毎月第4日曜日は、所属している山の会の例会山行日である。今日(8月26日)歩くのは、古処山の奥ノ院ルート。小生はまだ足を踏み入れていないルートなので、興味津々というところである。
目次
本日のお題とコース
本日のお題は次の2つ
- 古処山奥ノ院ルート(未踏)を実際に歩き、その魅力を味わう。
- 防虫対策として、ハッカスプレー+「パワー森林香」(防虫線香)を試してみる。
◆コース
遊人(ゆうじん)の杜(もり)キャンプ場~古処山登山口三差路~奥ノ院~稜線出合い~古処山頂~遊人の杜分岐~遊人の杜キャンプ場
奥ノ院ルートとは
古処山登山の定番ルートは、朝倉市の秋月キャンプ村から登るルートである。しかし、今回は反対側(東側)の嘉麻市「古処山キャンプ村遊人(ゆうじん)の杜(もり)」から登るとのこと。このコースは季刊誌『のぼろ』2017年夏号で、次のように紹介されている。
……、稜線近くにある奥ノ院、大将隠しへ直登する奥ノ院ルートは一般向けではないかもしれない。連続する急登をクリアした後、最大の難所である石灰岩の巨大な岩壁をよじ登らないといけないからだ。
(出典:前掲書)
地図を眺めてみると、尾根の取付地点から稜線出合いまでは、等高線が詰まった部分がかなりある。『のぼろ』には「強烈な急斜面」とか「過酷すぎる急登」という表現があって、少し腰が引けてくる。さらに、下山路も稜線からは急な下りを覚悟しておく必要がありそうだ。
遊人の杜キャンプ場から奥ノ院へ
午前8時40分頃、遊人の杜キャンプ場(標高506m)に到着。管理棟下の登山者用駐車場に車を止め、ドアを開けると爽やかな山の空気が気持ちよい。天気予報で本日も猛暑と聞かされていたので、意外である。
このキャンプ場は2002年にオープンとのこと。きれいに整備され、管理棟、炊事棟、シャワー棟、コテージ等の施設も充実している。オオキツネノカミソリの開花期が盛夏の頃なので、ここで前泊し、早朝の涼しいうちに山歩きを楽しむのも妙案か。
登山届を提出し、総勢14名で出発である。キャンプ場の上部から登山道が始まり、扉が壊れたフェンスを通過する。
三差路までは歩きやすい道が続く。木々の緑で強い日差しが遮られ、風も樹間を抜けて快適な登山道である。熱射病を警戒していたメンバーからも、「意外と歩きやすいよね」との声。
しばらく進むと三差路の標識が立っているが、奥ノ院ルートはこの三差路の少し手前地点から左折することになる。分かりにくいので、ここは要注意である。
分岐を過ぎると、覚悟の急登が待ち構えている。高齢者主体のパーティのため、ゆっくり確実に、休み休み歩を進める。息がはずみ、汗がしたたる。ひたすら登るしかないのがつらい。写真を見ていただければ、どの程度の急登かお分かりであろう。
苔むした岩が点在する森のあたりで一服し、次はいよいよ奥ノ院への岩登りが始まる。岩が滑る上、足を高く上げるところが多く、女性軍は苦戦である。この岩登りも結構長く続く。
奥ノ院は、岩の間から冷気が吹き出る風穴(ふうけつ)がある場所。ここで岩場登りでほてった身体を冷やし、そのまま「大将隠し」に潜り込んで記念撮影。
この後、稜線の縦走路に出れば、後は古処山頂までなだらかな登りがあるのみ。
ニシキキンカメムシ?
古処山といえば、国の天然記念物である「ツゲの原始林」と、オオキツネノカミソリの花が有名である。最近はそれに加え「日本で一番美しいカメムシと呼ばれるニシキキンカメムシの生息地として注目されている」とのこと。
往路で見つけたこの虫が、果たしてニシキキンカメムシなのかどうかは定かではないが、まぁ美しいと言えば美しいのかも。
古処山頂(標高859.4m)着が11時10分頃。木陰に入ると、心地よい風がほほをなでる。眼下に広がるのは秋月の城下だろうか、木々に邪魔されて展望はあまりよくない。少し早いが、ここでゆっくり昼食とすることになった。
稜線づたいの下山道は、遊人の杜分岐までは楽ちんなハイキングルートである。のんびり自然林や鳥の声を楽しみながら、歩を進める。山城跡(馬攻め)では何体もの石仏が祀られてあり、中には思わず手を合わせたくなるような仏様もいらっしゃる。
遊人の杜分岐から右に折れて下り始めると、急に悪路が始まる。傾斜が急なためか登山道が流され、崩落がかなり激しい。登山道の痕跡が消え果てた場所も多く、一歩一歩、足場を確認しながら下り続ける。この登山道をきちんと整備し直すのは、大変な時間と労力がかかることだろう。
全員揃って遊人の杜キャンプ場に帰り着いたのが、12時50分頃。短時間ではあったが、森林浴、急登、岩場登り、ニシキキンカメムシ‥‥、と変化に富んだいいコースだった。特に岩場が好きな人にはおすすめである。ただし、初心者の方はベテランと一緒に歩くことをおすすめする。
ハッカスプレー+パワー森林香の防虫効果については、蚊やブヨに悩まされることは一度もなかった。ただ、森林香の煙の量が大量で、すぐ後ろの女性軍からは「カチカチ山(の狸)みたいよ」との声。
かなり煙かったのだろうと、恐縮することしきり。パワー森林香の防虫効果については、近々別に記事をアップする予定である。
◆パワー森林香の防虫効果レポート >「パワー森林香」、最強(?)虫除け線香を試してみる
車内トーク、尾畠春夫さんとの遭遇に話が弾む
さて、グループ山行では往復の車中で話が弾む。小生が乗車した車内では、スーパーボランティア・尾畠春夫さん(78歳)の話で盛り上がった。
尾畠さんといえば、山口県周防大島町で行方不明になっていた2歳男児を捜索開始から30分で発見し、大きな注目を集めたスーパーボランティア。
実は本年6月24日の例会山行で、我々は尾畠さんに遭遇していたのである。場所は由布岳の合野越。赤いねじり鉢巻きを覚えていたメンバーが、テレビの映像を見てピンときたそうである。
そう言われれば、登山道補修のくいや針金を背負子に積んで、若者にボランティアについて話をしていた姿を思い出した。赤いねじり鉢巻きの元気なじいちゃん(失礼)だな、という印象が残っている。
ネットで調べてみると、尾畠さんは大分県日出町にお住まいで、もう25年間も由布岳の登山道整備ボランティアをやっていることになる。夢は100歳での祖母山登頂とか。ここにも元気なシニアが一人‥‥、恐れ入りました。
> 「(ひとストリート)由布岳のボランティア・尾畠春夫さん」
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