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シニアの家めし(39) 6年目の味噌づくり、圧力鍋を使ってみる

投稿日:2023年2月17日 更新日:

 

味噌づくり

 味噌の仕込みを2週間ほど前(正確には2月2日)に終えた。今年も24kgの味噌を1日がかりで仕込んだ。今回新たに取り組んだのは、大豆を蒸すのに(わが家は蒸し大豆で味噌を仕込んでいる)圧力鍋を使ってみたこと。時間短縮化とガス料金節約がねらいである。

 なお、わが家流の味噌のつくり方に興味がある方は、昨年の記事がお役に立つと思う(その記事はこちら)。今回は圧力鍋に特化したマニアックな(笑)内容のため、興味のない方は飛ばしていただきたい。

目次

圧力鍋で時間短縮、ガス料金節約を図りたい

 味噌を仕込んだ経験がある方はお分かりだろうが、大豆というやつ、なかなか柔らかくなってくれない。煮ても蒸しても、相当な時間がかかる。よく言われる「親指と小指でつぶせるくらい」になるまで、3時間半から4時間はゆうにかかるのだ。

味噌づくり

 24kg(8kg×3回)の味噌を仕込むとなると蒸す作業が3回となり、ガス代も結構な額になる。年金生活者としては、ここを改善し光熱費を節約せねば大きな顔はできない。

 高圧・高温調理が可能な圧力鍋を使って、「蒸し時間を短縮し、ガス料金の節約を図る」というのが今年の挑戦課題である。

 

30年以上使用した「活力鍋SW型」

 次の画像は、わが家で30年以上働き続けている圧力鍋。商品名は「活力鍋 SW型 Lサイズ(5.5リットル)」(アサヒ軽金属社製)といい、廃盤になって久しいが、わが家ではまだまだ現役だ。ちなみに後継機は「ゼロ活力鍋」と呼ばれている。

味噌づくり 活力鍋

活力鍋SW型Lサイズ、うす汚れてはいるがまだまだ現役で活躍中。

 この活力鍋、メーカーによれば他社圧力鍋と比較して「世界最高クラスの調理圧 [146kPa] (一般的な圧力鍋の約1.6倍の圧力値)」で鍋内の温度は「約128℃もの高温」となり、「驚異の高速調理を実現」するというメリットがあるそうだ。

 現在までの販売台数「300万台突破」と国産圧力鍋で最も売れた商品だとか(小生、この会社とは何の関係もありません)。

 「驚異の高速調理」が事実かどうか分からないが、30年以上酷使してきたカミさんが、「この鍋、便利よ。どうしてみんな使わんのかねぇ。」と言うくらいだから、あながち誇大広告ではないだろう。

 実は小生もこの活力鍋を愛用しており、スパゲティや乾麺をゆでたり、カレーを作る時の必須ツールとなっている。便利なのでゼロ活力鍋 Mサイズ(3.0リットル)を数年前に買い足したほどなのだ。

 

先行事例の情報収集

 昨年まで大豆を蒸すのに使っていたのは、普通の蒸し器と中華せいろ。2日間浸水させた乾燥大豆1.5kgをそれぞれセットし、3時間半から4時間ぐらい蒸していた。

味噌づくり

 まずは先行事例の情報収集に取りかかる。小生と同じことを考えている方がどこかにいるはずと予想し、「活力鍋、味噌づくり、蒸す、大豆」などの言葉でネット検索してみる。絞り込み作業を続けると、最終的に3件の記事がヒットした。

 偉大なりGoogle! 極めてマニアックな話題だが、自分と同じ発想の人物を見つけるだけで妙に嬉しくなる。3件の記事は次のとおり。いずれも「こちらゼロウェイスト学会!節約ハンドメイド研究員」というブログ(作者は、ぽこ33さん)の記事。

 ぽこ33さんの記事から分かったことを箇条書きすると、

  • 結論:活力鍋SW型Lサイズで大豆500g以上(乾燥状態時)を蒸すことは可能(調理例も紹介されていた)。
  • 専用の蒸し器に大豆を入れ、高圧で弱火10分。後は余熱調理で中心まで柔らかく仕上がる。
  • 活力鍋で大豆を「煮る」ときは、鍋の容量の1/3以上は入れてはいけない。
    水を吸って豆が膨らみ、空気穴をふさいで鍋が爆発する危険があるため。
  • 一方、大豆を「蒸す」時はほとんど膨らまないので、鍋の容量ぎりぎりまで入れられる。
  • 万が一の爆発予防として、蒸し容器にぴったりとはまる蓋をかぶせた方がよい。

 何とかなりそうである。あくまで自己責任ということで挑戦してみることにした。

 

専用蒸し器を手に入れる

味噌づくり 活力鍋

メルカリで入手した専用蒸し器。鍋にぴったりサイズなので、600g~700gの大豆を蒸せる。

 これで専用の蒸し器を調達する気持ちが固まった。メーカーの公式サイトをのぞくと、定価4,400円(税込み)とある。送料は3,980円以上買えば無料とのこと(2023年2月現在)。たかがザルごときに5,000円近い出費はどうも気が進まない。

 「中古商品はないものか」とメルカリジモティで検索。メルカリに新品同様の蒸し器が2,500円(税込み、送料込み)でアップされたばかり。値切り交渉をする時間がなかったので、即決で購入。

 3日後に送られてきた蒸しザルはまさに新品同様。これなら年1回の味噌づくりだけでなく、納豆づくり(月1回程度)にも使えるし、うま味や栄養分を逃がさない「蒸し野菜」も簡単にできそうだ。

味噌づくり 活力鍋画像出典:アサヒ軽金属公式サイト

 

実際に大豆を蒸してみる

 まずは大豆500gを蒸してみることにする。ご覧のとおり、蒸し器にはまだ少し余裕がある。

味噌づくり 活力鍋

 活力鍋に水500ccを入れ、その上にセットするとこんな感じ。

味噌づくり 活力鍋

 万が一の爆発予防のため蓋になるザルを探すと、台所にあったザル(金属製)がぴったりではないか!

味噌づくり 活力鍋

 準備が整ったので、活力鍋(左)と普通の蒸し器(右)に同時に着火。

味噌づくり

 点火から8分で赤いボタンが浮き上がり、高圧調理開始。すぐ火を弱火に落とし、10分間後に消火。

味噌づくり 活力鍋

赤いボタンが浮き上がると、高圧調理スタートだ

 その後は余熱調理で減圧終了(赤いボタンが完全に沈む)まで約25分。蓋を開けると、湯気と一緒に大豆のいい香りが漂ってくる。

味噌づくり 活力鍋

 大豆の中心部までふっくらと柔らかい蒸し加減だ。味見をすると豆本来のうまみが伝わってくる。

 

蒸し器 VS. 活力鍋

ガス使用時間と蒸し時間の比較

 活力鍋で500g(乾燥時)の大豆を蒸し上げるのにかかった時間は、①大豆をセットする時間:5分、②着火から加圧開始まで:8分、③弱火での高圧調理:10分、④消火後の余熱調理:25分、計48分だった。実際にガスを使ったのは、②の強火8分、③の弱火10分で、計18分となる。

 1,500g(乾燥時)の大豆を蒸す時間を比較すると、次表のとおり。活力鍋の場合は、1回500gで3回蒸すことになる。

  蒸し器 活力鍋
鍋にセットする 5分 15分(5分×3回)
蒸す
(ガス使用)

240分
(強火10分+中火230分)

54分
((強火8分+弱火10分)×3回)
余熱調理 0分

75分
(25分×3回)

合計 245分 144分

 ガス使用時間(青色)で186分差(=240分54分)、蒸し時間合計(赤色)で101分差(=245分144分)。つまり、ガス使用時間で約3時間分の節約、蒸し時間で1時間41分の時間短縮が図れたことになる。

 ガス料金は恐らく4分の1以下だろう(節約できた金額を計算したいのだが、どうやるのか分からない)。

使用後の感想

 活力鍋をテストしてみて、大幅な時間短縮とガス料金の節約ができることが分かった。これを使わない手はないだろう。

 デメリットは次の2点である。

1 専用蒸し器(税込4,400円)を購入する必要がある。
2 手間がかかって慌ただしい
 <大豆をセット→火を弱火に落とす→10分後に消火→25分の余熱調理後に取り出し>という作業を何度も繰り返す必要あり

 これまでのように、蒸し上がるまでの数時間で読書や映画をゆっくりと楽しむ、というわけにはいかない。

 

その他の改善点

 活力鍋の使用以外の今年の改善点は次の3点。

1 盥(たらい)の大型化
 大豆と塩切り麹をまぜる作業用の盥(たらい)を新たに購入。直径45cmの盥を50cmのものに変更し、使いやすくした。

味噌づくり

直径45cmの盥(左)と50cmのもの(右)。比べるとかなりサイズが違う。

2 適度な重量の重石をのせる
 仕込んだ味噌の30%程度の重さが、適当な重量と聞き準備した。実家近くの川原で適当な石を見つくろい調達。

味噌づくり

3 ビニール袋の利用
 容器に付いた味噌の拭き取りが面倒なのと、密閉性向上のためビニール袋内に味噌を仕込んだ。45リットル用のビニール袋(厚目)を購入し、使用。味噌の拭き取りをしないで済むため、便利だった。

味噌づくり

表面に酒粕を塗り、周辺部に塩を散らしカビを予防する。

※ 味噌に関する過去の記事はこちら >

◆本シリーズ「シニアの家めし」の次の記事はこちら >シニアの家めし()    

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