最後の紅葉ポイント、岩井川(いわいご)岳へと伸びる草台地。ここから望む扇ヶ鼻の紅葉は圧巻であった。一点の雲もない碧空を背に、どっしりと構えた全山が燃えている。
「凄い!」と声を出した後は、息をのんで立ち尽くすのみだ。
※ 前回の山行レポートはこちら >扇ヶ鼻~星生山、驚愕の人出を避けマイナールートで紅葉散策 (2)
※ 本稿は2020年10月24日の山行記録を、11月9日にアップしたものです。
扇ヶ鼻南斜面を染める錦繍の彩り
扇ヶ鼻山頂を13時過ぎに出発。周囲の紅葉を楽しみながら20分ほど下ると、いきなり広々とした草台地が開ける。後ろを振り返ると、扇ヶ鼻の紅葉が姿を現し始める。
噂に聞いていた扇ヶ鼻の紅葉、やっと見ることができた。何枚もシャッターを切りつつ、思わず「凄いねぇ!」「いいねぇ」と声が出てしまう。ここでも極上の綾錦を飽かず眺め尽くす。
周囲には誰も見当たらない。我々だけで独占していいのだろうか、と余計な心配をしてしまうほどだ。
午前中は濃いガスに包まれて分からなかったが、もし晴天だったなら、この錦繍(きんしゅう)の山容を望みつつ山頂をめざせたのだろう。
岩井川分岐から左をとり、岩井川岳(1,522m)をめざす。秋空の下、広々と開けた草台地をハイキング気分で進んでいく。前方右手には阿蘇五岳がかすんで見える。
振り返ると扇ヶ鼻全山が赤く燃えている。この絶景を誰かと共有したいという思いと、誰にも知られたくないという気持ちが入り交じり、複雑な心境だ。
13時38分、岩井川岳山頂着。
しばらく展望を楽しんだ後、分岐に引き返す。
後は周囲の紅葉とアセビのトンネルを楽しみながら、のんびり下山するのみ。
うららかな陽光を浴び、のんびり瀬の本登山口をめざす。下山中に遭遇した登山者は10名足らずであった。
15時1分に駐車場着。静かで充実した山行を堪能でき、大満足だ。
わかば荘での宴
今夜の宿は、いつもお世話になっている筋湯温泉「わかば荘」。湯治宿なので、素泊まり(自炊)が原則。鍋、かま、食器、ガス、電子レンジ、冷蔵庫まで揃っているので、食材・酒と調味料さえ持参すればよい。
筋湯温泉と同じ源泉(だと聞いている)の内風呂で汗を流し、のんびり気ままに過ごせるのが有り難い。
昨日作っておいたスモークチーズとくん玉(燻製煮卵)をつまみに、まずは湯上がりのビールを一杯。皿洗いの手を抜くため、ラップで皿を覆っているのが興ざめだが‥‥。
続いて、にわか仕立ての「鯛の昆布しめ」でワインを一杯。B氏によると、①ラップを広げた上に塩昆布をばらまく、②その上に鯛の刺身をのせ、ラップで包んでもむ。③冷蔵庫で30分から1時間置くと完成、だそうである。
これは簡単にできて、なかなかのうまさであった。グルメの山友がいてくれると、実にありがたい。
メインディッシュは鶏の水炊き。このあたりになると飲み食いと雑談に忙しくて、写真は撮れていない。うどんでシメて、満腹、満腹。腹がくちくなると、まぶたがくっついてくる。
狙っていた紅葉スポットを全て堪能できた満足感と、うまい料理と酒で陶然となり、いつものごとく9時過ぎには全員轟沈であった。
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