今年は1月20日が大寒だとか。そろそろ味噌を仕込む準備をしなければなるまい。
わが家では2018年から味噌をつくり始め、自作の手前味噌が毎朝の味噌汁や料理に大活躍してくれている。
昨年から2年熟成味噌(2019年2月作)が食べられるようになったので、カミさんと相談の上、味噌汁の作り方を変えたのが11月。
きっかけはこの本、『医者が考案した長生きみそ汁』(小林弘幸著、アスコム発行)である。
目次
「医者が考案した長生きみそ汁」とは
本書は2018年7月に初刊が発行され、2022年1月時点で「80万部突破!」の「大ベストセラー」だそうだ。
ちなみにamazonnの当該ページでは、次のように紹介されている。
★2019年年間ベストセラー単行本実用第1位! ! ! (日販、トーハン調べ)
★【「金スマ」】(TBS系)【「世界一受けたい授業」】(日本テレビ系)【「ヒルナンデス! 」】(日本テレビ系)【「徹子の部屋」】(テレビ朝日系)に著者出演で大反響!
★料理レシピ本大賞 in Japan第6回入賞!(料理部門)
★80万部突破! 大ベストセラー! !
自律神経研究の第一人者が考案! 日本人にとって最強の健康法! !
「長生きみそ汁」はテレビや週刊誌等でも報道され、ついに書名と同じ「医者が考案した長生きみそ汁」インスタント版がローソン店頭に登場することもあったという。
本書の著者は、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏。発酵食品の関連番組によく出演し、解説やコメントをされている方だ。
小生は2017年のNHK番組『きょうから発酵ライフ~体の真ん中から健・幸・美』(2016年の再放送)で、氏のことを知った次第。
「医者が考案した長生きみそ汁」(以下、「長生きみそ汁」と言う。)は、小林氏が試行錯誤の末に考案した健康みそ汁のこと。
ことわざに「医者に金を払うよりは、みそ屋に払え」とある。文字通り「病気になって医療費を払うよりは、その金で毎日みそを食べ、健康を維持しておけ」という意味。それほど健康効果の高い味噌パワーをさらに高めるために提案されたのが長生きみそ汁。
長生きみそ汁の作り方と効能
同書の内容を小生なりに要約すると、次のようになる。
【長生きみそ汁の作り方】
- 白味噌と赤味噌を半々の量で合わせ、これにすり下ろした玉ねぎと少量のリンゴ酢を加えて作る。
- 毎回作ると手間と時間がかかるため、まとめて(10食分ほど)作り、冷凍保存しておくと便利。
【長生きみそ汁の効能】
- 白みそには、ストレスを軽減してくれるGABAがたっぷり。
- 赤みそは、メラノイジンという抗酸化作用のある成分が豊富。
- 玉ねぎは、血液サラサラ効果たっぷりのケルセチンが豊富。
- りんご酢には、強力な抗酸化力をもつリンゴポリフェノールがが豊富。
この4つに旬の野菜や海藻などを加えていけば、たくさんの栄養を一杯でとれる「最高、最強」の健康食が出来上がる。
味噌の違いが分からない
本書を読み、長生きみそ汁が「最高、最強」の健康食であることはよく分かった。
ただ疑問だったのは、赤味噌と白味噌の定義がどこにも書かれていないこと。
たとえば「白みそ」とは、西京味噌のようなクリーミーで甘みのあるものなのか、それとも熟成期間が数ヶ月から半年までの淡色味噌をさすのか判然としない。
「赤みそ」は長期間熟成させ濃い茶褐色に変化したものをさすようだが、どれくらいの熟成期間を経たら「赤みそ」と呼んでよいのか、これも明記されてはいない。
判断基準は、味噌の色か、熟成期間の長さか、作り方に違いがあるのか? 日常的に料理に取り組んでいる方々には当たり前のことだろうが、65歳から包丁を使い始めた小生にはよく分からない。
カミさんに尋ねると、「熟成期間が長くなると色が濃くなるので、それが赤味噌、それほど熟成が進んでいない若い味噌が白じゃないの?」と言う。
しばらくは短期熟成の淡色味噌を「白みそ」として使ってみたが、どうも本書の白みその写真とは違うようだ。
すっきりしない中、合点がいったのは発酵家庭料理研究家「まごきょん」さんの比較表。まごきょんさんのブログ『発酵食で腸から Happiness! 』の「白味噌の作り方! 簡単にできちゃうあの西京味噌の味!?」から、引用させていただくことにした。
赤味噌 | 白味噌 | |
大豆の浸水時間 | 短い(3~8時間) | 長い(12~16時間) |
大豆の火入れ | 蒸すor煮る | 煮る |
麹の量 | 大豆(1):米麹(1) | 大豆(1):米麹(2) |
塩の濃度 | 11~13% | 5~7% |
大豆の薄皮 | そのまま | 皮をむく |
熟成期間 | 半年~1年 | 1週間~1ヶ月 |
保存性 | 高い | 低い |
(出典:『発酵食で腸から Happiness! 』)
なるほど、色や熟成期間だけでなく、材料(塩、麹)の量、作り方(浸水時間、蒸すか煮るか)等が違うことがよく分かった。今使っている淡色味噌(市販品)を使い切ったら、本物の白味噌を使用するとしよう。
ちなみに、現在赤味噌と合わせている淡色味噌は「円熟」(ひかり味噌、長野県諏訪郡下諏訪町)という商品。有機大豆、国産米、天日塩を使った無添加味噌。1.8kg入りで通常価格1,200円(税込)が特売で580円だったのでまとめ買いをしてしまった。この価格で販売するコストコは偉い!
出典:ひかり味噌公式サイト
現在のわが家の味噌汁
次の写真はわが家の今朝の味噌汁(小ネギを入れるのを忘れた!)。ごくごく当たり前の味噌汁である。
その作り方は次のとおり。
- 出汁(だし)
粉末だし(アゴだし、いりこだし)を合わせて使用。
前夜から水出汁で準備しておけばもっとうまいだろうと思うが、口に出せば「自分で作ったら」となるのは目に見えている。沈黙は金なのだ。 - 具材
必ず入れるのが次の4つ。玉ねぎの薄切り、キノコ(ぶなしめじが多い)、豆腐、油揚げ(厚揚げで豆腐と油揚げの代用をすること多し)。
玉ねぎはすりつぶすのが面倒なので、都度薄切りにして投入。後は、季節の野菜やワカメ等を適当に。 - 味噌
赤味噌(自作の2年熟成味噌)と淡色味噌(「円熟」、市販の短期熟成もの)を半々で。淡色味噌を使い切ったら、白味噌に変えるつもり。
火を止め少し冷ましたところで、味噌を合わせて溶き入れる(味噌の酵母は熱に弱いため)。 - おまけ
出来上がったみそ汁に甘酒(自作)を大さじ1杯投入することもある。味がまろやかになり、うまさが増す。
なお、長生きみそ汁に必須のリンゴ酢は昼食時に飲用しているため、味噌汁には入れていない。
味噌のおかげかどうかは不明だが、ごくたまに風邪をひく以外は、病院にお世話になることはほとんどない。カミさんも同じである(2人とも歯のメンテナンスには、定期的に通ってはいるが)。夫婦共に薬も飲まず、血圧の変化もないのは毎日の発酵食品(味噌、納豆、甘酒、塩麹等)の恵みによるものと思っている。
3年後に3年味噌を味わうため、今年は少し多めに仕込む予定である。折を見て白味噌にも挑戦してみたい。
※ 味噌に関する過去の記事はこちら >
シニアの家めし(15) なぜ、自分で味噌をつくろうと考えたのか?
シニアの家めし(16) 自分で味噌をつくってみた。
シニアの家めし(19) 味噌汁をいかにして簡単につくるか
シニアの家めし(21) 昨年仕込んだ味噌の「味噌開き」
シニアの家めし(29) 味噌16kgを一人で作る、ミンサー導入顛末(てんまつ)記
シニアの家めし(30) みそ玉を作って飲んで、考えた。
◆本シリーズ「シニアの家めし」の次の記事はこちら >シニアの家めし(35) 味噌24kgの仕込みで孤軍奮闘!
◆本シリーズ「シニアの家めし」の他の記事はこちら >シリーズ「シニアの家めし」関連記事へのリンク
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