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シニアの家めし(29) 味噌16kgを一人で作る、ミンサー導入顛末(てんまつ)記

投稿日:2021年2月5日 更新日:

ミンサーで大豆をつぶす 味噌作り

電動ミンサーで大豆をつぶしてみる。

 今年も味噌作りの季節がやってきた。寒さが厳しいこの季節は雑菌が繁殖しにくいため、味噌を仕込むのに最適の時期なのだそうだ。
 今年は新兵器(?)「電動ミンサー」を導入し、作業の効率化を図ることにした。

※ これまでの味噌づくりの様子はこちらをどうぞ >
シニアの家めし(15) なぜ、自分で味噌をつくろうと考えたのか?
シニアの家めし(16) 自分で味噌をつくってみた。
シニアの家めし(21) 昨年仕込んだ味噌の「味噌開き」

目次

大豆をつぶす電動ミンサーがほしい!

 わが家の味噌作りも今年で4回目。2018年2月に地域の「みそづくり教室」に参加し、味噌2kgを作ったのが事の始まり。

 翌年、1年間熟成させた味噌を溶き入れたみそ汁を飲み、そのまろやかでコクのある味に感激。「こんな美味いみそ汁を毎朝飲みたい」と考え、味噌16kgを2回に分けて作り始めた。

味噌作り 大豆と塩切り麹

大豆1.5kg(左)と塩切り麹5kg(右)、これで味噌8kgを作ることができる。

 家庭での味噌作りは、結構な手間と時間がかかる。中でも「煮る(蒸す)」時間の長さと大豆をつぶす労力が大変なのだ(わが家では大豆のうま味が逃げないように蒸している)。

 昨年のメモによれば、大豆を蒸すのに3時間30分、豆を潰す作業はカミさんと2人がかりで2時間近くかかっている。

 

 蒸すのはガスコンロにお任せなのだが、豆つぶしはそうはいかない。体力と根気が必要な肉体労働である。

 最初は蒸し上がった大豆をビニール袋に入れ、足で踏んでつぶしていたが、潰し残した大豆がたくさん残りカミさんの不評を買ってしまった。

 昨年は手回しのミンサーを購入し、カミさんと二人がかりで取り組んでみた。豆はうまく潰れたが、それでも2時間近い悪戦苦闘が続き、疲れてしまった。

手動ミンサー

昨年買った手動ミンサー。少量の味噌作りには良いのだが‥‥。

 結局、16kgの味噌を作るには手動ミンサーでは役不足ということがよく分かった。

 その後、家庭用の電動ミンサーが販売されていることを知り、YouTube動画でその威力を視聴したのがいけなかった。

 いとも簡単に豆を潰す雄姿(?)にすっかりはまってしまい、電動ミンサーがほしいという願望がふくれ上がってくる。

 あれこれ物色して最終候補に残ったのは、「福農産業 電動ミンサー SG-30」という製品。amazonで税込み12,980円(2021年1月16日現在。送料はプライム会員なので無料)。

電動ミンサー 味噌作り

 購入に当たり、懸念したのは次の3点。

  1. 定格時間:15分
    どうやら15分以上の連続使用はできないようだ。連続で使用する場合は15分以内でいったん止め、最低3分以上本体を冷やす必要があるとのこと。
  2. 部品内部の油の付着
    amazonのカスタマーレビューでは、中の部品に油が付着していると書かれていた。
    調べると、防錆のために予め油が薄く塗られているようだ。使用前にくず野菜等で試し挽きをすればよいとのこと。
  3. サイズの大きさ
    約29cm(幅)×約17cm(奥行)×約39cm(高さ)と結構な大きさである。わが家の台所には収納できる場所はない。
    年に1、2回の使用で済むのなら、納戸や押し入れの奥にでも収納することにする。
    電動ミンサーの仕様

 以下、本機の試用レポートである。 小生と同様、味噌作りに目覚め(?)、自分で味噌を作ってみようという方のお役に立てれば幸いである。

 

試用レポート~驚異のスピードに感激!

 実際の味噌作りの詳細について知りたい方は、本ブログの過去記事をご覧いただくとして、今回はミンサーによる豆潰しに特化したレポートである。

 次の写真は3kgの大豆を水に漬けたところ。大豆1.5kgを外径30cmの漬け物桶に入れ、その3倍の水に浸す。18時間以上水を吸った大豆は、丸々と膨れあがりずっしりと重い。味噌作り 水に漬けた大豆

 続いて蒸す作業。1桶分の大豆が中華せいろ(外径27cm)2段に何とか収まる量である。蒸気が上がり始めてからせいろを置き、1時間ごとに鍋にお湯を足していく。
 過去の経験から、蒸し時間は3時間30分。

味噌作り 大豆を蒸す

今年は中華せいろで蒸してみた。せいろ内には大豆がぎっしりと詰まっている。

 蒸し上がった大豆はかなりの量。これだけの大豆を2回潰すには、大変な労力が必要となる。

味噌作り 大豆を蒸す

蒸し上がった大豆、外径27cmの中華せいろに山盛りの量だ。これで1回分。

 ここで電動ミンサーSG-30号の登場! 

電動ミンサー 味噌作り

 蒸し終えた大豆を上部の受け皿に投入しスイッチを入れると、ごう音と共に潰し作業が始まる。1回目は直径7mm穴のカットプレートで試してみた。

電動ミンサー 味噌作り

 みるみる内にスパゲティ状の大豆がたらいに溜まっていく。あまりのスピードに、思わず歓声が出てしまう。結局7分弱で作業終了。昨年までの悪戦苦闘(?)はいったい何だったんだろう。

 2回目は、もっと細かい5mm穴のプレートを使用。穴が小さくなったため、投入する豆の量を調整しながらの作業。こちらは約10分で挽き終えることができた。
 

電動ミンサー 味噌作り

 潰し終えた大豆に塩切り麹(麹と塩をまぜたもの)5kgを加え、よく混ぜ合わせる。

 混ぜ終えたみその材料が次の写真。直径45cm、高さ15cmのたらいに8割ほどの量だ。これを手で丸めて味噌玉を作り、桶に詰め込んでいけば味噌の仕込みはほぼ終了。

味噌作り

 カミさんの手をわずらわすことなく、小生一人で16kgの味噌の仕込みを終えることができた。してやったりと、思わずほくそ笑む。

 

電動ミンサーのメリットとデメリット

 たった一度(正確には2回)しか使用していないため偉そうなことは言えないが、とりあえず使ってみた感想を記すと‥‥、

【電動ミンサーのメリット】

  • とにかく速くて楽!
    7分~10分で豆潰し完了! 余りにあっけなくて拍子抜けするほどだ。
  • 分解、洗浄も意外と簡単
    使用後に分解した部品を洗う作業が必要だが、これも意外に簡単だった。
  • 心理的負担が軽減!
    「またあのつぶす作業をやるのか」というストレスが払拭され、楽しく味噌作りに取り組もうという気分になる。

【電動ミンサーのデメリット】

  • 高価!
    「たかが年に1回の味噌作りに12,980円の出費はもったいない」とカミさんは言う。
  • サイズの大きさ
    やはり予想外にサイズが大きくて、収納場所に困る。
  • 動作音がかなり大きい
    マンションで夜間に使うのは少しはばかられるほどの音量。昼間の10分程度の運転なら問題はない(と思う)。
  • 使用前後の手入れがめんどう
    使用後は「食用油(サラダオイル等)を塗布し、防錆して保管してください」とマニュアルに書かれている。
    次回使用に当たってはくず野菜等で試し挽きを行い、油を除く作業が必要となるようだ。

 次の写真は味噌作り後にSG-30を分解し、洗い終えた部品。組み立て・分解は意外と簡単。
 各パーツに食用油を塗布する作業は、いささかおっくうである。

電動ミンサーの部品 味噌作り

 

「ジジイのおもちゃが一つ増えた」のかも‥‥

 あれこれ悩んでみたが、結論として買ってよかったと思う。この豆潰しのスピードと便利さは、本当に凄い! もう手作業の豆潰しにはもどれない。

 もし同好の士が2、3名集まれるのなら、共同購入するのが一番よいと思う。まぁこのご時世に、味噌を手作りしようかという御仁はなかなかいそうにないが‥‥。

 投資した金額約13,000円は、しっかり取り戻すつもりだ。日本男性の平均寿命は80歳と聞く。よって、最低12回は味噌を作り原資を償却すると決めている。

 ハンバーグやソーセージ作りも面白そうだ。先日知人からいただいたイノシシ肉で試してみようかと思案中だ。

 一方、カミさんは「ジジイのおもちゃがまた一つ増えた」と思っているようである。

挽き肉

 

◆本シリーズの次の記事はこちら >シニアの家めし(30) みそ玉を作って飲んで、考えた。  

◆本シリーズの他の記事はこちら >シリーズ「シニアの家めし」関連記事へのリンク

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