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元旦の初詣で、今年も午前5時に自宅を出発。午前5時30分に氏神様である篠崎八幡宮に参拝することができた。
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まずは年末に「年末詣で」
今回は12月30日に初めて「年末詣で」(「年内詣で」とも言う)を行った。年末詣でとは、一年を無事に過ごせたことを感謝するお礼参りのこと。大晦日に詣でるのが理想らしいが、諸般の事情で12月30日に出かけてきた。
わが家の氏神様は篠崎八幡宮(北九州市小倉北区)で、1400年の歴史を誇るお社。30日の午後に訪れると、境内はきれいに掃き清められ、新年の準備は万端。おまけに人影もほとんどなく、ほぼ独占状態(?)である。
まずは手水舎で手、口を清め、おもむろに拝殿へ。二礼二拍手一礼の後、家族全員が1年間健康で大過なく過ごせたことのお礼を申し上げる。
コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、安倍元首相の暗殺、北朝鮮の弾道ミサイル発射37回73発(防衛省発表)、中国の台湾・尖閣諸島侵攻の恐れ、防衛費増額決定‥‥と、戦争前夜のような一年が終わろうとしている。
この歳になると、個人の努力ではどうにもならない事がこの世には数多(あまた)ある、とよく分かる。子や孫たちの顔を思い浮かべ、神々のご加護に心から感謝申し上げた。
静かな境内で心ゆくまでお参りすることができ、何となく得したような気分だ(笑)。
周囲を見回すと新年を迎える準備がすっかり整い、来年の干支・うさぎの大絵馬が飾られている。令和も早や5年目になるのか‥‥。
続いて1年間わが家を守護していただいたお神札(ふだ)を納め、社務所で神宮大麻(じんぐうたいま、伊勢神宮内宮のお神札)と新しいお神札を授与して頂く。
恥ずかしながら、全国の神社で神宮大麻が頒布されていることを初めて知ったのだ(これまでは、7年前に伊勢神宮で授与された大麻をずっとお祀りしていた)。
神宮大麻(画像出典:伊勢神宮)
なぜ、元旦の午前5時30分に詣でるのか?
天皇陛下の「四方拝」に衝撃を受ける
このようなご衣装で四方拝に臨まれていたらしい(出典:宮内庁)
実は3年前の令和2年元旦から、午前5時30分に参拝する早朝初詣でを始めたばかりなのだ。きっかけは、天皇陛下が元旦に行う「四方拝」のことを知ったから。
四方拝とは、今上陛下(きんじょうへいか、現在の天皇の尊称)が1月1日の午前5時30分から天地四方の神々を拝する儀式のこと。
陛下は午前4時頃から身を清め、屋外に設けられた祭壇で祈りを捧げられる。まだ夜も明けやらぬ頃、しんしんと忍び寄る寒さの中での祈りだ。
神嘉殿(しんかでん)の南庭に張り巡らされた屏風、その内に敷かれた畳の上で四方拝は行われた(出典:宮内庁書陵部)
小生が衝撃を受けたのは、この四方拝の儀式の時に唱えられるお言葉(原文は漢文)。現代語に直すと「国民に降りかかるあらゆる災いは、(国民が受ける前に)まずわが身を通してからにしてください」の意となる。
全国民1億2千万人の災いを全てわが身に引き受けます、との崇高な祈り。この間、皇后陛下を始め皇族の方々は窓や戸を開け放ち、身を慎んでお待ちになっているとか。
さらに驚いたのは、この祈りが歴代天皇により千年以上も続けられてきたこと。衝撃と共に有り難さで胸が熱くなったことを覚えている。
非科学的と笑われるかもしれないが、「日本国は天皇の祈りに守られてきたんだなぁ」としみじみ実感したのだ。以来、せめて陛下と同じ時間に神前に拝し、日本国と皇室の弥栄(いやさか、ますます栄えること)を祈らせていただこうと思い立った次第。
※ 四方拝についての過去記事はこちら >あとからくる君たちへ(30) 元旦に行われる四方拝(しほうはい)、天皇陛下の祈り
初詣でに出かける
1月1日午前5時に自宅を出発。元旦の早朝とあって走る車は皆無。人っ子一人いない道路をゆっくり歩いていく。
篠崎八幡宮参道の灯りが見えてくると、何かホッとする。
急な階段を一段ずつ踏みしめ、
登り上がると、眼前に山門が迫ってくる。門越しに境内をうかがうと、既に参拝している人の姿が目に入る。
午前5時30分という早い時間なのに、詣でる人が意外に多い。
神前で頭を垂れ、(1) 新しい年を迎えられたことへの感謝、(2) 日本国と皇室の弥栄、(3) 今年一年間の親族へのご加護をお願いする。
四方拝を終えた陛下は引き続き「歳旦祭」を行い、その後皇族、政府要人等のお祝いを受ける「新年祝賀の儀」に5回ご出席。さらに翌日(1月2日)は、国民から祝賀をお受けになる「新年一般参賀」に6回お出ましになるという。
自宅に帰る道すがら、「お体をご自愛ください」と祈るばかり。
※ 過去の初詣での記事はこちら > 今年も元旦早朝の初詣でに出かけてきた、元旦早朝の初詣でに出かけてきた