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シニアの家めし(40) 7年目の味噌づくり、「種味噌仕込み」を試してみる

投稿日:2024年2月8日 更新日:

味噌づくり

味噌の材料に昨年仕込んだ種味噌をまぜ込む

 今年も味噌を仕込む季節になった。毎年大寒の頃に味噌を仕込むという暮らしも7年目を迎え、年中行事となってきた。

 今年は、2月5日に16kgの仕込みを終えたところだ。今年の改善点は3つ、今回は新たな取り組みを中心にレポするとしよう。

 なお、わが家流の味噌の仕込み方に興味がある方は、一作年の記事がお役に立つと思う(その記事はこちら)。ご参考までに。

目次

仕込み方と段取りの検討

今年の改善点

 7年目ともなると、仕込み方の大筋はほぼ決まってくる。それでも次の3点を改善してみることにした。

  • 「種味噌仕込み」を試してみる
    「種味噌仕込み」とは、熟成中の味噌を「種」として混ぜ込み、麹菌の発酵・熟成を促進し安定化を図ろうとする仕込み方。
  • 圧力鍋を2台使用する
    昨年初めて圧力鍋を大豆蒸しに利用してみた。時間と光熱費の大幅な節約ができたので、今年は2台の圧力鍋(大、中)を使用し、さらなる時間短縮を図ろうとした。
  • 保存容器をコンパクトなものに変える
    プラスチック製の保存桶(15型、15リットル)が大きくて場所をとるため、一回り小さな桶(11型、11リットル)を使用してみた。

スケジューリングと材料の手配

味噌づくり

大豆1.5kgと塩切り麹5kg、これで約8kgの味噌ができる

 味噌の仕込みは、最も寒さが厳しくなる大寒の頃が最適とされている。気温が低いため、雑菌が繁殖しにくいというのがその理由。今年は手伝ってもらうカミさんのスケジュールも勘案して、2月5日(月)を仕込みの日とした。

 次の段取りは、来年のための備忘記録。

  • 1月23日(火) 地元の和田味噌店に電話し、材料を注文。今年は、大豆3kg、塩切り麹10kgを注文。塩切り麹とは予め米麹と塩を混ぜ合わせたもの。
  • 1月25日(木) 材料の配達日。小生の居住地は木曜日が配達日なのだ。
  • 2月 3日(土) 大豆をよく洗い、汲み置いた地下水に浸す。わが家では、蒸し時間短縮のため2日間浸水させることにしている。道具一式を準備し、ミンサーのテスト運転を実施。
  • 2月 5日(月) カミさんと一緒に朝から仕込み作業。

道具の準備

味噌づくり

ミンサー(2021年購入)を組み立て試運転をしておく

 味噌の仕込み日までに、次の道具を揃え点検しておく。ミンサーは組み立て後に試運転を行った。

  • 大きめのボウル・ざる‥‥各1個(大豆の水揚げに使用)
  • 圧力鍋‥‥2台(わが家の圧力鍋は、アサヒ軽金属の活力鍋(Lサイズ5.5ℓ、Mサイズ3.0ℓ)
  • 蒸し器‥‥2式(鍋の大きさに合ったもの)
  • ミンサー‥‥1台(電動式、2021年購入)
  • 種味噌‥‥‥大豆1kgに対し250g(昨年仕込んだ1年熟成味噌を使用)
  • タライ‥‥1個(大豆と麹、塩をまぜるために使用。50型:直径50cm×高さ17cm、24ℓを使用)
  • 熟成容器‥‥2個(味噌保存用、8kgの味噌を入れるには、11リットル以上の大きさが必要)
  • 熟成容器の中蓋‥‥2個(容器の大きさに合ったもの)
  • 重石‥‥2個(味噌重量の30%が目安だとか。近くの川原で調達)
  • ビニール袋‥‥熟成容器の中にセットし、味噌の腐敗やカビを防止。20~30リットルが適当か?
  • ラップ‥‥‥‥味噌の表面に張りつける。
  • 塩‥‥少々(カビ予防のため)
  • 焼酎(35度)、アルコール等‥‥容器等の消毒に使用
  • 酒粕‥‥味噌の表面に塗布し、腐敗を防止する。500g程度
  • その他、あれば便利なもの
    ブルーシート、はかり、キッチンペーパー、
    くず野菜(ミンサーの油抜き)

 

味噌を仕込む ~蒸してつぶし、まぜて丸めて、詰めるだけ~

 味噌を仕込む日の鉄則は、納豆禁止!(できれば前日も控えた方がよい) 納豆菌は強力で「麹菌の天敵」と呼ばれているらしい。

 2日間水に漬けておいた大豆、ザルに上げるとずっしりと重い。

味噌づくり

 もとの乾燥大豆と比べると、3倍近く膨らみ充実感がみなぎっている。

味噌づくり

 圧力鍋のLサイズに大豆500g、Mサイズに大豆250gをそれぞれセットして加熱。圧がかかったら火を弱火に落とし、10分間蒸す。右の圧力鍋(Lサイズ)は、30年以上使用している年代物。

味噌づくり

 10分後に消火。余熱調理で減圧終了まで約25分。蓋を開けると、湯気と大豆のいい香りが立ちのぼる。次の画像はMサイズの鍋を開けたもの。

味噌づくり  念のために親指と小指で潰してみる。大豆の中心部までふっくらと柔らかい蒸し加減だ。

味噌づくり

 電動ミンサーで潰していく。手動ミンサーで2時間かかっていた作業が、電動だと約10分で終わる。このスピードは何にも代えがたい。

味噌づくり

 潰し終えたスパゲティ状の大豆。

味噌づくり

 このタライに塩切り麹(麹と塩をまぜたもの)を投入し、手で混ぜ合わせていく。力仕事は小生、カミさんは2回目の蒸し作業担当と、分業で作業を進めていく。

味噌づくり

 試しに塩切り麹をアップで撮影。米の表面を白く覆っているのが麹菌、光って見えるのが塩の結晶。この微生物が味噌をつくるのだから、本当に不思議な世界だ。

味噌づくり

 大豆と塩切り麹をある程度混ぜた段階で、種味噌を投入。昨年2月に仕込んだ桶を開けると、順調に熟成した味噌の香りがする。こいつが種味噌になる。

味噌づくり

昨年2月2日に仕込んだ味噌。熟成が順調だったことが分かる。

 (乾燥)大豆1kgに対し、種味噌250gが目安とのこと。一桶分(大豆1.5kg)として種味噌400gを投入。

味噌づくり

 種味噌を全体によく混ぜ込み、味噌団子を作る。

味噌づくり

 この味噌団子を保存桶に入れ、げんこつで押し込む。体重をのせてしっかりと押し込み、空気を抜いていくのだ。

味噌づくり

 詰め終わったら表面に酒粕を塗りつけ、カビ防止のため周辺部に塩を置く。

味噌づくり

 ビニール袋の口を閉ざし、中蓋の上に川原で拾った重石をのせ、作業終了!

味噌づくり

 今年も何とか1年分の味噌を仕込むことができた。

味噌づくり

右の容器が少しコンパクトな11型。シール蓋なので、においがもれないらしい。

 

改善点の感想

1「種味噌仕込み」
 発酵結果は、来年の味噌開きまで待たないと分からない。楽しみである。なお、種味噌は発酵が進行中の「生きた」味噌を使うのが条件。

2 圧力鍋2台使用
 圧力鍋を2台使用することで、昨年以上の蒸し時間の短縮とガス料金の節約ができた。時間を計ったわけではないが、昨年の3分の2の時間で作業が終了。有り難い!

3 11型の保存容器の使用
 近くのホームセンターでは、15型以下の容器はどこも10型しか置いていなかった。やむなくネットで11型を購入。ジャストサイズでコンパクト、「シール蓋でにおい漏れなし」という点が気にいった。今のところ満足。

 

味噌づくり

 

 味噌をつくり始めたいきさつを書いた「シニアの家めし(15) なぜ、自分で味噌をつくろうと考えたのか?」で、次のように記したことがある。

 ことわざに「医者に金を払うよりは、みそ屋に払え」とある。文字通り「病気になって医療費を払うよりは、その金で毎日みそを食べ、健康を維持しておけ」という意味。

 味噌のおかげかどうかは不明だが、ごくたまに風邪をひく以外は、病院にお世話になることはほとんどない。カミさんも同じである(2人とも歯のメンテナンスには、定期的に通ってはいるが)。

 同年代の友人・知人が、食後に数種類の薬を取り出す姿を見て、通院の労力と医療費の支出だけでも大変だろうな、と思っている。

 おかげさまで、「病院に行くことはほとんどない」生活は今も続いている。血圧も正常、体調も順調、コロナにもかからなかった。カミさんと二人、「毎朝食べる味噌と納豆のおかげだろう」とうなづき合っている。

 毎年2月に味噌を仕込む暮らしは、これからも続くことだろう。

※ 味噌に関する過去の記事はこちら >

◆本シリーズ「シニアの家めし」の次の記事はこちら >シニアの家めし(40) 7年目の味噌づくり、「種味噌仕込み」を試してみる    

◆本シリーズ「シニアの家めし」の他の記事はこちら >シリーズ「シニアの家めし」関連記事へのリンク

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