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シニアの家めし(27) 一斗缶で燻製器を自作する_1

投稿日:2021年1月19日 更新日:

自作した一斗缶燻製器(蓋をとった状態)

自作した一斗缶燻製器(蓋をとった状態)

 不用の鍋を利用して燻製を作り始めて約3ヶ月。鍋の燻製器は手軽で便利なのだが、何度か使う内に不満も生じてきた。そこで、一斗缶を使い燻製器を自作してみようと考えた。

※これまでの燻製づくりの記事はこちら
 > シニアの家めし(24) キッチンで燻製を作ってみる
 > シニアの家めし(25) キッチンで燻製を作ってみる_2

目次

鍋の燻製器は手軽で便利、しかし‥‥

自作スモークチーズ

自作スモークチーズ。鍋の直径が20cmのため、大きな食材は入らない。

 不用の鍋を利用して、台所で燻製を作り始めたのが昨年10月。それから約3ヶ月、あれこれと食材をいぶして、晩酌のつまみを作ってきた。

 一番気に入っているのは、スモークチーズ。ほぼ毎晩、晩酌のアテに少しずつ食べている。「安いチーズがこれほど美味くなるか!」というくらい、濃厚で香り高い味に変わる。ビール、ワイン(特に赤ワイン)、ウィスキー、焼酎‥‥、何にでも合う。

 年末に自作のみそ、鶏ハムなどと一緒に子どもたちに送ってやると、なかなか好評だった。山友との飲み会に持参しても、うまいと言っていただける。

 鍋の燻製器は手軽で便利なのだが、何度か使う内に不満も生じてきた。たとえば鍋が小さいため、一度に作れる量が少ない、大きめの食材は入らない。温燻(おんくん)ができない。上からしたたる脂の受け皿スペースがとれないため、ベーコンが作れない‥‥などなど。

※ 「温燻(おんくん)」とは、温度30~80度で1~6時間ほど燻煙をかける方法。燻製の大半はこの方法で作られる。鍋燻製器を使った燻煙法は「熱燻(ねつくん)」と呼ばれ、80~140度という高温でごく短時間燻煙をかけている。

 もう少し大きくて温燻もでき、脂がしたたる肉・魚もいぶすことができるものがほしい。しかも金をあまりかけずに。
 

一斗缶を利用した燻製器があるらしい

一斗缶燻製器一斗缶で作った燻製器(出典:「サボテンチョップ」サイト)

 調べてみると面白いもので、さまざまな物を再利用した燻製器があることが分かった。
 鍋系は中華鍋、土鍋、フライパン、ステンレスボウルを利用したもの。箱系は木製はもちろん、段ボール箱、一斗缶、ペール缶、メタルラック、果ては赤レンガやオフィスの1人用更衣ロッカー(!)を使った大型燻製機まで自作されている。

自作燻製器100円ショップのステンレスボールを利用した燻製器
(出典:CLUB SMOKE)

 こんなにも多くの燻製マニア(ほとんどが男性)がいたのか、と嬉しくなってしまう。Googleで「燻製器 自作」で検索すると30万件以上の記事がヒットするのには驚かされた。

 ついでに燻製の基礎知識を習得しようと、入門書にも目を通してみた。

書籍「燻製作りの基本」

 燻製づくりの全てが分かるような秀逸なウェブサイトにも遭遇。サイト管理者の服部弘氏の燻製にかける情熱に脱帽である。燻製づくりに興味のある方は、訪問されてみてはいかが‥‥。  

  •  CLUB SMOKE 
    燻製レシピサイト。365種以上の燻製レシピ(動画もあり)の紹介、燻製基礎知識、燻製器の作り方、世界燻製紀行等、燻製のすべてが満載のサイト。最初からこのサイトを訪問しておけば、あれほど苦労しなくても済んだのに‥‥。
  • SMOKY FLAVOR 
    上記 “CLUB SMOKE” の管理人服部氏が運営している燻製ギアのオンラインショップ。自社で開発・製作した燻製器や燻製アイテム、スモークチーズの製造販売を行っている。「一斗缶燻製器スターターKIT」も販売されていて、自分で作るか購入するか、ずいぶんと迷った。

※ 小生は上記サイトとは無関係です。余りに素晴らしいサイトなので、紹介しているだけとご理解ください。

 

一斗缶燻製器のメリット、デメリット

ベーコンの燻製ベーコンの燻製(出典:cookpad

 あれこれ情報を集めた結果、一斗缶を再利用した燻製器の自作が現時点でのベストチョイス、との結論を得た。
 小生にとって、一斗缶燻製器のメリットは次のような点にある。

  • 一度で鍋より多量の燻製ができる
    22cm×22cmの角網の2段置きが可能。雪印のファクトリーチーズ(800g)を2本同時にいぶすことができそうだ。
  • 熱燻だけでなく、温燻もできる
    上記服部氏によれば、氏の燻製レシピの8割以上が温燻で作られているとか。一斗缶はスモークウッド、チップどちらも使え、熱源もガスコンロ、電熱器、炭火が利用可能。
  • 肉・魚などの燻製ができる
    高さに余裕があるので、脂受けトレイ(肉・魚などから出る脂が直接チップや熱源の上に落ちないようにする)がセットでき、吊し燻製も可能。
  • 製作費用が安い
    廃物利用すれば一斗缶はタダ。DIYの店で新品を購入しても、材料費込みで1,500円以内で作れそう。
  • 耐久性がある
    通常使いであれば1年間は余裕で持つらしい。寿命は底が錆び、穴があいた時。
    段ボールで作ることも考えたが、耐久性、燃える恐れ、保管場所、作業効率等の面で一斗缶を選択した。
  • 手入れが簡単
    鍋と違って使用後に洗う手間がない。外側を雑巾で拭き、蓋をかぶせればOKだ。

 この他に、自分好みのオリジナル燻製器(例:2段重ねの大型器、扉付等)を自作できるというメリットもあるが、加工スキルと道具を持たない小生には無縁のものだ。

 一斗缶燻製器のデメリットは、次の3点くらいか。

  • 一斗缶とサイズが合う網が意外に入手しにくい。
  • 加工が簡単とはいえ、未経験者には多少手間がかかる。
  • 市販品に比べ、デザイン性や使い勝手は劣る。
    但し加工技術があれば市販品以上のスモーカー製作も可能。

 長くなってしまった。調べたことをすぐ披露したがる、悪い癖が出たようだ。

 次回は、一斗缶燻製器の材料集めと製作体験を報告させていただくとしよう。 

 

◆本シリーズの次の記事はこちら >シニアの家めし(28) 一斗缶で燻製器を自作する_2  

◆本シリーズの他の記事はこちら >シリーズ「シニアの家めし」関連記事へのリンク

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