山行記録

岩井川岳、咲き初(そ)めたミヤマキリシマを愛でる

投稿日:2022年5月24日 更新日:

岩井川岳今年初のミヤマキリシマ!

 5月22日は、所属するアタック山の会の月例山行日。今月の山は、くじゅう連山の岩井川岳(いわいごだけ・1522m)。あわよくば開花し始めたミヤマキリシマが拝めるかもと期待し、瀬の本登山口に向かった。

※ 本稿は2022年5月22日の山行記録を、5月24日にアップしたものです。

コースと活動概要

◆コース及び活動概要

0932 瀬の本駐車場 ~ 0941 瀬の本登山口 ~ 1133 岩井川分岐 ~ 1140-1235  岩井川岳 ~ 岩井川分岐 ~ 1409 登山口 ~ 1423 瀬の本駐車場

※ のんびり歩き、随所で写真撮影を行ったため、所要時間は参考になりません。
※ 参加メンバー:12名(アタック山の会)

 

写真中心の山行メモ

 毎年5月の下旬を迎えると、くじゅう連山のミヤマキリシマが気になってくる。

 特に今年は平治岳や立中山、三俣山の虫害について、ネット上での投稿が目につくようになった。山域によっては、かなりひどい被害が進行中のようだ。

 たとえば、いつも拝見する「ようこそ九重連山へ」のサイトでは、

 2015年の深刻な虫害の後、翌2016年に忽然と姿を消した シャクトリムシ(キシタエダシャクの幼虫)が再び勢力を広げ、今年は全山を席巻しそうな勢いのようです。

(2022年5月15日の記事)

 さらに、その1週間後には

 すがもり越周辺もそうですが、周囲のミヤマキリシマの株には かなり深刻な虫害が発生しています。ほぼ全ての葉を食い荒らされ、茶色く変色した株が多い中、わずかに開花の希望が見えそうな無害の株も散見されます。(略)‥‥、西峰登路周辺はほとんどの株が虫害で茶色く変色し、満開時には見事に染め上がるⅣ峰南斜面も多くの株に虫害が発生し、開花までこぎつけるのは難しいようです。

(2022年5月22日の記事)

と記されていた。

岩井川岳ミヤマキリシマの花芽を食い荒らすシャクトリムシ
(出典:ようこそ九重連山へ

 YouTube 動画では立中山の無惨な様子がアップされ、心が痛んでくる。

◆【くじゅう連山:立中山】立中山はミヤマキリシマが見頃のはずなのに・・・。鉾立峠~立中山。(2022/05/18)

 岩井川岳のミヤマキリシマはどうだろうか、そんな会話を交わしながら、瀬の本登山口を出発。

岩井川岳

 しばらくは林道歩きが続く。麦わら帽のSリーダーの後に女性陣が連なって進む。

岩井川岳

 杉の植林地を1時間ほど歩くと、アセビの多い小尾根に乗り上げる。アセビの巨木を縫うようにして高度を上げ、

岩井川岳

 続いてクヌギ、ミズナラ等の広葉樹の林を進む。高度はおよそ1400m、このあたりはやっと新緑の季節を迎えたようで、木々の若葉が美しい。

岩井川岳

 前方の女性陣から歓声が上がる。今年初のミヤマに遭遇だ! 

岩井川岳

 虫の姿を探すが、どこも食われてはいない! 南向きの斜面で初夏の陽光を受け、輝いている。

岩井川岳

 周囲を見渡すと、そこここに咲き始めたミヤマキリシマの株が‥‥。たちまち、撮影会が始まった。

 こうなると止まらないU氏。

岩井川岳

 こんな小さな株でも、けなげに開花する姿が愛しく思えてくる。目を細めて孫を眺めるじじいの心境だ。

岩井川岳

 これから開こうとするちっぽけな蕾。

岩井川岳

 撮影会を終え、岩井川岳の草台地をめざし歩を進める。身も心も緑に染まりそうな登山道だ。

岩井川岳

 岩井川分岐を右にとり、広々とした草原の中に足を踏み入れる。

岩井川岳

 展望が良ければ、目の前に大阿蘇の涅槃像を楽しむことができるのだが、あいにくこの日の空はかすんでおり、見えそうもない。
 参考までに、昨年の写真を貼っておくとしよう。

岩井川岳

岩井川岳と阿蘇涅槃像(2021年6月撮影)

 岩井川岳の開花状況は2~3分咲きというところだろうか。それでも満開に近い株が幾つかあり、それなりに楽しませてくれるのが嬉しい。

岩井川岳

 目に入るのは、大空と草原のみ。あの空に向かって飛び立っていけそうだ。

岩井川岳

 11時40分、岩井川岳に到着。

岩井川岳

 後ろを振り返ると、扇ヶ鼻がでんと控えている。

岩井川岳

 岩井川岳の魅力は、この開放的な草原と大展望。眼前に広がる大迫力の阿蘇と、遠く祖母・傾、そして雲仙普賢岳まで望める大絶景は希少価値である。

 あいにく、この日の展望はさっぱりだったが、それでめげるようなメンバーではない。それぞれの楽しみ方を見つけていく。

 高いところが大好きな方々、

岩井川岳

 「あの山が、〇▲※□山」と山座同定に余念がない面々。

岩井川岳

 U氏は草原を走り回り、撮影に夢中だ。

岩井川岳

 小生も岩の上に立ち、周囲を見回してみた。
 草原のそこここにミヤマの群生が点在している。花の見頃は1週間から10日先くらいだろうか。

岩井川岳

 このままシャクトリムシの被害がなければ、まもなくこんな風景を目にすることができるだろう。

岩井川岳

咲き誇るミヤマキリシマ(2021年6月撮影)

 扇ヶ鼻から下ってきたパーティに尋ねると、扇ヶ鼻のミヤマは咲き始めたばかり。虫害には気づかなかったそうだ。

 下山中はいろいろな草花を観察し、メンバーとのおしゃべりを楽しみながら、のんびりと歩くことができた。

岩井川岳

この日、大人気だったマムシ草

 今日も、楽しい山行ができたことに感謝せねばなるまい。

 よろしければ他の山行記事もどうぞ。50歳から山歩きを始めたシニアの山歩きレポートです。お役に立つ情報があれば幸いです。

◆ 岩井川岳の山行レポートはこちら >
  岩井川岳・扇ヶ鼻、ミヤマキリシマの開花はまだ先だった 

◆ 過去の山行レポートは、こちら 
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