スモークチーズの備蓄が切れそうだ。6月末に2ヶ月分を作っておいたのだが、先日、息子一家にすそ分けしたためである。
ちょうど良い機会なので、スモチづくりを兼ね、第2回目の一斗缶燻製器のテストを行ってみた。
※これまでの燻製づくりの記事はこちら
> シニアの家めし(24) キッチンで燻製を作ってみる
> シニアの家めし(25) キッチンで燻製を作ってみる_2
> シニアの家めし(27) 一斗缶で燻製器を自作する_1
> シニアの家めし(28) 一斗缶で燻製器を自作する_2
> シニアの家めし(32) 一斗缶燻製器、やっとテストに取りかかる。
目次
課題とレシピ概要
一斗缶燻製器のテスト2回目の課題は、鶏のささ身を「吊し」て「温燻で」いぶすこと。
燻製器の横穴に渡した串に食材を吊すのは初めてである。また、70℃~80℃の中温で長時間(1時間以上)いぶす「温燻」も初めてやってみた。
高温で短時間のいぶしで済む「熱燻」に比べ、「温燻」は長時間いぶすことにより、食材の水分が抜け、保存性と風味が高まるとか。温燻は燻製法のスタンダードだという。
今回の食材は、鶏のささ身。安価で高タンパク、仕込みの手間も簡単なので、燻製入門者にはうってつけの食材とされているようだ。
レシピ概要は次のとおり。小生の備忘も兼ね記録をアップしておく。
【レシピ】
食材 | 鶏ささ身(約1kg) |
塩漬け (ソミュール液にて) |
塩‥‥‥‥40g(食材の4%) |
燻煙材(燻製法) | さくらのチップ(温燻) |
工程 |
塩漬け:1日 |
ささ身1kgを温燻でいぶす
Step 1 :食材の準備
近くのスーパーでささ身(国産鶏)を1kg仕入れてくる。100gが60円(税込み)程度なので、気軽にテストできるのが有り難い。
ささ身の筋取りは省略した(参考にした幾つかのサイトでは、筋取りをした例がなかったため)。
Step 2 :塩漬け
予め塩、砂糖、黒胡椒、ハーブ&スパイスを計量し、均等に混ぜ合わせておく。
ソミュール液の材料を鍋に入れ、沸騰させる。
ジップロックにささ身を入れ、冷めたソミュール液を注いで空気を抜き、冷蔵庫で丸一日寝かせる。
恥ずかしながら翌日冷蔵庫から取り出すのを忘れ、翌々日にあわてて塩抜きをするという体たらくであった。
Step 3 :塩抜き
ソミュール液からささ身を取り出し、軽く水洗いをする。ささ身の端を切り、フライパンで焼いて味見をしてみる。
ソミュール液に漬けすぎて塩辛かったので、塩抜きを30分延長し、1時間行う。
Step 4 :乾燥
塩抜き後、キッチンペーパーで水気を拭き取り、串に通して乾燥させる。出来れば外気で風乾燥したいのだが、暑さで腐敗が心配なため冷蔵庫で5時間乾燥。
その後、燻製器で熱乾燥を行う。
ガスコンロの上に板と電熱器を置き、一斗缶燻製器をセットしたところ。
屋外は暑いので室内で作業を行う。燻製中は換気扇は強に設定。
串刺ししたささ身を一斗缶燻製器に並べる。どうやらうまくセットできたようだ。
ささ身はまだ生の状態なので、80℃で1時間の熱乾燥を行い、中身に火を通す。
熱乾燥後のささ身、火が通って色が白っぽくなっている。
Step 5 :いぶす
二重にしたアルミホイルを丸め、その中にさくらのチップを3つまみ入れる。
電熱器を加熱し、煙が出始めたら70℃~80℃をキープし、1時間燻製。
30分くらいで蓋を開け、ささ身表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る。チップを追加し、再度煙が出るまで加熱。70℃~80℃キープを30分間余り。
延べ1時間余りいぶして蓋を開けた直後のささ身。いい色に仕上がっている。
取り出して、冷蔵庫で丸1日寝かせたささ身の燻製。そのままでもうまいが、マヨネーズに七味とうがらしを添えると、酒のつまみにもってこい。小腹が空いた時の腹おさえにも。
出来上がった燻製を真空パックする
長期保存のため、先に熱燻でつくっておいたスモークチーズ(1.6kg)と一緒に、半分を真空パックしてみた。
今回は、2~3個(本)の食材が入るサイズ(横140mm × 縦200mm )のポリ袋を使用。
スモークチーズは2個、ささ身は3本ずつパックした。黄色のマスキングテープに加工日を手書きし、貼り付け。
※ 真空包装(パック)機購入の顛末(てんまつ)についてはこちらをどうぞ
>シニアの家めし(31) 真空包装機「フードシールド」購入顛末記
一斗缶燻製器の課題
一斗缶燻製器で温燻をやってみて、おぼろげながら課題がいくつか見えてきた。
- 手間がかかる(チップ交換と水滴拭き取りのため)
加熱された一斗缶の蓋の開閉は、かなり面倒である。
長時間いぶす温燻では、チップ交換と水滴拭き取りのため、蓋を開け食材を取り出さねばならない。
中型以上の燻製器前面に開き戸が付いている理由がよく分かった。
チップ交換の手間を省くため、スモークウッドの使用も検討してよい。 - 温度管理の必要性
温燻は長時間一定の温度を保つ必要がある。しかし、温度計とにらめっこで熱源を調整する作業はわずらわしいもの。
電熱器を熱源に使うのなら、サーモスタットの導入が必要のようだ。 - ソミュール液の味
今回のソミュール液は「毎日の燻製レシピ集 CLUB SMOKE 」を参考にさせていただいた。十分うまいのだが、次回は塩麹のみのシンプルな味付けを試してみたい。淡泊なささ身が麹菌で柔らかくジューシーになり、うまさが増すような気がする。
第3回目のテストが必要なようだ。
◆本シリーズの次の記事はこちら >シニアの家めし(34) 味噌力の効果を倍増させる「長生きみそ汁」
◆本シリーズの他の記事はこちら >シリーズ「シニアの家めし」関連記事へのリンク