図書館で借りた本に「コロナウイルスへの立ち向かい方」という一節があった。
方法は実に簡単、「寂しくても、ひとりで遊べる人になること」(武田鉄矢『老いと学びの極意 団塊世代の人生ノート』)だそうだ。
なるほど、おっしゃる通り。と言うわけで、春の平尾台を一人ぶらぶら歩くことにした。密集・密接・密閉とは無縁の平尾台、「ひとり遊び」を楽しむにはもってこいの場所である。
※ 本稿は2021年4月7日の山行記録を、4月9日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図は省略(オキナグサの群生地が特定できるため)
花の撮影や休憩が多かったため、活動時間は参考になりません。
10:35 自然観察センター ~ 10:57 不動山 ~ 11:08 堂金山 ~ 11:21 貝殻山 ~ 11:41 天狗岩 ~ 12:31 桶ヶ辻 ~ 12:49-13:30 周防台 ~ 中峠 ~ 14:24 四方台~ 15:21 自然観察センター
参加メンバー:単独(がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 4時間45分 |
活動距離 | 9.0km |
累積標高上り/下り | 650m/649m |
カロリー | 2,355kcal |
春爛漫の平尾台をそぞろ歩く
平尾台自然観察センター横の駐車場を10時35分に出発。茶ヶ床園地に向かう舗装道路を進んでいく。周囲は春の花々がここぞとばかり咲き誇り、目を楽しませてくれる。
一つ見つけるごとにシャッターを押すので、なかなか先に進めない。
芽吹いたばかりの新芽も美しい。
しばらく歩くと、左手に「千仏鍾乳洞」の看板が見えてくる。この看板から右をとると「不動山~堂金山~貝殻山」に至る散策路に突き当たる。
「一般車両進入禁止」だが、歩行者は問題あるまい。
しばらく直進し、「不動坂」の道標を左にとると‥‥
こんな感じのそぞろ歩きにぴったりの踏み跡がずっと続く。
カルスト台地の羊群原を縫って続く一筋の道。人影はほとんど見当たらない。雄大な展望を独り占めだ。
道の両側にはスミレがいっぱい。
春リンドウもちらほら‥‥。
まだまだ続く1本の道。気持ちよい春山歩きで、鼻唄が出てきそうだ。
石灰岩の間も通り抜け、
「若芽色(わかめいろ)」の新芽をパチリ。元気が出てくる。
12時頃に天狗岩(436m)着。駐車場から1時間半ののんびり歩きだ。
天狗岩から先は、桶ヶ辻(568m)、周防台(606m)へ続く稜線歩きの道。桶ヶ辻山頂の吹き流しが目に映る。今日はパラグライダーの姿は見えない。
桶ヶ辻山頂から臨む周防台。稜線づたいにどこまでも歩いていけそうな天空のミニ縦走路。素晴らしい風景を楽しみながら歩く。
13時過ぎに周防台着。お腹が鳴り出したので、草台地に腰を降ろしランチとしよう。コンビニで買った「おにぎりランチ」と揚げなすのみそ汁が今日の昼食。登山靴の紐を緩め、春の日差しを浴びながら、ゆっくりと味わう。
食後のコーヒーを楽しんでいると、荒い息づかいと共に「こんにちわ~!」という大きな声が走り抜けていく。トレランを楽しむお嬢さん、若いっていいなぁ。「ひとり遊び」を楽しむ人に陰ながらエールを送る。
お腹もくちくなったので、もう一歩きするか。四方台まで足を延ばし、自然観察センターに帰るとしよう。
オキナグサ(翁草)
全国的に希少種になっているオキナグサ。「絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)」に指定されている。
平尾台にはいくつか群生する場所があり、この日は2ヶ所で観賞。
黒に近い赤い花はなかなか見つけにくい。群生地で注意深く見渡していくと、うつむき加減の深紅の姿を見つけることができる。撮影はもちろん腹ばいに近い体勢で。この日は風が強く、揺れ動く姿を写すのが大変だった。
翁草 咲く丘ありて ひとり行く
想い告げ得ぬ 遠き日ありき (鳥海昭子)
オキナグサの花言葉は「告げられぬ恋」。花がうつむき加減に咲く様子が、恥じらって自分の気持ちをうまく伝えられない、清純な乙女の気持ちを連想したものとか。
恥ずかしがっている乙女を激写するのは、これくらいにしておこう。
ひとりでたっぷりと遊んだ一日、有り難い、有り難い。
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平尾台、外来種駆除ボランティアに取り組む
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