くじゅう連山三俣山(みまたやま・1,745m)に咲くリンドウを見たくなった。坊がつるから三俣山南峰への直登ルート、この急登を未だ下っていないことにも気づいた。このルート、登りで2回歩いたことはあるが、下りに使ったことはない。
秋の花を楽しみながら、南峰直登ルートを下ってみることにした。
※ 南峰直登ルート、登りの記録はこちら >坊がつるでテント泊‥‥酷暑の中、三俣山南峰直登ルートに挑む (2)
※ 本稿は2019年9月14日の山行記録を、9月19 日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
08:11 長者原~ 09:50-10:02 スガモリ越~10:23-10:38 三俣山西峰~10:51-11:07 Ⅳ峰~11:06-12:14 南峰~13:25 坊がつる~14:03雨ヶ池~15:24 長者原
参加メンバー:4人(B氏、N氏、S氏、がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 7時間13分 |
活動距離 | 11.4km |
高低差 | 732m |
累積標高 上り/下り | 1,295m/1,274m |
消費カロリー | 3,647kcal |
長者原から三俣山南峰へ
9月14日(土)、三連休の初日である。天気は全国的に晴れ、わくわくしながら長者原に着いたのが8時頃。三俣山を見上げると‥‥、山頂一帯に厚いガスが立ちこめている。
まぁ、そのうち晴れることだろうと、すっかり秋の気配が漂う登山道をのんびり歩き始める。
しかし、スガモリ越が近づくにつれ、周囲はガスに包まれ視界は悪くなるばかり。晴天なら広々とした飯田高原を背に、左に三俣山、正面に硫黄山の展望が楽しめるはずなのだが‥‥。
スガモリ越もこの通り、三俣山の山容さえ定かではない。「日頃の行いがよほど悪いヤツがいるんだろうなぁ。」と毒づきたくもなるが、止めておく。
あるがままの自然を受け入れるのが山歩き。霧に包まれた登りもまた一興、山頂台地に咲く花を楽しみに、西峰をめざすとしよう。
西峰山頂では、リンドウの花が出迎えてくれた。陽光を受けていないので、開花した花は少なかったが、心いやされるひとときだ。
アキノキリンソウも霧のしずくを身にまとい、鮮やかな色を見せてくれる。
何てきれいなんだろう。そこにもここにも、雫をまとった花が霧中にたたずんでいる。
西峰山頂で花の撮影に夢中になっているうちに、霧で方向を見失ってしまう。いつもは風景を頼りに南峰をめざしていたのだが、今日はそれはかなわない。
地図とコンパスを取り出すのも面倒なので、スマホのGPSソフトで現在地を確認。すぐにⅣ峰~南峰へ向かうルートを発見。便利な時代になったものだ。
南峰着が11時6分、長者原から3時間近くの歩きで、腹ぺこである。S氏恒例の焼きソーセージに舌鼓を打ち、のんびりランチを楽しむことにした。
南峰直登ルートのえげつない下り
さて、南峰から坊がつるまでの直下降ルートである。昼食中に南峰直登ルートを登ってきた登山者2名と遭遇。これから下ることを伝えると、「かなり滑りますよ。気をつけてください!」とのアドバイス。
次の地図をご覧いただくと、南峰から坊がつるまで標高差500m余りを真っ直ぐに下降するルートがお分かりと思う。
(出典:「山旅クラブ」収録登山地図「_広域_九重_山系」)
下り始めると、「坊がつるへ1H10分(若者)」と記されたサインを発見。若者で1時間10分なら、前期高齢者の小生はどれくらいかかるのだろうと、少しばかり不安になる。
岩場あり、ロープあり、滑る足場ありの「えげつない」下りがこれでもかと続く。両手両足をフルに使わないと歩けない厳しい道だ。
下りの写真はあまりない。両手で枝や岩やロープ等を常に確保しないと危険なので、カメラを取り出す余裕がないのだ。たまたま見つけたビューポイントに立つと、霧が晴れ始め、坊がつる湿原が姿を見せ始める。テントも10張りほど目に入る。なかなかの高度感だ。
気が抜けない下山に神経を使うこと1時間余り、気づけば坊がつるの掲示板が目に入ってきた。先行した3人がゆっくり休憩中である。
振り返ると、取付点と三俣山南峰が青空に浮かんでいる。あの山頂からほぼまっすぐ降りてきたのかと、少しばかり感慨にふける。山頂からの下山タイムは1時間11分。もう少しで「若者」の仲間に入れてもらえたのだが……。先行する3人が1時間10分を切っていたのは、言うまでもない。
坊がつるまでの下りでエネルギーを使い果たした小生、長者原までの雨ヶ池越えはへろへろ歩きであった。大腿二頭筋(太ももの裏側)が震える体験は久しぶり。トレーニング不足を痛感した次第。
雨ヶ池越では、咲き残っていたマツムシソウから元気をもらう。
長者原へもどる復路では、多くの登山者と行き違った。かなりの方々がテント泊装備である。今夜の坊がつるは、相当な数のテントが林立することだろう。
クタクタ、へろへろ状態で辿り着いたタデ原湿原、オニユリが一輪だけ咲いていた。「お疲れ様」とばかりに迎えてくれた姿が、疲れた心身をいやしてくれる。
下山後は「花山酔」で入浴し、帰路につく。B氏はこれから阿蘇方面に向かい、道の駅「あそ望の郷(あそぼうのさと)くぎの」で車中泊とのこと。
霧に悩まされながらも、秋の花々を愛で、三俣山南峰直登ルートを初めて下り、最後は秋晴れの三俣山までも眺めることができた。楽しかった一日に感謝!
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