分度器を思い出してみてください。0度からほんのわずかなところに、1度の目盛りが打ってあります。0度と1度の差は、とても小さな違いでしかありません。
ノートに10cmの水平線を引いたとき、角度1度の斜線の高さはわずか1.7mmです。これを1m先まで伸ばすと、1.7cmになります。計算方法は、高校数学の「三角関数」という単元で学習します。
わずか1度でも100m先まで伸ばすと1.7m、人間の身長ほどになります。1km先までいけば17m、5階建てのビル以上の高さです。
最初はほとんど分からないくらいの小さな違いが、線を引き続けていくうちに大きな違いとなっていくことが分かります。
私たちの人生も同様で、目立たないほんのわずかな努力を続けることが、長い年月を経ると大きな違いとなって表れます。ゼロはどこまで行ってもゼロ。何もしなければ、何の進歩も発展もありません。
プロ野球で通算4257安打という世界記録を成し遂げたイチロー選手は、「小さいことを積み重ねることが、とんでもない所に辿り着く ただひとつの道」と語っています。
電球のフィラメント開発までに約1万回の失敗を重ねたエジソンは、「うまくいかない方法を1万通り発見した」と語り、さらに実験を続けたそうです。
誰にでもできる小さなことを、誰にもできないくらいやり続けることが、成功の秘訣なのかもしれません。
あなたなら、どんな一歩を踏み出してみようと思いますか。
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