くじゅう連山三俣山(みまたやま・1,745m)の紅葉山行、取り付き地点のスガモリ越までどうやって行くか、ずっと思案してきた。
と言うのは7月豪雨の影響で、くじゅうはほぼ全域にわたり土石流被害や登山道の流出、崩落等が続出しているからだ。
特に牧ノ戸ルートに次いで登山者の多い長者原~スガモリ越ルートは、大量の土石流が硫黄道路を覆い、通行禁止の措置がとられていると聞く。紅葉シーズンまでには復旧するのでは、との淡い期待もかなわなかった。
毎年三俣山の紅葉観賞登山を恒例としてきた小生としては、どうやってスガモリ越まで辿り着くか、頭の痛い問題だったのだ。
13日早朝、あれこれ考えるよりは現地に出かけ調べてみようと思い立ち、偵察に出かけてきた。
※ 本稿は2020年10月13日の山行記録を、10月14日にアップしたものです。
目次
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
09:50 長者原~ 10:47 大曲登山口 ~ 11:08 硫黄道路出合 ~ 11:43-11:53 スガモリ越 ~ 12:22 三俣山西峰 ~ 12:54-13:37 本峰 ~ Ⅳ峰~ 13:56 南峰 ~ Ⅳ峰 ~ 西峰 ~ スガモリ越 ~15:57 大曲登山口 ~ 16:19 長者原
参加メンバー:単独(がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 6時間29分 |
活動距離 | 13.7km |
累積標高上り/下り | 938m/937m |
カロリー | 3,423kcal |
長者原ビジターセンターでの情報収集
自宅を出たのが午前5時40分。のんびり一般道を走り、9時過ぎに長者原に到着。平日だというのに、第1駐車場はびっしりと車で埋まっていた。
さっそくビジターセンターを訪れ、登山道の状況を尋ねてみる。
センター職員の方に確認した情報によれば、
- 長者原~スガモリ越間は、土石流による被害により「通行禁止」の対応がとられている。
- スガモリ越経由で三俣山に登るには、①大曲(おおまがり)登山口から入山、②雨ヶ池を経て坊がつるに回り込みスガモリ越へ登り返す、という2ルートのみ。
(小生の年齢に配慮されたのだろう。さすがに南峰直登ルートは紹介されなかった。)
念のため登山口まで足を運んでみると、「この先、土石流発生のため通行止め」と書かれたメッセージが立っている。
仕方がない、大曲登山口までテクテク歩くとするか。
長者原から大曲登山口まで
長者原から牧ノ戸峠までの「九州自然歩道」は舗装され標識も整備されているので、迷うことはまずない。問題は途中から自然歩道を外れ、車道歩きをしなければ大曲には着けないこと。
どこから車道歩きをすればよいのだろう。スマホのGPS地図を確認しながら、歩くことになった。
長者原から牧の戸峠へ歩を進めると、すぐに九州自然歩道入口が見えてくる。
木々に覆われた自然歩道は緑があふれ、ゆったりした気分で歩くことができる。
約30分ほど進み、右手の「九州観光ホテル」の入口を過ぎた所から車道を歩くことになる。
この標識に誘われて自然歩道に足を踏み入れると、大曲には着けなくなるので要注意!
後は車道に沿ってひたすら上り坂を進むのみ。後ろからかなりのスピードの(と感じる)車が、うなりを上げて横を通り過ぎるので、少し怖い。
20分ほど歩くと大曲に到着。「おおまがり」と呼ばれるだけあって、180度のヘアピンカーブが際立つ。10台ほどの駐車スペースは、いつ来ても満車状態。
大曲登山口からは正規の登山道を進み、硫黄道路出合いをめざす。秋晴れの陽光を受け、終わりを迎えたすすきの穂が風にゆらいでいた。
硫黄道路に出合うと、見慣れた光景が目に入る。
長者原へ下るショートカットの登山道は通行禁止。三俣山と指山の間の谷が土石流に覆われているようだ。『のぼろ』2020年秋号には、「土石流は、三俣山の西斜面の標高1500メートル付近から標高差で400m下まで駆け下った」と紹介されていた。
舗装道路上にも落石の跡が目を引く。ここを過ぎると、それほど大きな異状は見られなかった。
右手に星生山の噴煙が見えてくると、スガモリ越へ至る最後の登りが待っている。
11時43分スガモリ越到着。長者原から1時間50分かかったことになる。時間的には従来の長者原~スガモリ越ルートよりは、30分プラスという感じだろうか。
三俣山の紅葉の状態
さて、途中経過は省略。肝心の大鍋の紅葉の色づき加減はというと、ご覧のとおりである。
今年は例年より色づきが1週間程度早いらしい。お鉢巡りをして近くで紅葉の彩りを楽しみたいと思ったが、帰りに大曲から長者原まで歩いた後、北九州市まで運転することを考え、踏みとどまる。
今日の所は、三俣山の紅葉を偵察できただけで、満足としておこう。
三俣山の大鍋小鍋、大船山の山頂あたりは、今週末が紅葉のピークだろう。何とかもう一度訪れたいものだ。
次の画像は、下山中に知り合ったSさんの車。軽トラックをベースにした自作キャンピングカー。中を拝見すると大人二人が眠れるスペースが確保され、感心することしきり。
最後に三俣山に別れを告げ、帰路につく。三俣よさらば‥‥。
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お役に立つ情報があれば幸いです。
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