今年は梅雨入りが早く雨で気温が上がらないため、ミヤマキリシマの開花がかなり遅れているようだ。
くじゅう連山の扇ヶ鼻(1,698m)、そろそろミヤマキリシマが咲いている頃ではと思い、S氏と出かけてきた。
岩井川岳(いわいごだけ・1522m)はそろそろ見ごろ、扇ヶ鼻はまだまだといったところか。6月だというのに、山頂は風が強く震えがくるほどの気温であった。
※ 本稿は2021年6月5日の山行記録を、6月7日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
08:36 瀬の本駐車場 ~ 08:43 登山口 ~ 09:13 林道終点 ~ 10:12 岩井川岳分岐 ~ 10:18-10:35 岩井川岳 ~ 岩井川岳分岐~ 11:04-11:53 扇ヶ鼻 ~ 岩井川岳分岐 ~ 13:37 登山口 ~ 13:43 瀬の本駐車場
※ 参加メンバー:2名(S氏、がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 5時間06分 |
活動距離 | 9.0km |
累積標高上り/下り | 731m/730m |
カロリー | 2,511kcal |
写真中心の山行メモ
瀬の本登山口から登る
瀬の本登山口の駐車場出発が午前8時30分過ぎ。登山口に向かう途中で振り返ると、阿蘇五岳の稜線がくっきりと浮かび上がっていた。
登山口から30分ほどは林道歩き。意外に荒れた道で歩きにくい。
林道終点のテープから左に折れ、尾根に乗り上がる。しばらくは尾根に沿い、樹林帯の中を黙々と登っていく。
やがてアセビの巨木が林立する森に入り込む。アセビの樹間を縫うように踏み跡が続いている。
樹林帯を抜けると、右側の展望が開け、阿蘇五岳のシルエットが現れる。
約1時間、展望の利かない樹林帯を登ってきただけに、この眺めにはほっと癒やされる。
足を止め「あれが根子岳、あれが高岳」と指さすうちに、過去に訪れた時のエピソードで話がはずみ始める。
このあたりで本日初のミヤマキリシマに遭遇! 登りも緩やかになり、まもなく岩井川岳の草台地が近づいていることが分かる。
登山口から約1時間30分で岩井川岳分岐着。壊れかけた私標とピンクのテープで分岐と分かる簡単な目印だ。
ここから右をとり、広々とした草原を5、6分ほど歩くと岩井川岳山頂に着く。
岩井川岳の大展望
どこまでも広がる草台地、正面には阿蘇五岳の雄大な山容が左右に広がっている。開花し始めたミヤマキリシマがそこここに散在している。
根子岳と高岳の鞍部に向かうように登山道が伸びており、歩を進めると阿蘇がどんどん近づいてくる。
辺りには咲き始めたミヤマキリシマのピンクの塊が、そこここに‥‥
平治岳のピンクの絨毯を敷きつめたような華やかさはないが、これはこれで悪くはない。
目をこらすと、一つ一つの花が健気に咲いているのがよく分かる。
一心にスマホを操作中のS氏。撮影した画像を奥方に送信中か?
山頂三角点の横には、手製の山頂標識が置かれているだけ。
腰を降ろし、大展望をゆっくり味わう。阿蘇五岳の圧倒的な存在感は言うまでもないが、その左奥には祖母・傾の稜線。
はるか右に視線を移すと、雲仙普賢岳の堂々たる山容まで望めるほどだ。
この展望を我々だけで独り占めするのが惜しくなってくる。
根子岳、いいねぇ‥‥。
ドウダンツツジのトンネルを抜け、扇ヶ鼻へ
十分に眺望を堪能し、きびすを返して扇ヶ鼻をめざすとしよう。
扇ヶ鼻山頂までの最後の登りは、ちょうど満開を迎えたドウダンツツジが目を楽しませてくれた。
登山道の両側にこれでもかと花開くドウダンの群生。まるで花のトンネルをくぐっているようだ。
ドウダンの可憐な花々が、最後の登りのつらさをいやしてくれる。
これは白っぽいドウダンの花。
残念! 扇ヶ鼻のミヤマキリシマはまだまだ‥‥
扇ヶ鼻山頂着が11時4分。登山口から2時間21分。岩井川岳に寄り道した時間を考えれば、標準タイムというところか。
この日は晴れの予報がでていたにもかかわらず、空は曇天、気温は低め。おまけに山頂は強めの風が吹きつけるため、6月というのに寒さを感じるほどであった。
登山者の皆さんは風を避け、南側斜面に三々五々腰を降ろして昼食中。我々も適当な場所を見つけ、昼食としよう。
食後は山頂周辺を散策し、ミヤマキリシマの開花状況をチェックしてみた。
ご覧のとおり、開花はまだまだ先のようだ。
多くの株はつぼみのままの状態。初夏らしい陽光と気温になれば、すぐにも開花しそうな気配なのだが‥‥。
星生山を背にして扇ヶ鼻を見上げた画像。全体的に1、2分咲きといったところ。
扇ヶ鼻分岐の近くまで歩き回ったが、どこも似たような状況。安心したのは、虫害により白骨化した株が少なかったこと。
このまま順調に開花してほしい。
ついでに星生山まで登ろうかと思ったが、風は冷たいし、ミヤマを眺める楽しみもない。
どちらからともなく「何もなくて寒いから、帰ろうか」と声が上がる。
楽しくなければ無理はしない、高齢者の思考はシンプルなのだ。
筋湯温泉で汗を流す
本日の温泉は、筋湯温泉の「岩ん湯」(露天風呂)。コロナ禍の非常事態宣言中とあっって、温泉街の人通りも寂しいものだった。
脱衣場で衣類を全て脱ぎ捨てたS氏が「(車内に)タオルを忘れた!」と青ざめる一幕もあったが、用意周到な小生がさりげなく予備タオルを差し出し、一件落着。
独占状態の露天風呂にどっぷりと浸かり、疲れを癒やす。体がほどよく温まるにつれ、扇ヶ鼻のミヤマを楽しめなかった口惜しさがつのってくる。
帰路、耶馬溪の「川部精肉店」に立ち寄り、憂さ晴らしも兼ね揚げたてのから揚げにかぶりつく。
満足の味だった。
この後S氏は助手席を倒し、爆睡! ハンドルを握る小生の耳に、軽いいびきが聞こえてきた。
早朝から車を出していただき、感謝、感謝。
※ 「瀬の本~扇ヶ鼻」ルートの過去記事
※ 過去の山行記事
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