S氏のリクエストで、英彦山系の岳滅鬼山(がくめきさん、1036m)を歩くことになった。この山、1、2度登ったことがあるはずなのに、どんな山だったか余り覚えていない。なぜだろうか。
岳滅鬼山は、福岡県添田町と大分県日田市の境界を成す山。山伏が春の峰入り修行の折、英彦山から宝満山へと歩く途中の山である。
何はともあれ、晴天の平日ということもあり、静かな山行が楽しめるだろうと期待して出かけたのだ。
※ 本稿は2022年5月17日の山行記録を、5月20日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図(略)
YAMAP無料会員の地図ダウンロード制限のため、山行軌跡図は省略します。
0819 英彦山大権現登山者用駐車場 ~ 0852 汐井川渡渉地点 ~ 0917 黒岩山分岐 ~ 0936 大南林道分岐 ~ 1014 岳滅鬼峠 ~ 1108 岳滅鬼岳山頂 ~ 1130-1202 岳滅鬼山山頂 ~ 分岐 ~(迷走)~ 大南林道 ~ 大権現分岐 ~ 黒岩山分岐 ~ 汐井川渡渉地点 ~ 1612 英彦山大権現駐車場
※ 下山途中で1時間以上迷走(笑)したため、岳滅鬼山頂から先は参考になりません。
※ 参加メンバー:2名(S氏、がしん)
写真中心の山行メモ
午前8時、英彦山大権現神社の登山者用駐車場に到着。平日とあって、誰一人登山者はいない。
8時19分、駐車場を出発。英彦山大権現から先は、車両通行止めの林道を進んでいく。
15分ほど歩くと、汐井川の渡渉地点に出合う。道の右側に設置された、薄汚れた赤テープと「黒岩山登山口」の私標が目印。
渡りやすい場所を適当に探して渡渉。
手入れの行き届いた杉林が両側に続く。木洩れ日がまぶしいほどだ。
黒岩山分岐を過ぎ、
周囲が杉林から広葉樹林に変わると、新緑から万緑に移ろう森の美しさが際立つ。
この空の蒼さもどうだ。
9時36分、大南林道に出合う。
左に300mほど進むと、岳滅鬼山登山口。
森が明るくなると、峠は近い。
10時14分。駐車場から約2時間で、岳滅鬼峠(940m)に到着。
この峠は、江戸時代には日田からの英彦山参りの主要なルートであり、豊前の国への最短経路でもあったとか。
「従是北豊前小倉領(是より北 豊前小倉領)」と刻まれた石柱が今も残る。
ここから先は、万緑に包まれた稜線歩きが待っている。
岳滅鬼山まで3つの小ピークを越えなければならない。もちろんスリルあふれる岩場歩きも楽しめる。
このハシゴを越えると、第1ピークだ。
第1ピークからの展望。岩の向こうは切れ落ちている。
また登る。これを3回繰り返す。
岩尾根歩きが好きな人にはたまらんコースだろう。
このハシゴを越えると、第3ピーク(岳滅鬼嶽・がくめきだけ)である。
岳滅鬼嶽から岳滅鬼山への登山道は、岩場の緊張がほぐれるゆるやかな登り。
11時8分、岳滅鬼山頂着。駐車場から3時間かかった。
振り返ると、岳滅鬼嶽(第3ピーク)が見える。
12時2分、山頂を出発。予定では往路をそのままもどるはずだったが、調子に乗ってそのまま縦走路を先に進んだのがいけなかった。
釈迦ヶ岳方面へしばらく進み、ほとんど人が歩かないような下山道を降りてしまった。
ここから1時間超に及ぶ迷走(笑)が始まるのだが、この話題にはふれないでおこう。地図とGPSソフトの有り難さを再確認した1時間であった。
迷走の末に何とか大南林道にたどり着き、英彦山大権現の駐車場に着いたのが16時12分。
さて、どこで汗を流そうか。しゃくなげ荘は完全に取り壊され、跡形もない。
一度立ち寄ってみたいと思っていた「そえだジョイ」(添田町)に行ってみよう。
そえだジョイ 4F の展望風呂は温泉ではないが、湯船も広く人も少ない。おまけに入浴料は350円(町外者料金)とリーズナブル。
ただし、石けん、シャンプー、タオルは持参する必要あり。
おまけ ~岳滅鬼山の記憶があいまいな理由は~
ところで、岳滅鬼山の記憶が余りないのはなぜかという疑問である。
今日歩いたルートは、杉の植林地、沢沿いの道、林道、広葉樹林に岩尾根と、変化に富む登山道でたっぷりと楽しめた。記憶に残らない訳がない。
帰宅して山行記録を調べてみると、これまでに2回登っている。具体的には、2008年(55歳)と2010年(57歳)だ。そのいずれもが岳滅鬼山を経由しての長距離縦走であった。
たとえば、初めて登頂した55歳の時は、英彦山大権現から岳滅鬼山を経由し、釈迦ヶ岳、大日岳を経て小石原行者堂までの歩きだった。
2008年4月の縦走コース(出典:鈴鹿の風に吹き飛ばされて・九州に!)
当時の小生にとって、岳滅鬼山は単なる通過点という認識だったのかも。だから、格別記憶に残っていなかったのだろう。
しかし、あのアップダウンが続く峰入り古道を10時間歩き、翌日は仕事に出かけていたのだから、当時は体力・気力が充実していたんだなぁ。
それに比べて今日の自分は‥‥、と心身の老いをつくづく思い知らされた晩酌となった。飲み干すビールが少し苦かったのは言うまでもない。
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