今日は平尾台でボランティア山行。所属するアタック山の会と平尾台自然観察センターが連携し、散策がてらセイタカアワダチソウの駆除に取り組もうという計画。
※ 本稿は2019年10月5日の山行記録を、10月11日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
※ 下山後にGPSソフトのスイッチを切り忘れたため、スタート地点から帰宅途中の軌跡も記録されています。
09:17 平尾台自然観察センター~ 09:39 不動山~ 10:15 貝殻山~(駆除作業)~ 12:10-12:38 天狗岩~ 13:04-13:23 桶ヶ辻~ 13:38-13:49 周防台~ 14:08 中峠~茶ヶ床園地~ 15:53 平尾台自然観察センター
参加メンバー:12人(アタック山の会)
活動時間(含む休憩時間) | 6時間35分 |
活動距離 | 14.8km |
高低差 | 230m |
累積標高 上り/下り | 675m/946m |
消費カロリー | 2,970kcal |
Sリーダーの呼びかけ
平尾台、手軽に広々とした展望が楽しめ、それなりの距離を踏める絶好のハイキング適地である。これに貫山登山や鍾乳洞の探索を加えると、変化に富んだ楽しい山歩きができる。山歩きを始めた頃は、小生もよく通ったものだ。
次に引用したのは、当会Sリーダーのメッセージ。次世代のために平尾台の自然を守りたいという思いが伝わってくる。
アタック山の会 第一回ボランティア山行
平尾台の自然を守ろう!! 外来種駆除活動当会の前身である「自然観察とボランティアの山の会」では、毎年清掃登山を実施していました。それは私たちや私たちの子孫が楽しく登山や自然を楽しむことができるために少しでも役に立てようとする想いの結果でした。もちろん私たち自身が、その大切さに気づく時でもあります。
平尾台は、工業地帯である北九州市にあって珍しい植物の宝庫です。私たちにとって自慢できる場所ではないでしょうか?
そんな平尾台ですから常日頃から、数多くのボランティアが草刈りやゴミ拾い、散策路整備などをされています。しかし、外来種の駆除は簡単ではありません。特にセイタカアワダチソウが急激に増えていて、このままではススキの穂が風になびく光景が見られなくなってしまいます。
そこで今回、平尾台観察センターと協力してセイタカアワダチソウの駆除を会として下記の通り、実施することにしました。参加は自由ですが、ぜひご協力をお願いします。
(出典:アタック山の会リーダーS氏の山行資料)
ちなみにこれがセイタカアワダチソウ、一度は目にされた方も多いのでは。
まずは、平尾台自然観察センターでオリエンテーション
午前8時30分、平尾台自然観察センター内でオリエンテーションが始まる。担当してくださったのは、同センターの古川勝明さん。パワーポイントを使って、実に巧みなプレゼンをしてくださる。
古川さんのお話では、セイタカアワダチソウの除草適期は、結実する前の8~10月だとか。増殖は地下茎と実の両方で行われ、大きく成長したものはかなりの力でないと抜けない。腰を低く落とし、茎の地面に近い部分を両手で引っ張る必要があるそうだ。
わざわざ準備してくださった実物を見ると、なるほど手強そうな根がついているわい。
この後、自然保護員の黄色い腕章を貸与された。平尾台は国定公園の一部なので、許可なく草花を抜けないためだとか。
セイタカアワダチソウの手強さに辟易
ウォーミングアップを兼ね、自然観察センターから不動山を経て貝殻山まで1時間程度を歩く。10月とは言えまだまだ日差しは強く、予想最高気温も30度近い予報が出ていた。
貝殻山から天狗岩にいたるトラバース道の両側が、本日のセイタカアワダチソウ駆除区間。そこここに黄色い花をつけた群生が、ススキを凌駕するかのごとく広がっている。
女性陣は山側、男性は下り斜面側の除草にとりかかる。成長したアワダチソウはしっかり根を張っているため、なかなか抜けない。実にしぶとく手強い。腰を落とし、両手両足で踏ん張る必要がある。
苦労して抜いた大物は、思わず見せびらかしたくもなろうというもの。
引き抜き引き抜きしているうちに、腰が痛み、握力が弱まってくる。照りつける陽光で体温が上がり、汗もしたたり落ちる。これはなかなかの作業量だと実感。
約2時間、おおむね天狗岩下近くまでの散策路の駆除を終え、本日の作業終了となる。
天狗岩の涼風に吹かれてランチ
時計の針も正午近くをさしており、天狗岩(436m)で秋風に吹かれ展望ランチとしゃれ込むことにする。
次の写真は、天狗岩の前でたたずむ入会希望者のTさん。本日は体験山行中。平尾台のこのコースは初めてだとか。「見晴らしがきいて、いい場所ですね」と気に入ったご様子。
天狗岩からの広々とした展望を楽しみつつ弁当を広げ、秋風に吹かれてまったり‥‥。いい気分である。これから先は、気持ちのよい稜線歩きが待っている。
ミニ稜線歩きを楽しむ
天狗岩から桶ヶ辻(569m)、周防台(610m)へと続く東尾根の稜線歩きは、平尾台を歩く醍醐味の一つと言えよう。一度稜線に上がってしまえば、胸のすくような展望が広がり、どこまでも歩いていけそうな縦走路が続いている。実際、中峠から四方台に登り返し、貫山を踏み、そこから四方台、太平山に至る散策道は、一日がかりのハイキングさえも可能なほどだ。
紅白の吹き流しがはためく桶ヶ辻着が13時4分。ここは「パラグライダーの聖地」らしく、風向きの良い日にはいくつものパラグライダーが宙を舞っている。
さわやかな秋風の心地よさに、いつのまにか全員腰を下ろしてしまう。雲ひとつない秋空の下、豊かな自然を味わいつくす。幸せである。
「そろそろ出発します」というリーダーの声で腰を上げ、稜線を一列になってのんびりと歩く。風にゆれるすすきを左ほほに感じながら、どこまでも歩けそうな散策路を進む。
「この風景、何となく絵になるよねぇ」と若手のUさんに声をかけ、前を進むメンバーをパチリ。周囲のセイタカアワダチソウの群生が気になるが、今日はもう勘弁しといてやろう。
たっぷりと稜線歩きを楽しみ、中峠から茶ヶ床園地を経て、自然観察センターへ帰り着いたのが15時53分。休憩を含め、6時間余りのボランティア山行であった。
自然観察センターでいただいたキンキンに冷えた緑茶、まことに美味であった。
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