※ 本稿は2019年6月9日の山行記録を、6月17 日にアップしたものです。
平治岳の北尾根ルートについては、1年前に「おすすめしない」と本ブログで紹介した。理由は高さ10m近い崖にかけられたハシゴが、とても安全とは言えない代物だったから。
※ 当時の記事はこちら >平治岳 …五月晴れの日曜日、ミヤマキリシマの開花を偵察に……
ところが今回の山行前日、「花山酔」の露天風呂で「つい最近、新しいアルミハシゴが設置されたらしい。」との情報を耳にした。これはミヤマキリシマ観賞のついでに、ぜひアルミハシゴを確認しに行こうと話がまとまった次第。
今回は、その山行レポートである。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
06:38 吉部~(鳴子川右岸登山道)~ 07:27 大船林道出合~ 07:34 大船山4号集材路~ 07:46 北尾根取付~ 09:01 平治岳北峰 (1,643m)~ 09:50 平治岳南峰~ 10:10 大戸越~ 11:15-11:32 坊がつる~(鳴子川左岸登山道)~ 12:23 暮雨の滝~ 13:14 吉部
参加メンバー:2人(B氏、がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 6時間35分 |
活動距離 | 12.4km |
高低差 | 730m |
累積標高 上り/下り | 1,325m/1,306m |
消費カロリー | 3.341kcal |
吉部から平治岳北尾根ルートを登る
平治岳の北尾根ルートは、これまで下りで数度利用したことはあるが、登路として使ったことはない。今回はアルミハシゴの確認も兼ねて、初めて登りで利用することになる。
吉部着が6時過ぎ。こんなに早い時間なのに、既に駐車場は半分近く車で埋まっている。簡単な朝食後、正規登山口を通り過ぎて橋を渡り、大船林道を少し進むと鳴子川右岸に沿って坊がつるへと向かう登山道が右側に見える。
しばらくは、自然林の中の緩やかな勾配をゆっくりと進む、気持ちのよい道だ。
約50分ほどで大船林道に出合って右折。6~7分進むと左に「大船山4号集材路」の標識が立っている。ここから左折し、この集材路を進んでいく。
この集材路はひそかないやしスポットだ。両側には美しい自然林、一面に苔に覆われた道は、踏むのがためらわれるほどだ。
「ここ、いい所ですねぇ。」「いやされるなぁ。」などと話しながら、何度もカメラをかまえる。肺の中まで緑に染まるような、さわやかな空気を胸いっぱいに吸い込む。
やがて、突き当たりに通行止めの標識と「平治岳北登山口」の道標が見える。今日はアルミハシゴの確認もあり、自己責任ということで先へ進む。
朝の木洩れ日が差し込み、幻想的な風景が眼前に広がる。いいねぇ。こんな光景を眺めながら歩けるなんて、実に幸せだ。
さて、問題の崖に近づいていくと、おぅ!、確かにアルミハシゴが設置されているではないか。以前の木製ハシゴを上から覆うような形で取り付けられ、ロープで固定されている。
ここまでハシゴを運ぶだけでも、大変なご苦労だったことだろう。設置してくださった方々に心から感謝である。これで、北尾根ルートを安心して楽しめるというもの。
長いハシゴを越えると、もう一つ小さなハシゴが設置されている。こちらも問題なくクリア。
二つのハシゴを越えて安心したのもつかの間、その後は急登が待ち構えている。この日は雨上がりのぬかるみに足をとられ、靴が滑る、滑る。手がかりは細いロープのみで、支えになりそうな枝や岩などはほとんどない。
雨の後は、十分に注意する必要がある。
ここで北尾根ルートのポイントを整理すると、次のようになる。
A地点:大船山4号集材路入口
B地点:平治岳北登山口(北尾根ルート取付)
C地点:アルミハシゴが設置された崖
この北尾根ルート、ほとんど人に出会うことはない。美しい緑の中で静かな山歩きが楽しめるのは有り難いが、不満な点が一つだけある。それは樹林帯の中をひたすら登り続けるため、展望がほとんどないこと。
唯一展望が楽しめる平治岳の肩は、ガスに覆われ、平治岳の雄姿もほとんど見ることができない。
平治岳の肩から低灌木帯の急斜面を山頂に向け、標高差約250mをほぼ直登のように登っていく。ここの登りは、結構しんどかった‥‥。
突然視界が開けると、そこは人がごった返す平治岳北峰の山頂だった。これまでほとんど人影を目にしていないので、いきなりの登山者の歓声がちとうるさく感じるほどだ。混雑と喧噪を避けるために北尾根ルートを選択したのは、正解だったと納得。
山頂から周囲をながめると、人、人、人‥‥。肝心のミヤマキリシマは、あまりぱっとしない。
「昨日までの雨風が強かったから、花が落ちてしまったんでしょうねぇ」と隣のご婦人、ご自分に言い聞かせるようにおっしゃる。
まぁ、こんな時もありますよねぇ。あるがままの山をそのまま楽しみましょう。それでも、見とれてしまうほどの花満載の株もある。
ガスの中の平治岳北峰、こんな光景も楽しめたので、よしとしよう。
南峰の山頂にたたずむ登山者たちを望遠でパチリ。皆スマホやってるのかなぁ。何となく違和感を覚えるシーンだった。
坊がつるを経由して吉部登山口まで
同じコースでの下山はできるだけ避けたいので、大戸越(うとんごし)経由で坊がつるまで下り、鳴子側左岸をたどるコースで帰ることにした。
天気が回復し、北大船山方面のミヤマキリシマが満開なら、大船山まで足を伸ばすつもりだったのだが‥‥。
大戸越へと下っていくと、こちらも人だらけ! 坊がつるまでの下山路は、まだまだ次々と登山者が登ってくる。「こんにちは」攻撃(?)がちと辛い。
坊がつるまでの下山道は、こんな泥だらけの道ばかりでかなり気が滅入る。
坊がつる野営場着が11時15分頃、ゆったりくつろぐ人たちも多く、何となくホッとした気分になってくる。
吉部登山口直前の急坂、ここも昨日の雨で足場が悪く、結構気を使わねばならない。
本日の温泉は、少し足をのばして千年以上の歴史を誇る「筋湯温泉」へ。共同浴場のうたせ湯に打たれ、肩や腰をほぐす。広い浴場は、我々を含めて5~6名でほぼ独占状態であった。
出典:大分県観光情報公式サイト
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