尺取り虫がミヤマキリシマの花芽や葉を食い荒らし、あちこちから登山者の失望の声が聞こえる今年のくじゅう連山。小生の知る限り、美しいミヤマを目にできるのは立中山、指山、大崩ノ辻、北大船山ぐらいだろうか。
せめて一度は美しく咲き誇るミヤマキリシマが見たい。静かな山行を期待し、山開き翌日の6月5日(月)に北大船山に出かけてきた。
※ 本稿は2023年6月5日の山行記録を、6月7日にアップしたものです。
コースと活動概要
0839 駐車場 ~ 0850 吉部登山口 ~ 1019-1036 坊がつる ~ 1205-1244 段原(昼食) ~ 1254-1313 北大船山 ~ 1416-1425 大戸越 ~ 分岐 ~ 1626 大船林道入口 ~ 1634 吉部登山口 ~ 1638 駐車場
※ 参加メンバー:2人(S氏、がしん)
活動時間(休憩時間) | 7時間55分(1時間34分) |
活動距離 | 13.4km |
累積標高上り/下り | 1000m/1000m |
カロリー | 2,226kcal |
写真中心の山行メモ
北九州を午前5時30分に出発、吉部の300円駐車場着が8時40分。月曜日とあって駐車している車もまばら、どうやら静かな山行が期待できそうだ。
吉部登山口から入山し、木の根株だらけの急登で一汗かくと、
後は、鳴子川左岸沿いのゆるやかな登山道を歩くのみ。テント泊装備を詰め込んだ大きなザックが目につくようになる。
美しい緑に覆われた登山道、爽やかな空気で身も心も浄化されるような道。「やっぱり、くじゅうはいいよねぇ」と常套句が口をつく。
1時間余り歩くと一気に視界が開け、坊がつるの展望がど~んと広がってくる。見渡す限り誰もいない、いいねぇ。
左の平治岳の山頂はうっすらとピンクに染まっている。虫害をまぬがれた株が、開花しているようだ。
坊がつるのテントサイト着が10時19分。平日とあってテントの数もまばらである。山開き前日は、相当な数のテントが立ち並んでいたそうだ。
小休止をとり元気を回復して、さっそく大船山の取り付きから段原をめざす。いつもながらの面白みのない登山道、淡々と歩を進めること1時間半で
段原(だんばる)に到着。満開のミヤマキリシマが出迎えてくれた。
右を見ると大船山を背景に咲き誇るミヤマ。
左にはこれから向かう北大船山。北側斜面はピンクの絨毯に覆われている。
いいねぇ。
振り返ると、くじゅう連山の大展望。
阿蘇の威容も遠望できる。
すぐ側には美しく咲き誇るミヤマキリシマの群生。たまらん!
ミヤマに囲まれ、阿蘇くじゅうの山々を眺めながらのランチは、ことのほか美味であった。
食後のコーヒーを楽しんでいると、隣のS氏がこっくりこっくり船をこぎだした。朝4時起きということもあり、満腹と同時に眠気が襲ってきたのだろう。
「横になって仮眠してみては」と勧めると、こんな姿勢で眠り始めた。
周囲に人の姿は皆無。そのままにして辺りをしばらく撮影していると、「大丈夫ですか?」という心配そうな声が。どうやら行き倒れと間違えられたようだ。さもありなん。
さぁ、ミヤマの間を縫うように続く稜線の道を花散策するとしよう。
こんなミヤマが咲き乱れる登山道を進んでいく。
展望もしっかり楽しまなくては。
振り返ると大船山の堂々たる山容がそびえる。時間があれば立ち寄りたかったのだが‥‥。
12時54分、北大船山着。
山頂付近には数名の登山者のみ。それぞれ幸せなひとときにご満悦のご様子。
「哀愁の後ろ姿」ポーズを決めるS氏。
大戸越(うとんごし)へ下る縦走路をゆっくりと進む。きれいな株を見つけると、なかなか前に進めない。
大戸越への下山時に見下ろした平治岳。虫に食い荒らされた西側斜面が茶色に変わり、被害の大きさがうかがえる。本来は一面のミヤマで彩られているはずなのに‥‥。
大戸越で視認すると、尺取り虫に喰われ白骨化した株がそこここに。何とも痛ましい姿で、心が痛む。
大船林道から先は、S氏と馬鹿話(?)に興じながら鳴子側右岸の登山道を歩く。やまなみ牧場温泉で汗を流し、交代で運転して帰宅。帰宅時間は20時20分、長い一日だった。冷たいビールが五臓六腑に染み渡る。
山を歩ける幸せを感じた一日だった。有り難いことである。
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