6月3日(日)
※ 本稿は2018年6月4日に書いた記事を、6月20日にアップしたものです。
目次
本日のお題
本日6月3日は、くじゅうの山開きにあたる。北大船山のミヤマキリシマを見たいのだが、今年の山開き行事は大船山で開催されると聞き、予定変更。あの人の多さと喧噪には、うんざりである。
このところグループ山行が続いたので、今日はのんびり由布岳で一人山行を楽しむことにした。
本日のお題は次の2つ
1 夏山遠征に備え、岩場歩きに慣れる。
2 誰にも気兼ねせず、一人でのんびり山歩きを楽しむ。
◆コース
正面登山口~合野越~マタエ~西峰~(お鉢巡り)~東峰~マタエ~正面登山口
万緑の登山道と山頂付近のピンクの絨毯
午前8時、東登山口の路肩部分はすでに車でいっぱいである。当初は東登山口から入山する予定だったが、やむなし。正面登山口に車を走らせる。正面登山口も無料駐車できるところは見つからず、有料駐車場へ車を乗り入れる。
正面登山道から遠望する由布岳は緑が一段と濃くなり、初夏の陽光がまぶしい。ゆっくり樹林帯まで歩を進め、森林浴気分で歩き始める。
万緑に染まる登山道をのんびり歩く。木漏れ日が美しい。肺の奥まで緑が染みいるような清々しさである。小鳥の声以外は何も聞こえない。一人歩きの気楽さは捨てがたい。
このところスロージョギングと自重トレを続けているせいか、身体が軽いのが分かる。息切れもほとんどなく、足が自然に前に出る感じである。ぽつりぽつりと目に映りはじめたミヤマキリシマに目をとめ、周囲の展望を楽しみながら「自分の呼吸で」登っていく。
西峰北斜面のピンクの絨毯
マタエに到着すると、山頂付近のミヤマキリシマはピークのようだ。
西峰に至る岩場「障子戸」と呼ばれる絶壁のトラバースを見上げると、先行する登山者が1名……。以前は馬の背を経由して障子戸に取り付いていたように記憶するが、今は左に巻き道が作られている。
鎖場を登り、障子戸をトラバースし、西峰山頂にたどり着く。もちろんマイペースでゆっくりである。「ビスターリ、ビスターリ(ゆっくり、ゆっくり)」と自分に言い聞かせる。
<画像出典:紅葉の由布岳お鉢巡り/ブログ「イチブン山水記 TTI48」>
※ 登山者が障子戸を通過する写真が撮れなかったため、著作権法に基づき、他ブログ掲載写真を引用させていただきました。
西峰から眺める北側斜面のミヤマキリシマは、まさに圧巻。ピンクの絨毯という月並みな言葉がぴったりである。コーヒーを入れ行動食を食べながら、しばし展望を味わい、お鉢巡りに移る。
剣ヶ峰のナイフエッジ
「ナイフエッジ」とは、ナイフの刃のように両側が切れ落ちた尾根のことである。由布岳のお鉢巡りコースには、マタエと対峙する最低部に「剣ヶ峰」と呼ばれるナイフエッジがある。
この剣ヶ峰には、鎖などない。両側がすとんと切れ落ちた岩尾根となっているため、足を滑らせればただではすまない。スリル満点の場所である。
由布岳のお鉢巡りの本来のルートは、このナイフエッジの上を進むもので、岩場を避けた巻き道は、後から植生を踏み荒らしてできたものらしい。
<画像出典:紅葉の由布岳お鉢巡り/ブログ「イチブン山水記 TTI48」>
※ 登山者が剣ヶ峰を通過する写真が撮れなかったため、著作権法に基づき、他ブログ掲載写真を引用させていただきました。
今回は体調もよく、後方に小生以外の登山者はいなかったので、岩の上を進むことにした(ほんの少しでも不安感や恐怖心が生じた場合は、安全な巻き道を選ぶようにしている)。ここを自分の間合いで、どれだけ落ち着いて乗り越えられるかが、夏山への仕上がり具合を計るバロメーターとなる。
スリル満点のナイフエッジを無事に乗り切り、東峰に至る急登を両手両足フル動員で、息を切らしながら登る。したたる汗をぬぐいつつ、東峰を見上げるとここにもミヤマキリシマが……。
東峰で達成感に浸りながら昼食をとる予定だったが、着いてみると、人、人、人……。腰を下ろす場所もなかなか見つからず、やむなくマタエまで下る。マタエでも、続々と登山者が登ってくる。仕方なく合野越まで下り、ここでやっと昼食にありつく。
帰りの温泉は、安心院(あじむ)の家族旅行村。ぬるめのお湯にどっぷり漬かり、一人山行の余韻に浸る。
帰宅後は、心地よい疲労と満足感で焼酎の杯が進み、爆睡したのは言うまでもない。
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