テント泊山行2日目は、来年の山行計画立案のための下見。主な下見予定地は、南登山口、沢水(そうみ)キャンプ場、一番水登山口、そして各登山口までのアクセスルートの確認である。一番水登山口からは、朽網(くたみ)分れを経て鍋割坂・佐渡窪までの実地踏査も行うとのこと。
※ 前日の山行記録はこちら >扇ヶ鼻・久住山、赤川登山口から周回山行 (1)、 (2)
※ 本稿は2019年11月16日の下見山行記録を、11月29日にアップしたものです。
目次
下見のチェックポイント
昨日出発前にSリーダーから渡されたペーパーを取り出してみる。「下見で確認すること」と題して、多くのチェックポイントが箇条書きされていた。
【下見で確認すること】
- 集合場所から登山口まで(往路)
ルートの確認、トイレ休憩の場所、高速料金と走行距離、所要時間 - 登山口
駐車スペース、(トイレ) - 登山ルート
危険箇所、休憩ポイント、エスケープルート、避難場所、
各ポイントまでの所要時間、雨天の場合の予測、
危険箇所に対する対策(装備や人的フォローなど)
熱中症対策(こまめな水分補給のための休憩ポイント) - 登山口から集合場所(出発地)まで(復路)
ルートの確認、トイレ休憩と精算の場所、高速料金と走行距離、所要時間
これを拝見し、これだけの準備をしているからこそ、安全・安心な月例山行が実施できているのだと感心し、感謝することしきりであった。
山の会では当たり前のことなのだろうが、自由気ままな一人歩きから山を始めた小生には、思い至らないことも幾つかあり、認識の甘さを反省させられた次第。
「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」という危機管理の要諦は、ここでも生きている。
なお、今回はスマホを携帯し忘れたため(汗)、YAMAPによる山行軌跡図と山行データは掲載していない。
一番水登山口から朽網(くたみ)分かれまで
久住高原沢水キャンプ場で営業期間や利用の便を確認し、一番水登山口に移動する。一番水登山口の目印は、「レゾネイトクラブくじゅう」の建物とこの堂々たる標識。
標識を通り過ぎて少し進むと、右手に「レゾネイトクラブくじゅう」の第3駐車場がある。ここは同ホテルのご好意で、登山者に開放されているとのこと。既に数台の車が止まっていた。トイレはないので、途中くじゅう花公園で用をすませておいた方がよい。
身支度を整え、来た道をもどって登山口へ向かう。今日もいい天気だ。先ほどの「一番水」標識の辺りに来ると、「登山道入口」の標識で道はすぐ分かる。4,000本の山桜を目当てに訪れる観光客も多いのだろう。
よく整備された登山道に足を踏み入れると、いきなり紅葉のお出迎え。どうやら今日も紅葉の競演が楽しめそうだ。
ゆるやかな傾斜の登りを20分余り進むと「4,000本の山桜」の標識に出合う。この先がここ数年話題となっている山桜エリアである。
穏やかな勾配の谷間に入ると、数え切れないほどの山桜が林立している。標高950mほどの山桜の森は壮観である。聞くところによると、かつて植樹された山桜がそのまま放置され、荒れ放題になっていたそうだ。地元のNPO法人「久住高原みちくさ案内人倶楽部」がやぶを切り開き、登山道を整備してよみがえった場所だとか。
「満開時に遭遇すればさながら桃源郷だ」と言う人もいる山桜の森。今はすっかり葉を落とし、来春の開花を待っている。
ネットで「4000本の山桜 くじゅう」でググってみると、画像コーナーで満開時の美しい写真がご覧いただけよう。
山桜エリアを抜けると、すぐ「朽網(くたみ)分かれ」に到着する。「朽網」とはくじゅう連山を指す古名だっととのこと。ここで、沢水(そうみ)登山口からの登山道と合流する。
くたみ分かれから佐渡窪へ、紅葉の競演を堪能する
くたみ分かれから鍋割り坂、佐渡窪へと至る登山道は、昔から荷を積んだ馬を引いて歩いた古道だそうだ。かつてはくたみ集落と法華院を結ぶ生活道路だったらしい。
登山道はよく整備されており、幅広く歩きやすい道は樹林の中をジグザグに折れ曲がって続いていく。傾斜はそれなりにあるのだが、つづら折れの登山道はゆっくりと登るように作られており、息を切らすほどではない。
おまけに登山道の左右は、木洩れ日を受けた紅葉が最後の輝きを存分に見せてくれる。ウォーキング・ハイのような気分で歩ける道なのだ。
見事な紅葉を見つけては立ち止まって眺め入り、何度もシャッターを押すことを繰り返す。
足元には降り積もった落葉、一歩踏み出すたびにカサコソと音が聞こえる。だれにも会わないぜいたくな山の時間が流れていく。
「このルート、渋いですね」、「ここまで紅葉が楽しめるとは思わなかったねぇ」‥‥、全くだ。
気がつくといつの間にか、鍋割坂に着いていた。林の中に安置された石仏にお参りし、汗をぬぐって一休みする。今日はこの先の佐渡窪まで歩く予定である。
峠からわずかに下ると、雨期には池となる佐渡窪の湿原に出る。何もない広々とした空間に木道が延びている。
見渡す限り、我々以外は誰もいない。佐渡窪の空間を独り占めである。小春日和の陽光に包まれ、ただただ大きな風景に浸りながら、ゆったりと散策する。
豊かで、静かで、ぜいたくな時間だ。
しばらくすると向こうから中高年4人のパーティに出合う。今日初めて出合った登山者ではなかろうか。
時計を見ると10時30分。さあ、もう一度往路の紅葉を楽しんで下山することにしよう。
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