山行記録

貫山、下貫登山口から信仰の道を登る

投稿日:2021年12月22日 更新日:

貫山

登り終えた貫山を背に、談笑しながら歩くメンバー

 北九州市小倉南区の貫山(711.7m)、北側または東側から見る秀麗な姿から「企救富士(きくふじ)」と呼ばれる。
 何度も訪れたことがあるが、上貫集落から登る北側ルートは歩いたことがない。いつかは歩いてみたいと思っていたら、所属するアタック山の会から臨時山行のメールが届いた。 

※ 本稿は2021年12月19日の山行記録を、12月22日にアップしたものです。

コースと活動概要

◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの(赤丸部は貫山登山口を示す)。貫山

0905 文化記念公園 ~ 0933-0940 荘八幡神社(参拝) ~(住宅地を適当に歩く)~ 1005 上貫バス停 ~ 1031-1040 貫権現芝津神社(下宮) ~ 1043 貫権現参拝道鳥居 ~ 林道上貫線母 ~ 新道貫山線 ~ 1110 貫山登山口 ~ 1212 貫権現芝津神社「ほこら」(上宮)~ 1225-1255 貫山頂(711.7m)~ (新道)~ 1443 上貫バス停 ~ 1521 文化記念公園

※ 参加メンバー:7名(アタック山の会メンバー)

活動時間(含む休憩時間) 6時間17分
活動距離 13.0km
累積標高上り/下り 796m/795m
カロリー 3,375kcal

※ 登山口から離れた駐車場からスタートし、途中寄り道(荘八幡神社参拝)をしたため、活動時間は参考になりません。

 

写真中心の山行メモ

 このコースの難点は、(1) 登山口が遠く、(2) 駐車場がなく、(3) 登山口に最も近い停留所へのバスが日に数本のみ、という点。
 これだけ悪条件が揃えば、「登ろうか」という意欲が湧くはずがない。

貫山

文化記念公園から望む貫山

 午前9時に文化記念公園を出発。公園駐車場に車を置かせてもらい、ここから住宅街~上貫集落を経て、徒歩1時間余りの貫山芝津神社(ぬきさんしばつじんじゃ)の下宮まで歩こうという作戦。

 日曜の朝、静かな住宅街を歩くザック姿の我々は、かなり「浮いて」見える。

貫山

 途中「荘八幡神社」に立ち寄り、「鈴石(すずいわ)」なる奇岩を拝ませていただく。案内役のS氏によれば、アニメ「鬼滅の刃」と関係があるらしいが、小生にはよく分からない。

鈴石

 上貫バス停を過ぎると、やけに目を引くポスターが。マムシと猪と猿か、何やら恐ろしげな山に向かっているような気がしてくる。

貫山

 よく手入れされた棚田の辺りで、

貫山

 貫山を仰ぐ。
 「この辺りが撮影ポイントで、一番きれいです」とS氏。なるほど、まさに「企救富士」である。

貫山

 10時30分頃に貫山芝津神社の下宮に着。奈良時代から続く由緒ある社らしい。貫山は別名「芝津山」とも呼ばれ、日本書記にも記載されているとか(原典で確認はしていない)。

 H会長が神妙な面持ちで参拝されていた。

貫山

 下宮から少し上に「貫山権現参拝道」と彫られた石碑が設置され、その横の鳥居をくぐる。
 どうやら上宮への参拝道が、そのまま登山道になっているようだ。古くからの「信仰の道」が登山道のルーツのようだ。

貫山

 鳥居の近くにはタヌキの置物が数体。K氏によれば、ずいぶん昔からここに置かれているのだとか。
 神社に関係があるとは思えないのだが、妙に気になる。

貫山

 鳥居を過ぎた辺りから道は山道となり、斜度も増してくる。

貫山 11時10分、林道貫山線に出合い、右をとるとすぐに「貫山登山道入口」標識が見えてくる。

貫山

 どうやら標高350mに位置するここから、本格的な貫山登山が始まるようだ。
 出発してから登山口まで2時間以上(!)かかったことになる。

貫山 山行軌跡図の赤丸部分にやっとこさ到着したわけだ。
 ここから山頂までの標高差は約370m。詰まった等高線が山頂までの手強い登りを物語っている。

貫山

 水を一口飲み、呼吸を整え登路に取り付く。まずは、杉木立の中を登る。

貫山

 次は、広葉樹の自然林の中をひたすら登る。

貫山

 誰も口を開かない。黙々と足を上げ、歩をかせいでいく。
 景観を一望できるポイントは皆無、歩を進めるごとに少しずつ空が広がるのだけが楽しみだ。
 冬だというのに、帽子のつばから汗がしたたる。

貫山

 高度を上げるにつれ、落葉を覆う雪も目立つようになる。

貫山

 登山口から約1時間、上宮へと続く最後の石段を登る。もう一頑張りのようだ。

貫山

 12時12分、貫権現芝津神社の上宮に到着。祠の中はご神体として石が祀られているとか。
 お供え物のお神酒から判断するに、定期的に参拝される方がいるようだ。

貫山

 上宮から約5~6分ほど緩やかに登り、最後に背丈ほどの茅を分けて進むと、

貫山

 一気に視界が開け、おなじみの貫山頂に到着!

貫山

 曇天のため、見晴らしはあまりよくない。それでも展望の利かない登山道を登り続けた身には、この開放感と眺望は格別であった。

貫山

 山頂標識の温度計は3度、強風のため体感温度は零度以下だろう。寒くてたまらない。
 山頂の東側斜面に腰を降ろして風を避け、防寒着を着込んで昼食。熱い豚汁が体に染みわたる。

 帰路は、往路をほぼたどって下山。寒さのため、防寒着を着込んだまま下山する。
 下りは「500m」私標までは「新道」を利用した。

貫山

 山頂から下ること約2時間。上貫バス停を過ぎ、のんびり談笑しながら歩くメンバー。文化記念公園までの長い歩きさえも楽しむ貪欲さに脱帽!

貫山

 かねてから気になっていた未踏コースを歩けたことに感謝。
 案内してくれたS氏にも感謝である。

 よろしければ他の山行記事もどうぞ。50歳から山歩きを始めたシニアの山歩きレポートです。お役に立つ情報があれば幸いです。

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