山行記録

平尾台、セイタカアワダチソウ駆除に汗を流す

投稿日:2022年10月5日 更新日:

開花したセイタカアワダチソウ(画像出典:photo AC)

 10月2日(日)は、所属するアタック山の会の「外来種駆除」ボランティアの日。平尾台自然観察センターと連携し、平尾台にはびこるセイタカアワダチソウ(背高泡立草。以下「アワダチソウ」という。)駆除に取り組もうというもの。

※ 本稿は2022年10月2日の活動記録を、10月5日にアップしたものです。

少しずつ広がる駆除活動

 この活動、日頃お世話になっている平尾台の自然に感謝し、年に1度くらいは環境保全のお手伝いができたら、という趣旨で始まったもの。
 2019年10月に第1回駆除活動を行ったが(その時の記事はこちら)、20年、21年はコロナ禍で中止となっていた。

 コロナ陽性者の減少と感染状況緩和を受けて今年は実施と決まり、当日は13名のメンバーが参加した。

平尾台自然観察センター

福岡県立平尾台自然観察センター

 午前7時30分、自然観察センターで保全活動担当の古川さんからオリエンテーションを受ける。アワダチソウの植生、生態、上手な抜き方、本日の担当地域等のレクチャーを受講。

平尾台自然観察センター

 古川さんによれば、2017年10月から個人的にアワダチソウ駆除5ヶ年計画を開始され、今年は5年目に当たるという。当初は一人でアワダチソウ駆除に取り組んでいたとか。

 2019年以降は、当アタック山の会だけでなく日本山岳会北九州支部や「YAMAボ」等の団体が参加。草刈ボランティアなどの協力も得て、アワダチソウ駆除だけでなく、登山道整備等も実施できるようになる。その結果、平尾台にのさばっていたアワダチソウもかなり減少してきたそうだ。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 以下、古川氏のレクチャー概要。

 セイタカアワダチソウは、キク科のアキノキリンソウ属の多年草。

 明治時代に園芸目的で持ち込まれた帰化植物で、急速に広がったのは第二次世界大戦後。蜜源植物として優秀であるため、養蜂業者が積極的に種子を散布したとの説もある。

 要注意外来生物に指定され、日本生態学会により、日本の侵略的外来種ワースト100に選出されている。

 9~10月に開花し、11月にランナー(地上近くを這って伸びる茎)発芽するため、この時季に根元から抜き去るのが最も効果的な駆除法。抜かずに放置すると、そのすさまじい繁殖力であっという間に地面を覆い尽くしてしまう。

 

汗まみれの抜根作業

 オリエンテーションを終え、車で茶が床園地から先の舗道を進み、NTTの鉄塔付近に駐車。
 周防台、桶ヶ辻へと続く稜線にススキが秋の風情を添えてくれる。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 登山道には野生の栗も‥‥。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 本日駆除する「A地点」に向かって、登路を進む。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 午前9時前に四方台にいたる斜面に到着。最初に駆除に取りかかった「A地点」は、まだ黄色の花は咲いていない。
 背丈を越すほどのアワダチソウがこれでもかと広がり、闘志(?)をかき立ててくれる。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

赤丸内は全てアワダチソウ

 視線を上げると、見慣れた貫山頂への登路が‥‥。秋晴れに恵まれた今日は、相当数のハイカーが山頂をめざすことだろう。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 アワダチソウの群生地に強引に分け入り、それぞれ手近のものから1本ずつ抜根に取りかかる。両手で茎の根元近くをつかみ、引き抜くが結構手強い。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 40代のU氏、慣れた手つきで次々に手際よく抜いていく。パワー全開、かなりの攻撃力だ。女性陣は、手強い草は2人がかりで抜きにかかっている。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 若くもない小生は「年寄り半日仕事じゃ」とばかり、ゆっくりのんびり作業させていただく。それでも何とか達成感を感じたいので、抜いた本数を数えていた。160本くらいまで覚えていたが、誰かに話しかけられると、数えていることさえ忘れるというお粗末。

 駆除したアワダチソウは、根を斜面の上に向けて日光にさらすとよいのだとか。駆除済みのアワダチソウが、あちらにもこちらにも積まれていく。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 古川氏によると、「山の稜線近くや道がない草原地帯の駆除は、一般のボランティアにはお願いしにくいんです」とのこと。

 なるほど山を歩き慣れている我々なら、多少のアップダウンは気にならない。登山靴と長袖・長ズボンが定番ウェアなので、深い草むらや湿潤地での作業も問題なし。陽光にさらされても、日焼けが気になる人はあまりいそうもない。虫や熱中症対策にも慣れているからなぁ。

 1時間ほどでアワダチソウの群生がきれいに駆除され、ススキの穂が秋風になびく草台地が現れた。「気持ちがいいねぇ」との声に、小生の頬もほころんでくる。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 「次は、あそこをお願いします」
 古川さんは次の群生地を指さしている。藪こぎをしながら、竹笹や胸まである草を踏み分け踏み分け、道なき草原を移動する。
 次の群生地を見つけると、草むらに突入!

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 こうして約2時間30分。この日は最高気温が30度を超える真夏日で、照りつける日差しはかなりのもの。流れる汗を拭きながらの作業であった。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 11時50分、NTT鉄塔付近の駐車位置に戻る。秋風に吹かれながらの昼食を予定していたが、全く日陰が見つからない。車でセンターにもどって屋外のベンチで昼食をとることにする。

平尾台 セイタカアワダチソウ駆除

 昼食後は、センターの研修室で反省会と学習会を開催。

 登山マナーと会則の確認。登山装備品(ヘルメット、ストック、手袋、ロープ等)の使い方等。最後にU氏からキノコと植物の楽しい話を聞き、14時30分に本日の予定終了。

 有意義な一日を過ごすことができた。皆さん、お疲れ様でした。今夜はうまいビールが飲めそうだ。

 

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 晩秋の平尾台、空蒼く銀すすき揺れる

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