※ 本稿は2018年11月4日の山行記録を、11月9日にアップしたものです。
グループ山行が続くと、ぶらぶら一人歩きがしたくなる。由布岳の山ろくあたりはまだ紅葉が残っているはずだ。紅葉シーズンさなかの賑わいの中、静かな山行を楽しむための作戦を立てることにした。
小生と同様、一人静かに由布岳の紅葉を楽しみたいという方には、お役に立てるかもしれない。お勧めは「日向岳自然観察路」である。
目次
今回のお題とコース
今回の山行のお題は
- 由布岳(1,583m)山ろくの「日向岳自然観察路」で、静かに紅葉を楽しむ。
- ブログ用に「障子戸」の岩場と「剣ヶ峰」のナイフエッジの写真を撮る。
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
正面(南)登山口~(日向岳自然観察路)~日向岳分岐~日向岳~日向岳分岐~(東登山道)~由布岳東峰~マタエ~正面(南)登山口
活動時間(含む休憩時間) | 6時間16分 |
活動距離 | 8.27km |
高低差 | 804m |
累積標高上り/下り | 914m/904m |
カロリー | 3,107kcal |
※ あちこちで紅葉を撮影し休憩を長くとったため、活動時間は参考になりません。
静かに紅葉を楽しむために
11月の第一日曜日、山は由布岳、天気予報は秋晴れの晴天、と条件が揃えば登山者の多さは予想がつく。正面登山口に到着したのが9時15分。無料駐車場はすでに満杯、有料駐車場も半分は埋まっており、次々に車が入場してくる。
肝心の由布岳はというと、雲ひとつない秋空に秀麗な姿を浮かべ、山ろくの紅葉が色づいているのがよく分かる。「これは期待できそうだわい」と自然にほほが緩む。準備を終えた家族連れやグループ山行の登山者が、三々五々由布岳へ向かっていく。
他の登山者たちと同じく正面登山道を進めば、「一人静かに紅葉を楽しむ」というお題は達成できそうにない。よって、回り道となるが別コースで山頂をめざし、下山の時間帯を遅らせる作戦をとることにした。
上掲の山行軌跡図をご覧いただきたい。登山口からしばらく進むと、途中で登山道が分岐しているのがお分かりであろう。由布岳をめざす登山者の99%以上が、左の正面登山道を通って山頂をめざす。
道を右にとると「日向岳(ひゅうがだけ)自然観察路」という名の散策路が延びており、1時間30分ほど歩くと東登山口からの登山道と合流する。この自然観察路こそ、小生が大好きな森林浴の道なのだ。由布岳の南山ろくを西から東へと横切るように延びる、自然豊かな散策の路である。
さっそく観察路に足を踏み入れると、陽光をいっぱいに浴びた木々をぬって、気持ちのいい登山道が奥にのびている。今日は風もなく、秋の空気がさわやかである。
少し進むと、さっそく見事な紅葉の饗宴が始まる。どこもかしこも紅葉だらけではないか。
コンパクト・デジカメによる撮影のため、画質は落ちるが(腕もだが)、このけんらん豪華な紅葉の雰囲気だけでも味わっていただきたい。
少し歩いては立ち止まってシャッターを切り、また進んでは彩りの変化をおさめようとカメラを取り出す。写真撮影に忙しく、なかなか前に進めない。ついには露岩に腰をおろし、朱色から黄色にいたるグラデーションの妙を飽かず眺め始める始末。あたりは鳥の鳴き声が聞こえるだけ。自然観察路を独り占めである。
日向岳(1,085m)までのコース・タイム1時間30分を、2時間以上かけゆったり味わいつくす。この間に遭遇した登山者はわずか3人のみ。ねらい通りの静かな山歩きを満喫でき、大満足であった。
なお、紅葉を楽しむだけならば適当なところでUターンして、正面登山口にもどればよい。往復3~4時間程度の気持ちのよい森林浴を楽しめる。
今回は、東登山道から東峰までのレポートは省略である。本日選択したコースの難点は、美しい紅葉で一度ゆるみきった気持ちと身体を立て直すのに、結構苦労することであろう。のんびり歩きと岩場上りの落差は大きいなぁ。
※ 「日向岳自然観察路」は、正面登山道のように整備がゆきとどいた登山道ではありません。道標、赤テープ、ケルン、岩につけられたマーク等を頼りに歩く山ろくの登山道です。目印は分かるように付けられていますが、初心者の方の一人歩きは避けた方がよいと思います。山歩きは、くれぐれも自己責任でお願いします。
障子戸と剣ヶ峰を撮影する
今回の山行のもう一つのお題は、マタエから西峰にいたる「障子戸」の岩場と、お鉢巡りの核心部「剣ヶ峰」と呼ばれるナイフエッジの写真を撮ることである。
拙ブログの2018年6月20日の記事「万緑の中、由布岳で一人山行を楽しむ」では、この2箇所の難所についてふれている。その折に手元に適当な写真がなかったので、やむなく他のウエブサイトから引用させていただいた。自分のカメラでこれらの難所を撮影しておこうと、考えたのだ。
障子戸に目をやると、ちょうど団体さんが岩場に取り付いていたので、すぐさまパチリ。望遠を最大に利かせたため、鮮明さには欠けるが、いたしかたあるまい。
西峰の山頂に視線を移すと、稜線上のルートのすぐ下部が大きく崩落している。このルートもいずれ通れなくなるのだろうか。
続いて、ナイフの刃のように両側が切れ落ちた岩尾根「剣ヶ峰」の写真である。これもデジカメのズームを最大限に上げて撮影した。
しばらく待っていると、岩尾根を越えて通過しようとする登山者がいたので、これもパチリ。見ているこちらに冷や汗が流れる。
以上で本日のお題二つを達成し終えたので、下山予定時刻までランチとコーヒーを楽しみ、近くの登山者と雑談を交わし、まったりと過ごす。
14時に下山開始。予想通りさほどの混雑を感じることもなく1時間30分で正面登山口に到着。合野越(ごうやこし)から下の紅葉もなかなかのものであった。
帰りは、いつものとおり安心院(あじむ)家族旅行村の温泉センターで汗を流す。
◆「山行記録」の関連記事はこちら >カテゴリー「山行記録」関連記事へのリンク