梅雨の晴れ間をぬって、近場の山で軽い足慣らしをしておこうと思った。
暑さと日差しを避けたいので、朝の早い時間に歩くことにしよう。
目次
「森林浴の森百選」に選ばれた足立山ろく
小生が住む北九州市小倉北区の「おらが山」は足立山(598m)である。わが家から登山口まで車で15分足らずという近さが、何より魅力。市街地の至近に位置するが、自然林が多く森林浴、ハイキング、戸ノ上山までの縦走と、色々な楽しみ方が可能な低山である。
足立山の魅力は、次のような点だろうか。
- 「日本森林浴の森百選」(林野庁、緑の文明学会制定による)に選ばれた豊かな森が山ろくに広がり、遊歩道も整備され、散策にもってこい。
- 「赤松林駐車場」(約30台・無料)が利用でき、すぐそばにトイレもある。
- 前衛峰の小文字山(366m)からの展望の高度感が圧巻。関門海峡から北九州市中心部へ広がる都市展望は、一見の価値あり。
- 所要時間、体力、体調に応じてさまざまな山歩きが楽しめること。
例えば、山ろくで森林浴を楽しむぶらぶら歩き、小文字山までのミニ登山(山頂まで約40分)、足立山頂までのピークハント(山頂まで2時間弱)、戸ノ上山(門司区、518m)までの企救山系縦走‥‥など。
※ 過去の足立山~戸ノ上山縦走の記事は、こちら。
反面、大部分が常緑樹に覆われた登山道を歩くため、薄暗く、梅雨・夏季は蒸し暑いことがデメリットだろう。
マイナーだが、お気に入りの登山道
今回は小生が勝手に「のんびりコース」と名付けたコースを歩くことにしよう。小文字山まで山ろくの散策路を「のんびり」とたどっていくこのコース、ガイドブックには載っていないが、ゆるやかな登山道を静かに歩ける所がお気に入りなのだ。
いつも利用する「赤松林駐車場」着が午前6時40分。先着の車1台というガラガラの駐車場で身支度を調える。防虫対策としてハッカ油スプレーを噴霧し、森林香に点火して出発。
今日は通称「鉄塔広場」までの足慣らしなので、ザックも軽い。
駐車場から舗装道路を100mほど上ったT字路を左に進む。
左折すると、すぐ「こんちゅう観察の森」という標識が表れ、その背後にちょっとした広場がある。ここが「のんびりコース」の入口である。
辺りに登山口を示す標識などない。しかし、広場の右端をよく見ると登山者の踏み跡が山に向かって伸びている。これをそのままたどって行けばよい。
5、6分踏み跡を登っていくと、よく整備された散策路に突き当たる。本日2回目のT字路だ。ちなみに、駐車場から小文字山頂までにT字路に4回突き当たるが、全て左に進めばよい。
幅の広い散策路は、ウォーキングに絶好である。遭遇した女性は、砂防ダムの水が増水していることをわざわざ報告(?)してくださった。
やがて散策路の右側法面(のりめん)に「小文字方面」という標識が現れると、その数メートル先から小文字山へ至る山道が始まる。
ここからは、次の写真のような登山道がつづら折りで続いている。鳥の鳴き声以外、何も聞こえない。周囲の樹木に覆われているため、展望が利かないのが難点だ。
まもなく3回目のT字路に突き当たるが、ここも左折。
駐車場を出発して40分足らずの所に、樹木の切れ目から展望が望める場所がある。それまで薄暗い樹林帯を歩いてきただけに、ホッと一息つける場所だ。今朝は、山ろくから立ち昇る水蒸気が一面の霧となって立ちこめている。
駐車場から約45分で、小文字山山頂に到着。一気に展望が広がり、眼前に小倉北区の市街地が広がるさまは圧巻である。心地よい涼風が火照った体を冷ましてくれる。のどを潤し一息つきながら、広がる展望を味わうことにする。
通称「鉄塔広場」まで足を伸ばしてみる
展望を堪能した後は、足立山に至る稜線をたどり、通称「鉄塔広場」まで足を伸ばすことにする。
紫陽花もそこここで咲いている。
朝日が木々の間から差し込んでくる。
約20分で「鉄塔広場」に到着。倒れた鉄塔がそのまま放置されていることから、こう呼ばれているらしい。ここらで標高440mぐらいだ。
ベンチに腰を下ろすと、ウツボ草が出迎えてくれた。
汗をぬぐい前方を見上げると、足立山に至る稜線が続いている。むし暑いので、今日は山頂まで行く気は起こらない。
誰もいない鉄塔広場で、ぼんやり周囲の山なみを眺め、ぼーっとすること20分。何もしない贅沢な時間‥‥。
洗はれし 山の静かな 梅雨晴れ間 (荻野千枝)
今日はここまでで下山としよう。
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