5月末から6月上旬にかけてのくじゅう連山、週末はミヤマキリシマ目当ての登山者で溢れかえり、大混雑となる。密を避けるため、平日にミヤマキリシマの開花確認に出かけることにした。行く先は平治岳(1,643m)である。
※ 本稿は2021年5月28日の山行記録を、5月30日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
08:52 男池 ~ 09:30 かくし水 ~ 10:00 ソババッケ~ 11:30-11:38 大戸越 ~ 11:52 平治岳南峰 ~ 12:17-13:11 平治岳北峰 ~ 南峰 ~ 13:41-13:46 大戸越 ~ ソババッケ ~ かくし水 ~ 15:41 男池
※ 参加メンバー:単独(がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 6時間49分 |
活動距離 | 8.1km |
累積標高上り/下り | 890m/889m |
カロリー | 3,532kcal |
写真中心の山行メモ
土石流の被害の大きさ
今回は吉部登山口ではなく、久しぶりに男池登山口からの入山。
ソババッケ(1097m)から大戸越(うとんごし・1460m)を経由して、平治岳を目指すコースを選択。
理由は昨年7月の豪雨被害により、一時は通行不能となっていた登山道の復旧状態を確認するため。
男池園地入口で清掃協力金を払い、新緑が美しい原生林の森をゆっくりと歩き始める。
「おはようございます!」と大きな声で追い抜いていく若者4人組。
10分ほど歩くと、さっそく登山道崩壊現場に遭遇!
随所に土砂の浸食や地割れが目につくようになる。地割れの大きなものは、深さ3メートル近くにもなりそうだ。
噂には聞いていたものの、実際に歩いてみると予想以上の悲惨な現場が続く。
かくし水周辺もこの有様。手前にあった金網のフェンスは影も形もない。
以前と少し離れた位置に竹樋が設置され、水場の体裁をかろうじて保っている。
ソババッケに向かう道も岩ゴロの土石流で埋まっている。道が消えている所は、要所に結ばれているテープが目印だ。
登山口から約1時間でソババッケ着。ここでは流れ込んだ土砂が厚く埋積し、一面茶褐色の泥に覆われた状態。
道標の下部の文字が読めないほどの厚さに堆積した土砂。土の厚さは20cmほどだろうか。
登山靴が泥に埋まりそうなので、踏み跡をたどり大戸越をめざし右をとる。
ソババッケから大戸越までの登りは、さらに無残な状態だった。
大規模な土石流が流れ込み、旧登山道はほとんど破壊されている。
谷を埋め尽くす岩、岩、岩‥‥。これだけ大量の岩石が流れ落ちてくる様子は想像もできない。牙をむいた自然の恐ろしさが伝わってくる。
テープに導かれて岩を乗り越え、倒木の下をくぐり、巨岩の間を縫うようにして登っていく。歩きにくいことこの上ない。
おまけに展望のきかない樹林帯の登りとあって、モチベーションも上がらない。おのずと小休止の回数が多くなる。
やっとクロボク土に覆われた登山道が表れた時は、さすがにホッとした。大戸越はまもなくだ。
この日初めて目にしたミヤマキリシマ、鮮やかなピンクの花弁で登りの疲れがいやされるようだ。
11時30分過ぎ、やっとのことで大戸越着。ソババッケから標準タイム1時間のところ、30分のオーバータイム。
展望の広がる開放的な広場で汗をぬぐい、腰を降ろして一息つく。
平治岳の開花状況は?
さて、肝心のミヤマキリシマの開花状況である。ここから先はあくまで小生の主観的判断なので、その旨ご了解いただきたい。
大戸越から見上げた平治岳南峰の南斜面を見るところ、5分咲きというところだろうか。ピークは1週間後ぐらいとみた。
今を盛りと咲き誇る株もあるのだが、
全体的には未だ開ききっていない株の方が多い。
昨年の写真と比べてみると、ご覧のとおりである。
北峰山頂から西へ延びる尾根を比較してみると‥‥、
まだまだ花の量が少ないのがお分かりであろう。ピークは次の週末(6月5日、6日)あたりだろうか?
来週は人であふれ返る平治岳となることだろう。コロナ禍もあるため、三密には十分な注意が必要だろう。
今回気になったのは、尺取り虫に葉もつぼみも食い尽くされ、白骨化した株がかなり目立つこと。
広範囲に白骨化した株が、やけに目立つのだ。全体の2割くらいの面積になるだろうか?
この数年、尺取り虫の食害は見られなかったので、かなり気になる。このまま開花が順調に進んでくれれば、と願いつつ下山することにした。
男池園地のルーティン
男池園地に下山した時のルーティン(決まり事)は二つある。
一つは、園内のご神木(?)2本への挨拶。
岩をつかむオヒョウの木の近くには、岩を抱き込むケヤキの巨木。
もう一つは、日本名水百選に選ばれた湧水で水を汲むこと。今夜はこれで焼酎の水割りを楽しむとしよう。
男池到着が15時41分。汗臭いウェアを素早く着替え、すぐに帰路につく。今日はソロ山行のため、日没前に山道の運転を終えたいのだ。
帰路、道の駅「豊前おこしかけ」で20分ほど仮眠。
夕方の混雑がおさまった頃に再出発し、渋滞に遭うこともなく無事に帰宅。
今日も楽しい山行ができて、感謝、感謝。
※ くじゅう連山、ミヤマキリシマに関する過去記事
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