山行記録

猫ノ丸尾、山深い「峰入り古道」に響くホラ貝

投稿日:2021年11月3日 更新日:

鹿ノ角

籠水峠から見上げる鹿ノ角(1071m)の大岩峰

 今日は所属する「アタック山の会」の臨時山行日。行き先は英彦山系の「猫ノ丸尾(1044m)」という奇妙な名前の山。
 PCの山行記録をたどると、2010年2月に岳滅鬼山(がくめきさん)から猫ノ丸尾まで縦走しているのだが、よく覚えていない。

※ 本稿は2021年10月31日の山行記録を、11月3日にアップしたものです。

コースと活動概要

◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの(クリックすると拡大されます)。

0845 英彦山大権現登山者駐車場 ~ 0855 登山口 ~ 0903 玉屋神社参道入口 ~ 0933 玉屋神社 ~ 1109 鬼杉 ~ 1131 裏英彦山ルート入口 ~ 1212-1250 籠水峠 ~ 1321 猫の丸尾(1,044m)~ 最低鞍部 ~ 大南林道 ~ 鬼杉口 ~ 1519-1530 英彦山大権現 ~ 1537 駐車場

※ 参加メンバー:12名(アタック山の会)

活動時間(含む休憩時間) 6時間37分
活動距離 8.4km
累積標高上り/下り 825m/768m
カロリー 3,208kcal

※ ゆっくり歩き、途中何度も休憩をとったため、活動時間は参考になりません。

 

写真中心の山行メモ

 この日は衆議院選挙の投票日だったが、山行に備え前日に不在者投票を済ませて参加。

 午前8時30分、英彦山大権現社の登山者用駐車場着。しゃくなげ荘から右に折れて続く道路がきれいに舗装され、登山者用駐車場まで整備されているのに驚いてしまった。
 見回すと周囲のモミジが色づき始めている。

猫ノ丸尾 英彦山系

 ストレッチを終え、舗装路を英彦山大権現社に向け歩き始める。

猫ノ丸尾 英彦山系

 5分ほど歩くと、参道の大鳥居が見えてくる。

猫ノ丸尾 英彦山系

 大鳥居の右手にある登山道入口。

猫ノ丸尾 英彦山系

 しばらく行くと道は二手に分かれる。左をとり、玉屋神社へいたる参道を進む。

猫ノ丸尾 英彦山系

 よく手入れされた杉林が続く緩やかな登り。樹間から差し込む朝日がまばゆい。

猫ノ丸尾 英彦山系

 午前9時30分、玉屋神社着。岩に埋もれたように建てられた社殿を目にするのも久しぶりだ。

玉屋神社

 ここから鬼杉まではアップダウンを繰り返しながら、南岳山ろくをトラバースしていく。荒れ沢を渡渉し、

猫ノ丸尾 英彦山系

 きつい登路を登り返し、

猫ノ丸尾 英彦山系  自然林の緑に癒やされ、歩を進めていく。

猫ノ丸尾 英彦山系

 10時43分、鬼杉手前の通称「鬼杉坂」着。万が一の用心のため(高齢者が多いのだ)、ヘルメットを装着。設置されたロープとは別に、持参したザイルを垂らして下る。
 ザイルを背負ってくれたTさん、お疲れ様。

猫ノ丸尾 英彦山系

 下る順番を待っていると、眼前に赤く染まり始めたカエデの葉が‥‥。

猫ノ丸尾 英彦山系

 鬼杉坂を下から見上げたところ、優に10m以上はありそうだ。 

猫ノ丸尾 英彦山系

 11時9分、鬼杉に到着。樹齢1200年以上(推定)、樹高38m、幹の周囲12.4mの巨木、威厳と風格に満ちた姿に圧倒される。

鬼杉

 「材木石」下部の道標が立つ四差路分岐から右をとり、虎ロープをくぐって裏英彦山ルートへ入る。

猫ノ丸尾 英彦山系

 ここから先は、山伏が歩く修行の道の一部。かつて「峰入り道」と呼ばれていた古道。毎年春になると、英彦山の山伏は岳滅鬼峠を越え、小石原を経て宝満山へと歩いたとか。

 正規の登山道ではないため、初心者の方はベテランの同行が必要だ。虎ロープに下げられた「難路 道迷い多し、初心者不向き」の表示はなくなっていた。

猫ノ丸尾 英彦山系

2019年12月撮影

 倒木や苔むした岩を乗り越え、足場の悪い岩ゴロの斜面を赤テープを頼りに籠水峠(こもりみずとうげ)を目指して進む。

猫ノ丸尾 英彦山系

 周囲は手つかずの原生林。我々以外の登山者には一人も会わなかった。

猫ノ丸尾 英彦山系

 12時14分、予定時間を30分過ぎて籠水峠に到着。鹿ノ角の南面大岩壁が圧倒的な迫力でそびえ立っている。
 予定を変更し、ここで昼食とする。それぞれ思い思いの場所に腰を降ろし、弁当を広げる。

猫ノ丸尾 英彦山系

 食後のコーヒーまで楽しむと、再び元気が湧いてきた。
 ここ籠水峠から猫ノ丸尾を経由し、最低鞍部にいたる縦走路は、自然林の中を歩く気持ちのよいルート。

 まずは急登を登り詰めると、広い尾根道が広がっている。

猫ノ丸尾 英彦山系

 こんな穏やかな風景が続く気持ちのよい縦走路である。

猫ノ丸尾 英彦山系

 深まりゆく秋を感じながら歩を進めていると、ホラ貝の音がかすかにこだましてくる。
 邪気を払うというホラ貝の音、余韻が消え去るまで聞き入ってしまう。「渋いなぁ」

猫ノ丸尾 英彦山系

 13時20分、猫ノ丸尾に到着。山頂には猫のイラストが描かれた私標が。猫ノ丸尾の山名の由来を尋ねたが、どなたも不明のようだ。

猫ノ丸尾 英彦山系

 山頂からは、岳滅鬼(がくめき)山へ続く稜線が見える。

猫ノ丸尾 英彦山系

 最低鞍部へ下る途中で見つけた紅葉。見事な彩りに誰もが足を止めてしまう。

猫ノ丸尾 英彦山系

 鮮やかな紅葉に遭遇できた喜び、小生も少しお裾分けにあずかるとしよう。

猫ノ丸尾 英彦山系

 最低鞍部から右をとり、大南林道へと下っていく。前を行く女性軍、話に花が咲いているようだ。

猫ノ丸尾 英彦山系

 大南林道に出合い、足にこたえる舗装道歩きが約40分。

猫ノ丸尾 英彦山系

 15時20分、英彦山大権現に到着。トイレ休憩も兼ね、庭園の色づき具合をチラ見してみた。次の週末あたりから本格的な紅葉が見られそうである。

猫ノ丸尾 英彦山系

 今日も楽しい一日を過ごすことができた。有り難い、有り難い。

 よろしければ他の山行記事もどうぞ。50歳から山歩きを始めたシニアの山歩きレポートです。お役に立つ情報があれば幸いです。

◆ 過去の山行レポートは、こちら カテゴリー「山行記録」関連記事へのリンク

-山行記録
-, , , ,

執筆者:

関連記事

犬ヶ岳のシャクナゲ

犬ヶ岳、新緑とシャクナゲの競演に酔う

 今回は忙しさの合間をぬって出かけた犬ヶ岳(1130m)のレポート。GWの頃の犬ヶ岳は、ブナやナラの新緑が見事なだけでなく、稜線には国指定天然記念物のツクシシャクナゲが淡紅色の花を咲かせ、実に楽しく歩けるお気に入りの山なのだ。

猪群山に干支登山、車をデポし周回コースを歩く

 所属している「アタック山の会」の1月定例山行は、恒例の干支(えと)登山。今年は亥年(いどし)なので、大分県豊後高田市の猪群山(いのむれやま・458m)に登った。

英彦山、ドクロ岩を訪ね白岳経由で周回

「英彦山のドクロ岩、行ったことありますか?」不意にSさんから尋ねられたが、そんな恐ろしい岩など知るはずもない。

三郡山 航空監視レーダー

三郡山、梅雨明け後の初山行へ

 2020年7月30日、福岡管区気象台から梅雨明け宣言が出された。長い長い梅雨がやっと明けたのだ。さっそく、三郡山(935.9m)へ出かけることにした。

貫山、下貫登山口から信仰の道を登る

 北九州市小倉南区の貫山、北側または東側から見る秀麗な姿から「企救富士(きくふじ)」と呼ばれる。何度も訪れたことがあるが、上貫集落から登る北側ルートは歩いたことがない。 


管理人の “がしん” です。
2018年3月にリタイヤしました。
このサイトは、シニアライフを楽しく生きるためのあれこれと、子や孫に語り伝えておきたい「人、もの、コト」の保管庫です。

もっと詳しいことが知りたい方は、こちらをどうぞ。

【好きなこと】旅行、山歩き、映画鑑賞、読書、酒…
【好きな言葉】「着眼大局、着手小局」
【家族】妻と二人暮らし。子2人、孫3人

  • 306846総閲覧数:
  • 3939月別閲覧数:
  • 214771総訪問者数:
  • 2803月別訪問者数:
  • 2019年1月24日カウント開始日:
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031