※ 本稿は2018年10月20日の山行記録を、10月23日にアップしたものです。
くじゅう連山の定番紅葉スポットは、三俣山(みまたやま)のお鉢巡りと大船山(たいせんざん)の御池(みいけ)。この2座を1泊2日で歩くことにした。本稿は前回に続き、三俣山のお鉢巡りの山行レポートである。
※ 前回の記事はこちら >錦繍のくじゅう連山を歩く(1) 燃える三俣山
目次
三俣山南峰からお鉢巡りコースへ
今回は「Ⅳ峰→南峰→北峰→本峰」という反時計回りのコースを選択した。紅葉の時季のこのコースは、未体験だったからだ。
南峰から反時計回りで周回するコースの注意点は、南峰直下の分岐点をくれぐれも見落とさないことだ。小生は7月の山行で見落としてしまい、分岐点まで登り返すという苦い経験をしている。
※ 参考記事 >坊がつるでテント泊‥‥酷暑の中、三俣山南峰直登ルートに挑む (2)
(出典:「山旅クラブ」収録登山地図「_広域_九重_山系」)
南峰から下ること100mくらいだろうか、左側の頭の高さに写真の紅白のテープを確認できた。ここから右折すれば、お鉢巡りの周回路となる。後は赤テープをたよりに、道なりに進めばよい。
しばらく進むと、いきなり鮮やかな紅葉が目に飛び込んでくる。「これでもか!」という紅葉の饗宴がいよいよ始まるのだ。
大鍋の底で、絶品の紅葉に酔いしれる
お鉢巡りコースの東側最低鞍部から大鍋の底に下りていく。うっそうと茂った樹林の梢をくぐりお鉢の底に着くと、一気に視界が開ける。
「これは‥‥」、しばし言葉を失う絶景が眼前に広がる。北峰の南斜面を見上げ、息をのむ、何と素晴らしい紅葉だろう。
何時間も汗をかき、息をきらして歩いた者だけが味わえる至福の時間である。高く澄んだ秋空のもと、腰を下ろして飽かず味わい尽くす。脳みそがとろけそうである。これだから、山はやめられない。
何枚も何枚もシャッターを切るが、しょせんコンパクト・デジカメ。この美しさを写し切れないのがまことに残念である。最新の一眼レフ・カメラが欲しいとつくづく思う。
北峰から本峰へ
さて、お鉢から周回路に登り返し、次のビューポイント小鍋の懸崖を見下ろせる場所へ。ここからの紅葉も最高!
この日、お鉢巡りをする登山客はかなりの数であった。周回路のそこここで、行列や渋滞が目につく。帰宅時間を気にする必要がない小生らは、渋滞を避け、のんびりゆったり歩くことにする。
本峰にいたる鞍部で一息入れ、最後のきつい登りにとりつく。反時計回りのお鉢巡りは、この最後の本峰への登りが手強いのだ。両手両足を使い、時にはロープを頼りに急登を登る。気温も上がり、汗がしたたる。約20分程度のきつい登りを終え、14時34分に本峰着。
汗を拭きながら大鍋の紅葉を見下ろす。ここからの眺めも格別である。
腰を下ろしそよ風に吹かれていると、後から「凄~い! 凄~い!」という感嘆の声が聞こえてくる。どうやら今着いたばかりの女性グループのようだ。なかには、「スッゴ~ィ!」の三連呼までやるご仁や、「スゴ~イ!」の頭に「ウッソ~!」を添加する女性もいて、なかなか面白かった。
まぁ、ここまで頑張ったご褒美ですよね。こんな素晴らしい紅葉、来年もまた見られるとは限りません。「一期一会」、心をこめたっぷり味わいましょう。
見納めの紅葉を20分間ほど楽しみ、15時前に本峰を出発し帰路につく。標準タイム1時間ほどのお鉢巡りを2時間かけて周回したことになる。燃える三俣をたっぷりと味わいつくし、大満足である。
名残りはつきぬが、温泉とビールが待っている。「三俣よさらば また来る日まで‥‥」、替え歌を口ずさみながらスガモリ峠へと向かう。
下山後、いつもの湯治宿Y荘へ
今回の宿は筋湯温泉の湯治宿Y荘。もともと湯治客相手の宿だけに、宿料安い、駐車場完備。公共浴場すぐそば、内湯(源泉掛け流し)もあり。部屋に冷蔵庫、共同台所には炊飯器、ガス(有料)、電子レンジ、鍋・釜、食器常備でおかみさん親切。くじゅう登山には、よく利用させてもらっている。
少しぬるめの温泉で汗を流し、持参した食材、調味料、酒を広げて鶏鍋としゃれこむ。疲れた体に乾いた喉、「空腹は最上のソース」とはよく言ったものだ。食べ始めの10分くらいは無言の時間が続く。
熱々の鶏鍋をつつきながら、ビールを喉に流し込む。次は焼酎のお湯割りに大分名産のカボスを搾り入れて味わう。心地よい酔いが全身にゆき渡る。
午後8時にはくずれ落ちるように眠りにつき、翌朝4時まで爆睡であった。
※ 本稿の続きはこちら >錦繍のくじゅう連山を歩く(3) 大展望の大船山
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