アタック山の会の1月例会は、恒例の干支(えと)登山。今年の干支は卯(う、うさぎ)だが、兎の名がつく山はなかなか見つからない。どうして宝満山なのかと尋ねると、「うさぎ道にちなんで」とのこと。
※ 本稿は2023年1月22日の山行記録を、1月25日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
0850 竈門神社駐車場 ~ 0945 一の鳥居 ~ (正面登山道)~ 中宮跡 ~ 1115-1150 宝満山頂(829m)~ 1255 仏頂山下西分岐 ~(うさぎ道)~ 1425 竈門神社 ~ 1440 駐車場
※ 参加メンバー:13名(アタック山の会メンバー)
活動時間(休憩時間) | 5時間50分( ? ) |
※ 下山時にYAMAPの登山終了ボタンを押し忘れたため、標高差、活動距離、消費カロリー等は不明です。
正面登山道の石段を登る
太宰府は、7世紀に九州一円を統治する大宰府政庁が置かれた地。宝満山(竈門山)はその太宰府政庁の鬼門(きもん、北東の方角)にあたり、国家鎮護や厄除けなどの祭祀がたびたび行われた霊山。
今日は竈門(かまど)神社から正面登山道を経て山頂に至り、仏頂山下からうさぎ道を下る周回コースを歩くとのこと。
竈門神社の登山者用駐車場発が8時40分。舗装道路を進み、式部神社の鳥居をくぐる。ここが正面登山道の一合目。
30分ほど登ると高圧線鉄塔の建つ広場に出る。ここが内山林道の終点だ。
このあたりから石段の登山道が始まり、本格的な登りとなる。
実は小生、この正面登山道はあまり好きではない。理由は石段ばかりで面白みがないこと。下りが足腰にこたえること。加えて登山者が多く挨拶が大変な点。
ちょうど英彦山で正面登山道を避ける心理と同じである。
プリプリのシャクナゲの花芽。今年は見事な彩りが期待できそうだ。
まだまだ石段は続く。
「百段ガンギ」に取り付く、胸突き八丁だ。
百段ガンギを登りきると広場があり、「閼伽(あか)の井」(=神仏に献上する水を汲む井戸)の標識が。ここで汗をぬぐうとしようか。
寒さでかちかちに凍り付いた水場を過ぎ、
右前方におなじみの上宮の祠が現れ、360度の展望が開ける。
11時15分、宝満山頂着。
看護師登山家、渡邊直子さんに遭遇!
山頂で握り飯をほうばっていると20人以上のグループが到着し、礼拝岩の前で集合写真を撮り始めた。中央最前列で両手を広げている小柄な女性、冬山から帰ったかのように日焼けしている。どこかで見たお顔だなぁ。
しばらく見つめていると‥‥、
思い出した! 通称「看護師登山家」の渡邊直子さんだ。確か『のぼろ』最新号(39号)で紹介されていた。現役で看護師を続けながら、ヒマラヤの8000m峰に挑戦中の女性だ。
どうやら渡邊さんと一緒に宝満山にのぼろ、というイベントのようだ。
帰宅してすぐに『のぼろ』39号を開いてみた。
(前略)現在は看護師をしながらヒマラヤ(ヒマラヤ山脈やカラコルム山脈)に14座ある標高8000m超の山々に挑む。これまで13座に登頂。あと1座(シシャパンマ)を登るとアジア人女性初の全座制覇となる。福岡県大野城市出身。
(出典:『のぼろ』Vol.39 2023 Winter、西日本新聞社刊)
ネットで情報を集めてみると、次のようなことが分かってきた。
- 渡邊さんは、制覇した8000m峰13座に延べ24回登頂済み(つまり、複数回登頂した山がいくつもある)。
- これまでの遠征資金は、看護師の仕事でお金を貯めて確保した。自己資金で登る理由は「楽しみたいから」だそうだ。
- 今年(2023年)の春か秋に最後のシシャパンマ(チベット、8027m)に挑戦する予定。
- シシャパンマ遠征は、方針を変更してスポンサーをつのり、それでも不足する資金はクラウドファンディングで集めたいとのこと。
素晴らしいと思ったのは、自己資金で8000m超13座を24回制覇したこと。スポンサーの支援をはなから当てにしない姿勢に、彼女の心意気を感じる。噂によれば今回は全14座制覇を競う女性がいるため、方針を変更せざるをえなかったようだ。
※ 渡邊直子さんのオフィシャルサイトはこちら >Naoko Watanabe
※ 当日の渡邊直子さんトークショーの様子はこちら >楞伽院山荘(宝満山キャンプセンター)管理人ブログ
話に花が咲いた「うさぎ道」
渡邊さんから元気をいただいた勢いをかり、山頂からの下りは迂回路ではなく「稚児落し」(=山頂直下の急な岩場)を選択。高さ15m以上はあろうか、見下ろすと結構な高度感だ。
無事に全員降り立って振り返ると、若い女性2人がいとも軽々と鎖を伝い降りてくる。下り終えた2人の「イェ~イ!」という歓声を聞き、「若いっていいなぁ」と改めて思った。
三郡縦走路を仏頂山方面に進み、仏頂下西分岐を左にとる。小生はこの分岐から先がうさぎ道と思っていたが、その先の河原谷分岐からがうさぎ道と言う人もいる。どちらだろうか?
まずは、宇美町と太宰府市の境界尾根を下っていく。25分ほど下ると河原谷(難所ヶ滝方面)への分岐と出合う。
この先のY字交差する分岐を左にとったと思う(ここは記憶に自信がないので、悪しからず)。
うさぎ道はよく踏み込まれており、Sリーダーの「楽ちんコースですよ」の言葉どおり、最後までメンバーの話し声が途絶えることはなかった。正面登山道の石段下りを避けたい方、静かに山行を楽しみたい方にはこの周回ルートはもってこいだろう。ただ分岐が定かでないので、地図とGPSは必携だと思う。
14時25分、竈門神社着。手水舎の花が鮮やかな彩りで迎えてくれる。
参拝後は、降り始めた雨に打たれながら駐車場まで急ぐ。
今日も楽しい山行ができた。腰痛にもかかわらず、案内をしてくれたSリーダーに感謝である。
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