大分県・耶馬溪競秀峰(出典:日本遺産 やばけい遊覧 公式サイト)
11月19日は所属するアタック山の会の臨時山行の日。出かけるのは大分県耶馬溪の「競秀峰(きょうしゅうほう)」と「古羅漢(ふるらかん)探勝道」。どちらにも少し危険な鎖場を通過する箇所がある。
※ 本稿は2023年11月19日の山行記録を、11月27日にアップしたものです。
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山岳ガイド内田修市氏が提供されている競秀峰の登山地図
地図作成:内田修市、出典:山旅クラブ
0821 青の洞門駐車場 ~ 0833 競秀峰めぐり洞門橋登山口 ~ 1009 陣の岩 ~ 1040 弘法寺登山口 ~(九州自然歩道)~ 1115 法岸寺登山口 ~(古羅漢探勝道)~ 1155-1235 天人橋(昼食)~ 羅漢寺登山口~ 1347 青の洞門駐車場
※ 参加メンバー:9人(アタック山の会メンバー)
活動時間(休憩時間) | 5時間27分(54分) |
活動距離 | 9.3km |
累積標高上り/下り | 684m/682m |
カロリー | 1,513kcal |
写真中心の山行メモ
午前7時に北九州発。青の洞門駐車場着が8時10分頃。駐車場から見上げると、期待した紅葉はまだまだの模様。
駐車場で安全確保のためにスワミベルト(簡易ハーネス)とセルフビレイコード(以下「ビレイコード」という。)を着用し、青の洞門へ歩を進める。
気の早いメンバー数名は早くもヘルメットをかぶり、やる気満々のオーラが漂う。この姿で観光地を歩くのはちと恥ずかしい小生は、山中で着用することにした。
洞門橋近くの登山口から取り付く。
よく整備された登山道をゆっくり登っていく。コース前半は特に危険な場所もなく、おしゃべりを楽しみながらの登りだ。
「三の峰」展望所からの眺め。本コースは、随所で耶馬溪の眺望を楽しめる展望所が用意されている。
小さなアップダウンを繰り返しながら、少しずつ高度を稼いでいき、
こんな岩場を越え、
「陣の岩まで550m」の道標が目に入ると、
本格的な鎖場が‥‥。ここから「陣の岩」までは全員ヘルメットを着用し、ビレイコードを使った鎖場歩行の実地練習を行う。
鎖にカラビナをかけ、安全を確保した鎖場通過練習開始だ。
鎖の支点でカラビナを掛け替えながら移動していく。
足元が切れ落ちている箇所はスリル満点だが、ビレイコードによる安心感もあってか、新入会員も冷静に対応している。
次の画像が最も注意が必要な場所。崖にへばりつくようにして回り込む鎖場だ。
足場が狭い上に、重心を低くして岩を回り込むような不安定な姿勢を強いられる。
ビレイコードがなければ、足が震え、冷や汗が流れているかも。ヘルメットがゴツンと岩に当たる音がそこここで聞こえてくる。
鎖場のトラバースを終え、最後の岩場をよじ登ると展望の開けた「陣の岩」。時間は10時9分、取り付きから約50分。鎖場の緊張の後に眼前に広がる展望に、思わず歓声が上がる。
眼下に広がる山国川の流れと耶馬溪の里山風景。あと1週間もすれば岩峰が紅葉に彩られ、何とも美しいことだろう。
屏風を立て並べたような奇岩群が約1kmに渡り連なる競秀峰。
実はこの競秀峰。明治時代に売りに出されていたのだとか。ふるさとの文化と景観を守る会が作成した『競秀峰パンフレット』には次のように記されていた。
福澤諭吉が護った故郷の景観
1894年に故郷中津を訪れた「福澤諭吉」は、競秀峰が売却されることを耳にし「心ない物(ママ、「者」の誤植か)の手に渡ると景観を損ねてしまう」と3年の月日をかけ、私財を投じて競秀峰一帯を買収し保護しました。これは日本における、自然保護・環境保全のための「ナショナルトラスト」運動の先駆けと言われています。
他で見つけた資料には「(諭吉は)名を表に出さずに3年がかりで約13,000㎡の土地を買収、ふるさとの美しい景色を守りました」とある。やはり1万円札に肖像画が印刷される方は違うなぁ。
陣の岩の展望をたっぷりと楽しむと、後は下るのみ。
頭上に覆いかぶさるように迫る岩をよけつつ進み、
弘法寺登山口に着いたのが10時40分、約70分の山旅だった。「面白かったねぇ」という声も聞こえ、少し嬉しくなる。
弘法寺から左をとり、九州自然歩道を歩いて「古羅漢探勝道」へと向かう。小春日和のような穏やかな陽光に包まれ、静かで落ち着いた集落を縫うように続くどこか懐かしい道‥‥。いやされるなぁ。
途中、道の駅「耶馬トピア」でトイレ休憩し、その後も川沿いに続く自然歩道をのんびりと歩く。昨年訪れた時は高速道路の工事のため通行禁止だったが、現在は歩行者のみ通行可能のようだ。
次の画像は、道路工事により通行禁止となっていた部分。
途中、素晴らしい銀杏の黄葉に遭遇し、しばし見とれてしまった。
※ 本稿の続きはこちら >競秀峰&古羅漢探勝道、切れ落ちた鎖場を歩く (2)
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耶馬溪トレッキング、競秀峰と古羅漢探勝道を歩く (2)