今日は2022年11月20日(日)。紅葉シーズンの日曜日とあって、嵐山や東山地区など京都の紅葉名所は大混雑が予想される。おまけに京都市内のあちこちで交通が規制されるとか。よって本日は市内の喧噪を避け、郊外の山科を訪れる計画だ。
◆前回の記事はこちら >奈良&京都見聞録(14) わが家の車中泊ツールとセッティング例
※ 本稿は2022年11月20日の記録を、12月14日にアップしたものです。
新名神高速道路を快適に走る
午前5時過ぎに吉備SAを出発し、山陽自動車道を快適に走行する。吉備SAで購入した出来たてのサンドイッチ(安くてうまい!)と野菜ジュースが本日の朝食。
今日は2018年3月に全通した新名神高速道路・神戸JCT~高槻JCT間を走ることにした。ルートは次の画像のとおり。
2018年3月に開通した新名神高速道(画像出典:YAHOO! JAPAN)
孫引きで恐縮なのだがYahoo! JAPANでは、新名神高速開通について次のように紹介されている。
NEXCO西日本によると、この開通により神戸JCT~高槻JCT間の所要時間は、全国有数の渋滞箇所である中国自動車道 宝塚TN(トンネル)を含めた名神高速・中国道ルートの約36分が、新名神高速の利用で約26分と約10分(休日朝夕時間帯の場合。通常時は約6分。最大は約54分)短縮できるとしている。
神戸JCTから新名神高速の方角へハンドルを切る。日曜日の早朝ということもあって走行車両も少なく、舗装状態も良好。朝から快適なドライブを楽しむことができた。
高槻JCTから名神高速へ流入し、京都東ICで流出。一般道を走り、JR山科駅近くのコインパーキングに着いたのが午前8時10分。今日はここにマイカーを駐め、徒歩と地下鉄で毘沙門堂(午前)と醍醐寺(午後)の紅葉を楽しむつもり。カミさんがネットで探してくれた格安駐車場(24時間700円)にも駐車でき、出だしは順調だ。
毘沙門堂の「敷き紅葉」
毘沙門堂(正式名称は「毘沙門堂門跡」)を訪れたいと思ったのは、この写真を見たのがきっかけ。
画像出典:そうだ京都、行こう
勅使門に至る参道の「敷き紅葉」の景。何ともぜいたくな紅葉の絨毯ではないか。言葉も出ないほどの美しさに圧倒されてしまう。これは一度訪れてみなくてはと、メモしておいたのだ。
山科駅から北方の山ろくに向かい、15分ほど歩いたところが毘沙門堂。人通りの少ない静かな住宅地を抜け、緩やかな坂をまっすぐ上っていく。
観光客の姿が少しずつ増え、カメラを構える姿が目立つようになると参道に行き当たる。
「毘沙門堂門跡(びしゃもんどうもんぜき)」と刻まれた石柱が参道の始まり。
「門跡(寺院)」とは、皇族・公家が住職を務める特定の寺だったと記憶する。「寺格が高く、皇室から特別の礼遇と特権を与えられた」寺院だそうだ。
山寺のさわやかな空気と静寂に包まれ、ゆっくりと参道を進んでいく。散り落ちた葉々に目をとめて立ち止まり、
色づいた紅葉と青もみじのグラデーションに見入ってしまう。これで背景に青空が広がっていれば、さぞかし見事だったろう。
振り返ると、色づき始めた紅葉がそこ此処に‥‥。晩秋の古刹(こさつ)を歩き、豊かな自然に心が癒やされていく。
「来てよかったよな」とカミさんと言葉を交わし、歩を進める。
最後に急な石段を上り詰めると、仁王門の大提灯が出迎えてくれる。
仁王門をくぐると、本尊の毘沙門天が祀られている本殿が目の前に。
長い歴史を重ねた寺院と聞いていたので古めかしい建物を予想していたが、門や本殿の華やかな彩色と装飾が意外だった。
由来をたずねてみると、「徳川家の寄進で建てられたもので、日光東照宮の建築様式を受け継いでいます」とのこと。
象の装飾のある寺は初めてだ。
門跡寺らしく皇室の菊のご紋まで飾られている。
建物の中は撮影禁止なので、狩野派が描いた「天井龍」図や動く(?)襖画、円山応挙筆とされる鯉の杉板戸などは、公式サイトやガイドブックをご覧いただきたい。
さて、境内の紅葉を楽しむとしようか。
京の隠れた紅葉名所に挙げられるだけあり、あちこちで色づき始めた紅葉の饗宴が楽しめる。ピークは1週間後くらいだろうか。
本殿の朱色にもみじの橙が彩りを添え、黄金色の風鐸(ふうたく)が華やかに揺れる。ぜいたくな光景だ。
華やかな景を見た後は、足元のこんな寂(さ)びた状景にホッとさせられる(笑)。
さて、肝心の「敷き紅葉」を見にいくとしよう。勅使門前の石段に着くと、さすがに多くの観光客がカメラを構えている。敷き紅葉のピークにはまだ少し早いようで、石段上の落葉も寂しい限りだ。
順番を待って何とか撮影してみたが、コンパクトデジカメではこんなものか。
深紅の絨毯を敷き詰めたような参道を見ることは出来なかったが、これも運。静かにゆっくり錦繍の美を味わえただけで有り難いと言い聞かせ、毘沙門堂を後にした。
※ この記事の続きはこちら >奈良&京都見聞録(16) 醍醐寺、広大な寺域と歴史の重さに圧倒される
※ これまでの「旅」関連記事はこちら >
[…] ※ この記事の続きはこちら >奈良&京都見聞録(15) 毘沙門堂、市内の喧噪を避け郊外の山科へ ※ これまでの「旅」関連記事はこちら > […]
[…] ◆前回の記事はこちら >奈良&京都見聞録(15) 毘沙門堂、市内の喧噪を避け郊外の山科へ […]