今年も味噌作りの季節がやってきた。寒さが厳しいこの季節は雑菌が繁殖しにくいため、味噌を仕込むのに最適の時期なのだそうだ。
今年は新兵器(?)「電動ミンサー」を導入し、作業の効率化を図ることにした。
※ これまでの味噌づくりの様子はこちらをどうぞ >
シニアの家めし(15) なぜ、自分で味噌をつくろうと考えたのか?
シニアの家めし(16) 自分で味噌をつくってみた。
シニアの家めし(21) 昨年仕込んだ味噌の「味噌開き」
目次
大豆をつぶす電動ミンサーがほしい!
わが家の味噌作りも今年で4回目。2018年2月に地域の「みそづくり教室」に参加し、味噌2kgを作ったのが事の始まり。
翌年、1年間熟成させた味噌を溶き入れたみそ汁を飲み、そのまろやかでコクのある味に感激。「こんな美味いみそ汁を毎朝飲みたい」と考え、味噌16kgを2回に分けて作り始めた。
家庭での味噌作りは、結構な手間と時間がかかる。中でも「煮る(蒸す)」時間の長さと大豆をつぶす労力が大変なのだ(わが家では大豆のうま味が逃げないように蒸している)。
昨年のメモによれば、大豆を蒸すのに3時間30分、豆を潰す作業はカミさんと2人がかりで2時間近くかかっている。
蒸すのはガスコンロにお任せなのだが、豆つぶしはそうはいかない。体力と根気が必要な肉体労働である。
最初は蒸し上がった大豆をビニール袋に入れ、足で踏んでつぶしていたが、潰し残した大豆がたくさん残りカミさんの不評を買ってしまった。
昨年は手回しのミンサーを購入し、カミさんと二人がかりで取り組んでみた。豆はうまく潰れたが、それでも2時間近い悪戦苦闘が続き、疲れてしまった。
結局、16kgの味噌を作るには手動ミンサーでは役不足ということがよく分かった。
その後、家庭用の電動ミンサーが販売されていることを知り、YouTube動画でその威力を視聴したのがいけなかった。
いとも簡単に豆を潰す雄姿(?)にすっかりはまってしまい、電動ミンサーがほしいという願望がふくれ上がってくる。
あれこれ物色して最終候補に残ったのは、「福農産業 電動ミンサー SG-30」という製品。amazonで税込み12,980円(2021年1月16日現在。送料はプライム会員なので無料)。
購入に当たり、懸念したのは次の3点。
- 定格時間:15分
どうやら15分以上の連続使用はできないようだ。連続で使用する場合は15分以内でいったん止め、最低3分以上本体を冷やす必要があるとのこと。 - 部品内部の油の付着
amazonのカスタマーレビューでは、中の部品に油が付着していると書かれていた。
調べると、防錆のために予め油が薄く塗られているようだ。使用前にくず野菜等で試し挽きをすればよいとのこと。 - サイズの大きさ
約29cm(幅)×約17cm(奥行)×約39cm(高さ)と結構な大きさである。わが家の台所には収納できる場所はない。
年に1、2回の使用で済むのなら、納戸や押し入れの奥にでも収納することにする。
以下、本機の試用レポートである。 小生と同様、味噌作りに目覚め(?)、自分で味噌を作ってみようという方のお役に立てれば幸いである。
試用レポート~驚異のスピードに感激!
実際の味噌作りの詳細について知りたい方は、本ブログの過去記事をご覧いただくとして、今回はミンサーによる豆潰しに特化したレポートである。
次の写真は3kgの大豆を水に漬けたところ。大豆1.5kgを外径30cmの漬け物桶に入れ、その3倍の水に浸す。18時間以上水を吸った大豆は、丸々と膨れあがりずっしりと重い。
続いて蒸す作業。1桶分の大豆が中華せいろ(外径27cm)2段に何とか収まる量である。蒸気が上がり始めてからせいろを置き、1時間ごとに鍋にお湯を足していく。
過去の経験から、蒸し時間は3時間30分。
蒸し上がった大豆はかなりの量。これだけの大豆を2回潰すには、大変な労力が必要となる。
ここで電動ミンサーSG-30号の登場!
蒸し終えた大豆を上部の受け皿に投入しスイッチを入れると、ごう音と共に潰し作業が始まる。1回目は直径7mm穴のカットプレートで試してみた。
みるみる内にスパゲティ状の大豆がたらいに溜まっていく。あまりのスピードに、思わず歓声が出てしまう。結局7分弱で作業終了。昨年までの悪戦苦闘(?)はいったい何だったんだろう。
2回目は、もっと細かい5mm穴のプレートを使用。穴が小さくなったため、投入する豆の量を調整しながらの作業。こちらは約10分で挽き終えることができた。
潰し終えた大豆に塩切り麹(麹と塩をまぜたもの)5kgを加え、よく混ぜ合わせる。
混ぜ終えたみその材料が次の写真。直径45cm、高さ15cmのたらいに8割ほどの量だ。これを手で丸めて味噌玉を作り、桶に詰め込んでいけば味噌の仕込みはほぼ終了。
カミさんの手をわずらわすことなく、小生一人で16kgの味噌の仕込みを終えることができた。してやったりと、思わずほくそ笑む。
電動ミンサーのメリットとデメリット
たった一度(正確には2回)しか使用していないため偉そうなことは言えないが、とりあえず使ってみた感想を記すと‥‥、
【電動ミンサーのメリット】
- とにかく速くて楽!
7分~10分で豆潰し完了! 余りにあっけなくて拍子抜けするほどだ。 - 分解、洗浄も意外と簡単
使用後に分解した部品を洗う作業が必要だが、これも意外に簡単だった。 - 心理的負担が軽減!
「またあのつぶす作業をやるのか」というストレスが払拭され、楽しく味噌作りに取り組もうという気分になる。
【電動ミンサーのデメリット】
- 高価!
「たかが年に1回の味噌作りに12,980円の出費はもったいない」とカミさんは言う。 - サイズの大きさ
やはり予想外にサイズが大きくて、収納場所に困る。 - 動作音がかなり大きい
マンションで夜間に使うのは少しはばかられるほどの音量。昼間の10分程度の運転なら問題はない(と思う)。 - 使用前後の手入れがめんどう
使用後は「食用油(サラダオイル等)を塗布し、防錆して保管してください」とマニュアルに書かれている。
次回使用に当たってはくず野菜等で試し挽きを行い、油を除く作業が必要となるようだ。
次の写真は味噌作り後にSG-30を分解し、洗い終えた部品。組み立て・分解は意外と簡単。
各パーツに食用油を塗布する作業は、いささかおっくうである。
「ジジイのおもちゃが一つ増えた」のかも‥‥
あれこれ悩んでみたが、結論として買ってよかったと思う。この豆潰しのスピードと便利さは、本当に凄い! もう手作業の豆潰しにはもどれない。
もし同好の士が2、3名集まれるのなら、共同購入するのが一番よいと思う。まぁこのご時世に、味噌を手作りしようかという御仁はなかなかいそうにないが‥‥。
投資した金額約13,000円は、しっかり取り戻すつもりだ。日本男性の平均寿命は80歳と聞く。よって、最低12回は味噌を作り原資を償却すると決めている。
ハンバーグやソーセージ作りも面白そうだ。先日知人からいただいたイノシシ肉で試してみようかと思案中だ。
一方、カミさんは「ジジイのおもちゃがまた一つ増えた」と思っているようである。
◆本シリーズの次の記事はこちら >シニアの家めし(30) みそ玉を作って飲んで、考えた。
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