奈良見聞録(2) 高速道路を乗り継ぎ、法隆寺へ

投稿日:2019年10月30日 更新日:

法隆寺大講堂前の燈籠

法隆寺大講堂前の燈籠

◆前回の記事はこちら >奈良見聞録(1) 気ままなマイカー旅行のスタート

※ 本稿は2019年9月24日の記録を、10月30日にアップしたものです。

目次

福山SAから斑鳩の里へ

福山SA

早朝の福山SA駐車場

 9月24日(火)午前5時起床。車外に出てみると車中泊とおぼしき車が約20台ほど。残りは長距離の大型トラックばかり。耳栓を付けていたので気がつかなかったが、トラックのエンジン音と車の走行音が意外に響く。

 洗面と着替え、荷物の整理を終え、6時走行開始。7時30分頃に竜野西SAで朝食。引き続き約90分の運転ごとに休憩を入れ、順調に距離を稼いでいく。

 

複雑な高速道路網を乗り継ぐ不安

 奈良への長距離ドライブの旅を思い立った時、最初に頭に浮かんだのは「大都市圏の複雑に交差する高速道路網を間違えずに走れるだろうか」という不安。ためしに関西圏の高速道路地図を開いてみると、一見しただけで腰が引けてしまいそうになる。 

関西圏の高速道路網

関西圏の高速道路網(出典:「どらプラ」サイト)

 こんな道を乗り継ぎ、無事に法隆寺にたどり着けるのか。一般道であれば一時停車して地図や状況を確認できるが、時速100km近いスピードで走行する高速道ではそれはかなわない。短時間で的確な判断を下していかないと、大きな事故につながるし、見当違いの方向に進んでしまう。

 愛車にはナビゲーション・システムが付いているが、小生はこれだけでは不安である。結果的には指示された通りに走行するのだろうが、あくまで運転の主体は自分。「腑に落ちる」準備をしておかないと、安心できない。

 

「二つの目よりは、四つの目」

 こんな時わが家では、複雑な道路網直前のSA(PA)でいったん休憩するようにしている。熱いお茶でも飲みながらゆったりと地図を眺め、これから通る「自動車道名」と、分岐(合流)する「ジャンクション名」を二人で確認していくのだ。

 今回は三木SAで休憩をとり、「山陽自動車道~<神戸JCT>~中国自動車道~<吹田JCT>~近畿自動車道~<松原JCT>~西名阪自動車道~<法隆寺IC>」と分岐(合流)点をしっかり把握し、出発。

 運転中はカミさんがナビのチェックをしつつ、「後〇〇km走ったら、▲▲JCTで■■■自動車道へ分岐(合流)」という指示を告げる。小生は次のJCT名と乗り継ぐ自動車道だけを頭に入れ、ハンドルを握る。ナビとカミさんのダブル・ナビシステム(?)で安全と安心を担保するわけだ。さらに「二つの目よりも、四つの目」で周囲の状況確認を行う、という次第。

 ‥‥最後の松原JCTで西名阪自動車道への乗り換えを終えると、さすがに安堵のため息が漏れた。法隆寺ICまではすぐである。

 法隆寺近辺の飲食店は観光客相手で高かろうと、香芝SAで早目の昼食をとることにする。SA内の「天丼てんや」店に11時の開店早々に入店、店内はガラガラに空いている。緊張から解放された後の天丼は、なかなかの美味であった。

天丼

出典:「天丼てんや」

 

法隆寺、静寂と清浄の境内

法隆寺の参道

法隆寺へ向かう参道、正午過ぎというのに人影なし。

 法隆寺駐車場着が正午過ぎ。3連休明けの火曜日とあって、ほとんど観光客の姿はない。人影の見えない石畳の参道を、ゆっくり歩いていく。松並木が続き、深い緑におおわれている。
 驚くのは、この広々とした参道に全くゴミが落ちていないこと。意地の悪い小生は目をこらすようにして見渡すのだが、見当たらない。

 やがて、南大門前の広場に着いた。いつもは観光客や修学旅行生でごった返すこの場所も、掃き清められており、清らかな空間が広がっている。この古寺を大切にいとおしむ人々の思いに、安らぎと感動を覚える。

法隆寺南大門

法隆寺南大門、周辺はゴミ一つないほど掃き清められている。

 南大門をくぐると、五重の塔を遠望する懐かしい光景が目に入る。たった2、3回しか訪れていないのに「懐かしい」という表現はおかしいのだが、不思議に不自然とは思わない。 

法隆寺

世界最古の木造建築、五重の塔が目に入ってくる。

 このあたりから旅行者の姿がちらほら‥‥。これだけ観光客が少なければ、静かにゆったりと法隆寺を味わえそうである。

※ 本記事の続きはこちら >奈良見聞録(3) 法隆寺、時は止まったまま息づく


※ シリーズ「奈良&京都見聞録」関連記事はこちら  >

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