奈良&京都見聞録(1) 旅のお題とガイドライン

投稿日:2018年12月26日 更新日:

※ 本稿は2018年12月15日の記録を、12月26日にアップしたものです。

目次

今回の旅のお題は5つ

 12月15日(土)午前5時30分。愛車マークXジオのエンジンをスタートさせ、マイカーによる夫婦ふたり旅が始まった。今日は一日かけて奈良までの約600kmをのんびり走るつもりである。

 カミさんには詳しく話していないが、今回の奈良&京都の旅のお題は、次のとおり。

  1. マイカーで奈良&京都まで旅をし、無事に帰宅する。
  2. 久しぶりに奈良の古寺・名社を訪れる。
    春日大社、興福寺の中金堂と阿修羅像を拝観し、薬師寺、唐招提寺を30年ぶりに訪ねてみる。
  3. 京都では、まだ訪れていない名所・旧跡を訪問する。
    長い歴史を有する京都には、まだ訪れていない名所・旧跡がたくさんある。今回のメインは京都迎賓館の一般公開である。
  4. 毎月21日に開かれる東寺の「弘法市」を楽しむ。
    京都には長い歴史を持つ市が二つある。毎月25日に北野天満宮で開かれる「天神市」と、毎月21日に東寺で開かれる「弘法市」がそれ。今回は初めて弘法市をのぞいてみることにした。
  5. 旅行中に本ブログの記事を2つ以上アップする。
    まだ書き終えていない「東京見聞録」の残りを旅先で書き上げ、アップする。「ノマじい」(ノマドじいさん)への挑戦を兼ねた旅である。

 旅を終えた今、5つの課題を全て達成できたことを嬉しく思っている。

 パック旅行は気軽に参加できるしそれなりの楽しさもあるが、ベルトコンベアーに乗せられたような感は否めない。そんな受け身の旅より、自分なりに旅の目標を設定し、自由にプランを練り、体調と気分に応じて臨機応変に対応できる旅の方がはるかに楽しい。

 もっともカミさんは、のんびり「非日常」が楽しめればそれで満足のようだが。

 時間と生活に追われた現役時代はとてもこんな悠長な旅は無理だったが、リタイヤしたシニアには時間はたっぷりとある。これを楽しまない手はあるまい。

 本稿より数回に分けて、奈良と京都の旅の様子をお伝えしようと思う。

 

マイカー旅行の原則

 さて、旅行初日は福岡から奈良までの移動のみ。夫婦ふたりのマイカー旅行の利点は、なんと言っても自由度と柔軟性の高さだ。

 夫婦なら運転に疲れて、このあたりで休もうと思えば、気兼ねなくすぐ車を止めて休むことができる。旅のスケジュールも、体調や気分に応じて柔軟に変更可能である。今日は雨だから(疲れたから)ホテルでゆっくりすると決めれば、終日読書やごろ寝で過ごすこともOKである。

 数年間マイカーのふたり旅を重ねるうちに、何となく旅行のガイドラインのようなものができてきた。現在のわが家のガイドラインは次のようなものである。

  1. 「ベースキャンプ」型の旅行を基本とする。
  2. 運転に無理は厳禁、安全第一を心がける。
  3. 情報通信機器を利用し、情報をうまく収集・活用する。
  4. 万一に備え、車中泊の準備をしておく。

「ベースキャンプ」型の旅行を基本とする

 テレビ等で「ベースキャンプ」を設置する登山隊をご覧になった方も多いと思う。ベースキャンプとは、登山隊の本部、食堂、補給基地、休養地を兼ねる拠点である。登山者はここから必要最小限の装備で、周囲の高山へ出かけて行く。

 これにならって、我々も訪問地のホテルに車や重い荷物を預け、軽装で周辺の名所や名勝を観光して回っている。観光先は午前と午後に各1ヶ所ずつと、あまり欲張らない。

 余った時間はその日の気分や天候次第で、自由に好きなことを楽しむようにしている。ウインドウショッピングや色々な体験、美しい風景を眺めながらぼんやり過ごす時間に充てることもある。

 滞在型の旅なので、交通手段は徒歩が多い。小生もカミさんも歩くことはそれほど苦にはならない。1日10km以上歩くこともある。今回は、奈良ではほとんど徒歩、京都では市営バスと徒歩で観光して回った。

運転に無理は厳禁、安全第一を心がける

 シニアの長距離ドライブの大敵は、加齢による体力不足、回復力・判断力・敏捷性の衰えである。若い時のように高速を時速100kmで2時間走るような運転は厳禁である。

 とにかく「無理は厳禁、安全第一」を心がけることが肝要。わが家の場合は、次のような点に留意している。

  • 「早立ち、早着」が原則(登山と一緒)。
  • 1日の走行距離は、600km~700kmまで。
  • 走行距離100km、または60分~90分ごとに休憩をとる。
  • 小生が100kmを2回運転したら、カミさんに交代し100km程度運転してもらう。
  • 昼食後は、昼寝の時間(20~30分程度)をとる。
  • 日暮れ以降の運転は極力避ける(疲労と夜間運転は事故の確率高し)。

スマホとノートPCで情報を活用する

 カーナビの利用はもちろんだが、助手席でノートPC、スマホ、Wi-fiルーター等を利用できるようにしている。助手席にいるナビ役が、電話、メール、ネットでの情報収集等が即座にできるというのは、とても便利である。

 「このあたりにコンビニはないか、ガソリンスタンドは?」「天気はどうなっている? ついでに道路の渋滞状況は?」「次のSAのお勧めの食べ物は?」「今晩車中泊できそうな場所を探してみて」、「ホテルとのやりとりの記録を確認してくれるか」等の疑問や要求に即対応できるからだ。

 事前に集めた旅の情報も、”EVERNOTE” というクラウド上のデータベースに保存しているので、ネットが利用できる環境であれば、「いつでもどこでも」検索可能である。

 

 これは余談だが、GPSを利用した自動運転システムと人間と対話し要求に応えてくれるAIスピーカーが普及すれば、ドライブ旅行は劇的に楽になると思っている。

 ナビに「これから奈良の〇〇ホテルまで、高速道路を利用して走ってくれ」と指示し、運転中に「近くでうまい蕎麦が安く食べられる店をさがして」とAIスピーカーに尋ねる時代は意外に近いのではないだろうか。

万一に備え、車中泊の準備をしておく

 いざとなったらどこでも泊まれるように車中泊の準備をしていると、安心感がまるで違う。わが家は、登山用のダウン・シュラフ(寝袋)、マット、携帯枕等を積んで、マイカー旅行に出かけることにしている。これさえあれば、何か非常事態が起きても、道の駅や高速道路のSA、PA等で一夜を過ごすことができる。

 「今日中に帰宅しなければ」と無理を押して走ったり、「宿泊施設がなかったらどうしよう」と途方に暮れる心配は皆無となる。「週末(金・土曜日)はホテルの予約が一杯で料金も高い」という場合は、車中泊を積極的に利用すれば、悩みも解消されるというものだ。

 わが愛車マークXジオ号は、2列目と3列目のシートを倒すとほぼフラットになるので、夫婦二人が横になって眠ることは可能である。この車の売りは「セダンの乗り心地とミニバンの利便性を合わせ持つ3列シートモデルです」とは、ディラーの営業担当者の言葉である。ちまたでは「だんご虫」と呼ばれることもあるらしいが。

TOYOTA マークXジオ(出典:Response サイト

 

奈良のホテルに到着、周辺の偵察に出かける。

 約100kmの走行距離ごとに充分な休憩をとり、きちんと昼寝時間も確保し、JR奈良駅に隣接するホテルに着いたのが15時頃。約600kmを9時間30分(含休憩時間)で走破(?)したことになる。実にのんびりとしたドライブである。

 ホテルのロビーでは、大きなクリスマスツリーが出迎えてくれた。古都・奈良のイメージとキリスト教の装飾はミスマッチの感もあるが、光り物は好きなので良しとしよう。

 部屋で一服した後、周辺を偵察に出かけることにした。終日車内で過ごしたので少し歩きたかったのと、明日からの土地勘を養うためでもある。
 JR奈良駅構内の「奈良のうまいものプラザ」前で「せんとくん」に遭遇。大仏様(?)の頭から鹿の角がにょっきり、少し違和感があるなぁ。

奈良のマスコットキャラクター「せんとくん」

 今年が春日大社創建1250年、興福寺中金堂再建落慶の年に当たることを知る。春日大社の歴史が千年を超すとは、さすが大和の国である。

 偵察を兼ねたウォーキングを終え、ホテルに設置された大浴場で汗を流す。ビールを飲み終えたら、もう目を開けてはいられない……。20時過ぎには爆睡だった。

 


※ シリーズ「奈良&京都見聞録」関連記事はこちら  >

 

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