山行記録

くじゅうの冬、霧氷と凍結した御池を味わう

投稿日:2019年1月18日 更新日:

くじゅう 凍結した御池

凍結した御池で遊ぶ登山者たち

※ 本稿は2019年1月13日の山行記録を、1月18日にアップしたものです。

 厳冬期くじゅう山行の二日目は、雪と霧氷、凍結した御池の氷渡りを楽しもうと、牧ノ戸峠~御池(往復)という定番コースを歩くことにした。

 

目次

コース及び活動概要

 ※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。

牧ノ戸峠登山口~沓掛山~久住分かれ~御池<往復>

活動時間(含む休憩時間) 5時間3分
活動距離 9.87km
高低差 397m
累積標高上り/下り 758m/760m
カロリー 2,561kcal

 

ガスの中、雪と霧氷を求めて歩く

 牧ノ戸峠登山口発が9時前。雪山に来たはずなのに、周囲に雪は全く見えない。1月の牧ノ戸峠(1333m)で、こんな光景を見た記憶はあまりない。ご覧のように沓掛山への登路も、とても冬とは思えない景観である。

くじゅう 牧ノ戸峠
 沓掛山をめざし、ゆっくりと高度を上げていくと、ガスが発生してきた。周囲の眺望が閉ざされ、真っ白に覆いつくされてしまう。昨日に続きガスの中を歩くのかと思うと、少々気が重い。

くじゅう 牧ノ戸峠

 「こんなの初めて見たよ!」という元気な声に振り向く。親子で登ってきた5~6歳くらいの男の子である。どうやら初めてガスが立ちこめる風景を見た驚きが、思わず声に出たようだ。小生にとって気が重くなる光景でも、この子には初めての感動的な体験になるわけだ。

くじゅう

 私たちは、雨が降ると、「今日はお天気が悪いわ」などと言う。けれど、本当は「悪い天気」なんて存在しない。
 雨の日をこんなふうに味わえるなら、どんな日も「いい日」になるのだ。毎日がいい日に‥‥。

(『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』森下典子、新潮社)

 先日読み終えた本の一節が浮かんできた。「人間はどんな日だって楽しむことができる」と書いてあったなぁ‥‥。五感を使ってあるがままをの自然を楽しむのが山歩きなのだと、小さな子どもに教えられたようだ。

 出発から約1時間、扇ヶ鼻分岐の辺りから、周囲の木々の霧氷が目につき始める。枝を見上げながら、カメラを向ける。おきまりの霧氷のトンネルもくぐる。冬のくじゅうはこうでなくちゃぁ。

 雪はなかったが、それも一興。当日の霧氷のスナップをご覧いただきたい。

くじゅう 霧氷

くじゅう 霧氷

くじゅう 霧氷

くじゅう 霧氷

 西千里浜、星生崎、久住分かれとガスの中を進んでいく。

くじゅう

 

凍結した御池の氷渡り

 標高約1700mの御池に着くと池は凍結しており、霧で視界は利かないが、氷上を歩いている人もちらほら‥‥。

くじゅう 御池

 岩に氷結した氷を割り、手に取ってみるとかなりの厚さだ。

くじゅう 御池

 池に立ち周囲を見回すと、氷の世界が広がっている。

くじゅう 御池

 風が強まってきたので、早目に池ノ小屋で昼食としよう。石組みの小屋内はほぼ満員だったが、親切なご夫婦が腰をおろすスペ-スを空けてくださる。テルモスのお湯でオニオン・スープを作り、眼鏡を曇らせながら、味わう。温かいスープを飲むと生き返るようである。

くじゅう 池ノ小屋

 昼食を終え、再び御池の近くまで近づいていくと、「見て見て、すご~い!」という女性たちの歓声が。池を覆っていたガスが一気に晴れ、池が全容を現したのだ。白一色の湖面に登山者のカラーウェアがよく映える。

くじゅう 御池
 急いで池に戻ると、童心に返って戯れる登山者たちの声があちこちから聞こえてくる。

くじゅう 御池

 ひとしきり御池で楽しんだ後は、往路をもどるのみ。霧氷で白く染まった景観を楽しみながら、のんびりと歩いていく。

くじゅう 霧氷

 星生崎を見上げると、岩峰がモノトーンの世界にぼんやり浮かんで見える。

くじゅう ガスに覆われた星生崎

 怖いほどに澄んだ蒼穹と純白の雪原は、次回の楽しみとしておこう。

くじゅう 星生崎

2011年1月22日、くじゅう星生崎

 牧ノ戸登山口着が14時前。下山後の温泉は筋湯温泉。今日は「打たせ湯」の混雑を避け、「岩ん湯」へ。誰もいない露天風呂を独り占めし、少し熱めのお湯で汗を流した。
 筋湯温泉 岩ん湯

 今日も楽しい山歩きができた。「日日是好日」、有り難い。有り難い。

 

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