数日前に初めて作ったスモークチーズとスモークチキンを食べ尽くしてしまった。あの味が忘れられず、再び燻製づくりに挑戦することにした。
今回は作る量を増やし、味のレベルアップにも取り組んでみた。
※ 初めての燻製づくりの記事はこちら >シニアの家めし(24) キッチンで燻製を作ってみる
目次
改善を試みた点
今回改善を加えたのは次の3点。
- いぶす前に食材を乾燥させる。
食材の水分が多いと燻煙と反応し、酸味やえぐみの原因となるようだ。水分の多い鶏肉や煮卵は予め乾燥させておいた方がよいとか。
干物を作る時に使用する乾燥ネット(3段)で、半日から1日乾燥させてみた。 - ザラメ砂糖をチップと一緒にいぶす。
食材の色付けをよくするため、チップに小さじ1杯程度のザラメ砂糖を加え、いぶしてみた。 - ファクトリーチーズを購入し、作る量を増やす。
作る量を増やしても手間暇はは大して変わらない。どうせ作るのなら、多めに作って業務効率化(?)を図ることにした。
具体的な作業の実際
チーズの場合
燻製に使用するチーズは、熱で溶けにくいものが良いらしい。前回は初めてということもありベビーチーズで作ってみたが、今回は量を増やしたい。
業務用スーパーに出かけ、雪印メグミルク社の「ファクトリーチーズ(業務用)」(800g、1200円程度)を購入。これが熱に溶けにくく、最も安く入手できるチーズとのことだった。
手に取ると、ずっしりとした重量感がある。サイズを計ると、およそW 27cm×D 5.5cm×H 5cm の大きさ。包装をはぐと、定量にカットしやすいように目印が付いている。
適当な大きさにカットし、乾燥ネットで3時間ほど干して鍋にセット。鍋にはアルミホイルを敷き、その上にさくらチップを大さじ1杯程度、さらにザラメを小さじ1杯加えた。
熱でチーズが溶けないように、念のためクッキングシートを敷いている。
前回と同様に煙が出るまで強火で熱し、蓋をして強火のまま2分間。その後弱火で5分間加熱し消火(以下、全ての食材は同じ要領でいぶしている)。
消火後、そのまま1時間放置した状態が次の画像。
褐色に色づいたスモークチーズの出来上がりである。ザラメの着色効果が効いているようだ。
煮卵(味付け卵)の場合
3週間ほど前に作り方を覚え、何回か作ってきた「煮卵(正確には味付け卵)」も一度に10個(1パック)作ってみることにした。
※ 初めての煮卵づくりの記事はこちら >シニアの家めし(23) 煮卵を作ってみる、山のお供や晩酌のつまみに
水分の多い煮卵はまる一日ネットで干すことにする。画像では8個になっているが、味見のためなので悪しからず。
乾燥を終えキッチンペーパーで水気を拭き取り、鍋に並べた煮卵。7個しかないのはさらなる味見を繰り返したため。いい燻製を作るには、適正なチェックが必須なのだ。
いぶし終えたくん玉。いい色がついていてうまそうだ。
スモークチキンの場合
前回は鶏のもも肉を使ったので、今回は胸肉を試してみることにした。ヘルシーで安価な胸肉はコストを気にせず、気軽にテストができるからだ。
前日に皮をはぎぶつ切りにした胸肉に塩をふり、乾燥ネットで1日乾燥させたのが次の画像。胸肉1枚がこの程度に小さくなる。
いぶし終え、蓋を開けると何と黒褐色のチキンが現れた。どうやらザラメが多すぎたようだ。焦げついたような色づきになってしまった。
改善の結果は‥‥
- 食材の乾燥について
手間は少しかかるが乾燥はしておいた方がよいと思う。ただし、食材に応じて乾燥の加減を微妙に調整する必要がある。 - ザラメをチップと一緒に燃やすこと
ザラメをいぶすと、いかにも燻製らしい色合いになる。ただし、燻煙の汚れが増えるため対策が必要。 - ファクトリーチーズの使用
成果はあった。燻製全般に言えることだろうが、いぶす手間は同じなので、一度に大量に作った方が効率的だと思う。
安価なプロセスチーズを高級スモークチーズに変身させるのは、ある意味快感である。
新たな課題、燻煙の汚れ対策
次の画像は、熱で溶けチップの炭と一体化したザラメ砂糖。アルミ箔を敷いていなければ、後片付けに手こずったことだろう。
これは蓋に付着した燻煙の汚れ。ザラメをいぶすと汚れの量が増えるようだ。こちらもアルミ箔がなければ、洗うのが大変だった。
チーズの下に敷いたクッキングペーパーも汚れがひどい。
ザラメで色づきがよくなるのは有り難いが、その分燻煙の汚れ対策が必要となる。一番の対策は、アルミ箔やクッキングシート等で器具を覆うことだろう。
それでも付着した汚れをどう落とすか。今回はキッチンペーパーであらかた拭き取り。その後高温の湯(60度)に重曹と中性洗剤を溶き入れ、30分間漬け置きしてみた。最後は「激落ちくん」というスポンジでこすると何とか落とすことができた。
どうやら新たな課題が幾つか見えてきたようだ。課題解決のプロセスを楽しむというのも、「シニアの家めし」の魅力なのかもしれない。
「Plan(計画)、Do(実行)、See(評価・見直し)のサイクル」なんて言葉を思い出してしまった。
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お役に立つ情報があれば幸いです。
◆本シリーズの次の記事はこちら >シニアの家めし(26) 塩麹鶏ハム、麹菌と太陽の光でダブル熟成のうまさ
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